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連関資料 :: 刑事訴訟法

資料:84件

  • 刑事訴訟-03(伝聞法則)
  • 伝聞法則の趣旨と、伝聞法則に例外が認められる一般的な理由を説明し、さらに、いわゆる「前 の不一致供述」が伝聞法則の例外として証拠に許容される理由を説明しなさい。 (1)伝聞法則 刑訴法は、刑罰法令の適用・実現にあたっては、公共の福祉と国民の基本的人権の保障とを 全うしつつ、事案の真相を明らかにすることを目的とし(刑訴法1条)、これを達成するため、証拠 の審査を相争う当事者の攻防に委ね、真実の判断を冷静な裁判所に任せた。当事者主義のもと では、証拠の審査について、憲法37条2項では、「刑事被告人はすべての証人に対して審問する 機会を十分に与えられ、また、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有す る。」としており、憲法 37 条 2 項前段では、被告人に不利益な供述者に対する反対尋問権を保障 したものであり、後段では、被告人に利益な証人に対する喚問請求権を保障している。このように 被告人に対して、憲法が保障するところの権利として十全に保障されなければならないとしてい る。 ところが、供述証拠は、供述者の知覚、記憶、表現、叙述という過程をたどるため、その過程に 誤りがないかどうかを吟味しなければ供述の信用性があるとはいえない。供述の信用性を吟味す るために、公判での証人尋問がおこなわれ、偽証罪の制裁のもとに真実を述べる旨を宣誓がなさ れ、相手方当事者による反対尋問にさらされ、裁判所は供述態度やその状況観察などを通して、 供述の信用性を判断できるとしている。 そこで、事実審理を行う裁判所の面前での尋問に対する反対尋問を経ていない供述証拠(伝 聞証拠)は、信用性に乏しく、証明力について疑わしい場合が多いために、公判期日外における 他の者の供述を内容とする供述、および公判期日における供述に代わる書面などの伝聞証拠は、 証拠能力を否定され、この原則のことを伝聞法則という(刑事訴訟法320条 1 項)。 ただし、伝聞法則には例外が定められており、刑訴法321条~328条に該当する場合には、 例外的証拠能力が肯定される。 (2)伝聞法則の例外 憲法 37 条 2 項も、(イ)反対尋問に代わるほどの信用性の情況的保障があり、かつ(ロ)その証拠を 用いる必要があるときにまで、必ず審問の機会を与えなければならないという趣旨ではない。被 告人の反対尋問権の保障といっても絶対的なものではなく、伝聞証拠の信用性が合理的に認め られる場合で、かつ、その証拠が真実発見のために必要である場合には、真実発見という観点か ら、一定の範囲で譲歩を迫られる。英米法においても古くから例外が認められていた。 ①信用性の情況的保障→供述が信用できるような外部的情況。この保障には程度の差があ りうる。 ②必要性→その証拠を使用する必要があること。この必要性にも程度の差がありうる(他で代 替できるか否か、重要な証拠であるか否か等)。 ※伝聞法則の例外は、①②の強弱の兼ね合いによって、相互に補完的に相対的に考慮され て、許否が決せられている。 (2) 例外の 3 分類 ①反対尋問が不可能な場合 その 1 証人喚問不能の場合 その 2 被告人の供述 ②不完全なから反対尋問の機会を与えた場合 その 1 供述が以前になされ、公判廷で事後的に反対尋問の機会を与えた場合 その 2 以前の供述のときに反対尋問の機会を与えた場合(しかし、それは事実を認定する裁 判官の面前ではない場合) ③ 反対尋問を必要としない場合(次表) 伝聞法則の例外の要件 a)必要性
  • 刑事訴訟 伝聞法則 伝聞法則の例外
  • 550 販売中 2008/03/24
  • 閲覧(4,562)
  • 刑事訴訟 被告人取調べ
  • 問題  骨董商甲は、平成16年10月2日、顧客Aに対し、ほとんど価値のない壺を中国明朝時代の名品だと偽って売りつけ、これを信じた同人から売買代金名の下に現金500万円を騙し取ったとして、目下、身柄勾留中のまま公判請求されている。 1 検察官はAに対する上記詐欺\事件で甲を取り調べることができるか。 2 甲は、平成16年10月10日、顧客Bから同様の手段を用いて現金400万円を騙し取った嫌疑ももたれている。検察官は、Bに対する詐欺\\\事件で甲を取り調べることができるか。   Bに対する詐欺\\\事件につき逮捕・勾留の手続をとった場合ととらない場合とで結論が異なるか。 第1 設問1について 1 甲は、Aに対する平成16年10月2日の詐欺\\\事実について公判請求されているが、検察官はかかる事件で甲を取調べすることができるか、被告人に対する被告事件の取調べの可否が問題となる。 2 思うに、現行法が採用する当事者主義的訴訟構\\\造(256条6項、298条1項、312条1項)の下では、対等であるべき一方当事者たる被告人を検察官が取調べるということは矛盾であるので、被告人は検察官と対等に取り扱われるべきである。また、198条1項は取調べを受ける対象を「被疑者」と規定している。   とすると、原則として被告人取調べは認められないと解すべきである。 3 もっとも、197条1項本文は対象者を限ることなく捜査機関に取調べを認めている。また、事件の流動性に鑑み、公判段階に至っても被告人から事情を聴取すべき必要性が生じうる場合がある。 そこで、例外として、被告人取調べにつき、被告人から供述を求め、これに弁護人が立ち会うなどして、被告人の当事者主義的地位に反しないという名実ともに任意処分であれば、被告人取調べが認められると解するべきである。
  • レポート 法学 刑事訴訟法 取調べ 事件単位
  • 550 販売中 2005/11/05
  • 閲覧(1,824)
  • 刑事訴訟 捜索差押令状
  • 問題 1 マージャン賭博被疑事件についての捜索差押許可状に、捜索場所はその麻雀荘、差し押さえるべき物として、「本件に関係ありと資料される帳簿、メモ、書類等」と記載されていたところ、捜査官がその麻雀荘で雑記帳、手帳、点数計算表、麻雀パイ、計算棒入箱、電卓、チップを差し押さえた。この差押手続は適法か。 2 犯罪捜査において、コンピュータにかかる磁気ディスク等の電子記録媒体ないしその中に記録・保存されている電磁的記録・情報を証拠として収集する必要がある場合、捜査官は、 (1) フロッピーディスクをその内容を確認することなしに差し押さえることはできるか。 (2) 当該コンピュータを操作して、当該犯罪捜査に必要な電磁的情報をプリントアウトできるか。 第一、設問1について 1 憲法35条は、何人も「正当な理由に基づいて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ」捜索及び押収を受けることのない権利を侵されないとしている。これを受けて、刑事訴訟法(以下、法)は、捜査機関は裁判官の発する令状より、差押、捜索をすることができる(法218条1項)とし、その令状には「捜索すべき場所」、「差し押さえるべき物」や「罪名」の記載がなければならないとしている(法219条1項)。  では、本問における捜索差押許可状(以下、本件令状)は適法か。 (1) まず、本件令状における場所の記載は憲法と法が要求する程度に特定しているか。  この点に関して、令状における捜索場所の記載がどの程度特定している必要があるのかが問題となるが、社会通念に照らして合理的に解釈して、捜索場所を特定しうる程度の記載がなされていればよいと解する。
  • レポート 法学 刑事訴訟法 捜索差押 令状
  • 550 販売中 2005/11/05
  • 閲覧(6,731)
  • 刑事訴訟 科目試験対策
  • ①被疑者のマンションの居室に対する覚せい剤の捜索差し押え令状に基づいて、そのマンションで被疑者と同居している者が所有しているバッグの中身を捜索することは許されるか。 ②警察官は、覚せい剤所持及び、使用について相当理由もなく令状も入手していない被疑者に対して、任意同行を求めようと被疑者宅に赴いた。玄関で声をかけると被疑者が逃亡する虞があると考え、住居の裏側のはき出し窓から住居内に立ち入り、居間にいた被疑者に警察官であることをつげ、同行を求めた。被疑者は素直にこれに応じた。警察署で被疑者は尿の提出に任意に応じ、検査の結果、被疑者の尿中から覚せい剤が検出された。この尿検査についての尿鑑定書を書き、被疑者(被告人)の覚せい剤使用を認定し、有罪とするための証拠として提出することは許されるか。 ③被告人は、平成23年8月1日ごろから同月6日ごろまでの間、東京都府中市内およびその周辺において覚せい剤であるフェニルメチルプロパン塩類を含有する者若干量を自己の身体に注射または服用して使用し、もって覚せい剤を使用したものである。」との公訴事実の記載は適法か。
  • 憲法 問題 捜索 判例 犯罪 令状 能力 訴因 捜査 携帯
  • 550 販売中 2011/09/22
  • 閲覧(2,088)
  • 刑事訴訟レポート 捜索差押
  • 「警察官Aは,覚せい剤の密売人と目される甲を覚せい剤譲渡の被疑者として通常逮捕し,その際,甲が持っていた携帯電話を,そのメモリーの内容を確認することなく差し押さえた。その上で,Aが,無令状で,甲の携帯電話を操作して,そのメモリーの内容を精査したところ,同携帯電話のメモリー内に覚せい剤の仕入先と思われる人物からの受信電子メールが保存されており,同メールに,翌日の某所における覚せい剤売買の約束と思われる記載があった。  そこで,Aが,同メールに記載された日時に待ち合わせ場所に赴いたところ,乙が近づいてきたので,Aは,乙に対して,甲を名のった上で「約束の物は持ってきてくれましたか。」と言った。すると,乙は,Aを甲と誤認して,覚せい剤を差し出したので,Aは,乙を覚せい剤所持の容疑で現行犯逮捕した。  以上のAの行為は,適法か。」 1.Aは甲を覚せい剤譲渡の被疑者として通常逮捕し、その際に甲が所持していた携帯電話をその内容を確認することなく差し押さえたが、この差押は適法といえるか。 (1)まず、220条1項2号において逮捕に伴う無令状捜索差押が許容される趣旨が問題となる。 ①この点、同条項が逮捕に伴う無令状捜索差押を許容するのは、逮捕者の身体安全確保の必要性と、被疑者の身辺には証拠が存在する蓋然性が高く、これを保全する必要性があり、他方、適法な逮捕に附随して一定の範囲で証拠の捜索を行っても新たな権利侵害の程度が低いので、その許容性が認められるからである。 ②携帯電話は本問における被疑事実は、覚醒剤譲渡である。たしかに、携帯電話それ自体は覚せい剤譲渡に関する証拠物とはいえないが、覚醒剤譲渡における取引は、通常電話連絡などの非対面方式によって行われるのが一般的であり、携帯電話は、覚醒剤譲渡と関連性を有する証拠物であるというべきである。したがって、携帯電話は220条1項による差押の対象となると解する。 (2)では、同条項は「逮捕する場合」に「逮捕の現場で」捜索差押などをすることを認めているが、その具体的内容はいかに解するべきか、同条項の許容する無令状捜索差押の時間的範囲および場所的範囲が問題となる。 ①時間的範囲については、被疑者が現在する場合には、証拠破壊の危険が大きいことから、原則として逮捕行為に着手した後であることを要するが、被疑者が現在しているときの逮捕行為着手直前の捜索差押を許容すべきと解する。 ②場所的範囲については、証拠破壊の危険は、現場に居合わせた被逮捕者以外の者によってなされる危険があり、これを防止する必要性が大きいことから、逮捕の場所と同一の管理権の及ぶ範囲を含むべきと解する。 ③本問においては、Aは甲を逮捕した後に、甲が所持する携帯電話を差し押さえたのであり、同条項の要求する時間的範囲および場所的範囲はみたされると解する。 (3)もっとも、本問において、Aは携帯電話のメモリーの内容を確認することなく差し押さえているが、この行為は適法といえるか。 ①たしかに、適正手続き(憲法31条)の見地からすると、捜索差押をするにあたっては当該被疑事実と関連性を有する証拠物であるかにつき、差押をする前に現場で確認をとるべきである。しかし、証拠物の中には、その場で内容を確認することが不可能ないし困難なものもあり、常に現場での確認を要求することは、捜査の必要性を阻害して妥当でない。  したがって、(ⅰ)その場で内容を確認することが不可能ないし困難である場合で、(ⅱ)当該証拠が被疑事実に関連性を有する蓋然性が高い場合には、内容を確認することなく差押をすることも許
  • 問題 差押 逮捕 組織 犯罪 方法 時間 利益 個人 保存
  • 660 販売中 2007/11/08
  • 閲覧(4,538)
  • 刑法と刑事訴訟の融合問題
  • 【問題】 司法警察員Xは、管内居住のAから「深夜自宅に侵入した何者かによって暴行・脅迫を加えられ、金庫を開けさせられた上、中にあった現金20万円と銀行のキャッシュカード1枚を強取された」との被害届けを受けた。Aとその妻B及び娘Cは紐とガムテープにて縛られていたため、それを解いて警察に通報できたのは翌朝の9時であった。後に判明したのであるが、犯人はすでに翌朝の8時に銀行のキャッシュコーナーで盗んだキャッシュカードを用いて現金100万円を引き出していた。 Xは、A宅の近所に住むDから、「ホームレスのYがその夜近所の道路にうずくまっていたこと、その夜以降、見かけなくなっていること」を聞きだすことができた。Xは、以前、窃盗でYを逮捕したことがあることから、保管していたYの顔写真と全身写真をAに見せたところ、「同一人物とは断言できないが、似ているようには思う」との供述を得ることができた。また、Aにキャッシュコーナーの防犯カメラに写った人物の写真を見せたところ、「犯人とはまったく別人であるように思う。」とのことであったし、Yの上記写真とも別人だといわざるを得ないものであった。 Xは、「1ヶ月前にD宅の道路に面したブロック塀にかけて乾かしていた作業ズボンをYが盗むのを見たのだが、かわいそうなので警察に届けずにおいた。」という話をDから引き出すことができたことから、これ幸いとDの作業ズボンを摂取したということで逮捕状をとりYを逮捕した。しかし、取調べはもっぱらA宅強盗事件に向けられた。 Yは、当初否認していたのだが、執拗な取調べの前についにXに言われるまま供述録取書に署名押印した。 ところが起訴状には「住居侵入強盗」でなく「住居侵入強盗致傷」の公訴事実と罪名が記載されていたことから、弁護人にその量刑相場を尋ねると予想していたよりもはるかに重いことに驚いたYは、A宅強盗事件につき公判では否認するに至った。
  • レポート 法学 住居侵入罪 強盗罪 強盗致傷罪 公訴権濫用論 訴因の変更
  • 550 販売中 2006/07/03
  • 閲覧(1,688)
  • 刑事訴訟 訴因・被告人特定
  • 設問  宗教法人A寺の住職で責任役人である甲は、平成10年1月10日、宗教法人法及びA寺規則の定める手続をとらずに、業務上占有するA寺所有の土地1筆につき、甲が経営するB商事株式会社を債務者とする債権額1億5000円の抵当権を設定してその旨の登記を了した。さらに、平成14年9月10日、父親で代表役員の乙らと共謀して、前同様、所定の手続をとらずに、前記土地1筆を代金2億円にてC商事株式会社に売却し、即日その所有権移転登記を了した。 問1 検察官は、平成17年11月時点において、前記売却行為のみを訴因として起訴できるか。また、弁護人は抵当権設定を理由として前記訴因を争うことができるか。 問2 第一回公判には、甲の双子の弟丙が甲に成りすまして出頭し、人定質問にも自ら甲である旨を答えた。既に証拠調べに入っていた第3回公判に至り、裁判所は、丙が身代わりであることに気づいた。裁判所のとるべき措置如何。 第一 問1前段 1 検察官は、甲による土地売却行為を訴因として起訴できるか。  本問では、平成10年1月10日、甲が業務上占有するA寺所有の土地1筆(以下、本件土地)につきB商事株式会社を債務者とする債務額1億5000円の抵当権を設定し、その旨の登記をした行為(以下、抵当権設定行為)と、平成14年9月10日、乙らとの共謀の上本件土地を代金2億円でC商事株式会社に売却し、その所有権移転登記をした行為(以下、土地売却行為)について、甲の罪責が問われている。この点、抵当権設定行為も土地売却行為も、甲が本件土地につき業務上占有していたこと、宗教法人及びA寺規則の定める手続を執らなかったことから、業務上横領罪(刑法253条)にあたる行為である。ただ、抵当権設定行為は時効にかかっている(250条4号)。また、両者の関係について、後者は不可罰的事後行為となるが故に罰することにはならないと考えられている。
  • レポート 法学 刑事訴訟法 不可罰的事後行為 訴因 審判対象
  • 550 販売中 2005/11/25
  • 閲覧(1,953)
  • 刑事訴訟 訴因変更の要否?
  • 1 小問(1)   裁判所は訴因とは違った心証をもっている。   ↓(そうすると)   裁判所が有罪を認定するために訴因変更(312条1項)が必要か否かは、裁判所の抱    いた心証が訴因の同一性の範囲内か否かによる。   ↓(そこで)   いかなる場合に、訴因の同一性が失われ訴因変更が必要か、訴因の意義と関連して問   題となる。 (1) 審判の対象を控訴事実と解する立場からは、訴因は被告人の防御のために控訴事実の法律構成を示したものとなる(法律構成説)。
  • レポート 法学 刑事訴訟法 訴因変更 要否
  • 550 販売中 2006/05/13
  • 閲覧(2,380)
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