ロマン主義とは何か、またその担い手たちはどういう意味でロマン主義的なのかをそれぞれ述べよ。
ロマン主義とは、もとはドイツやフランスの批評家が用いた言葉で、19世紀にイギリスに伝わった。古典主義に対して、古くからの伝説にとらわれることなく、人間の自由な活動と、思想、感情の奔放さとを強くうち出そうとする人生態度、または文学上の主義である。ロマン主義の時代の代表的な文学は詩である。想像力こそ詩人を躍動させ、人間と宇宙の本質を洞察する力であった。ロマンティシズムの特徴を絞るとすれば、その第一は時間的空間的に遠いものに対する憧れ、第二は自然と超自然に対する驚異と熱愛、第三は革命的精神である。言わば革命の子であるロマンティシズムは、理想主義的態度をもって解放を叫びユートピアを模索した。かくしてロマン派の詩人たちは、他の何ものにも勝る詩の優越性を主張して美に情熱を燃やしたのである。
イギリスのロマン主義時代の担い手となった詩人たちを以下に挙げる。彼らは、ロマン主義である文学を持って、その独特な観点から作品を世に生み出し、文学界に多大な影響を与えた。
ウィリアム・ブレイク(William Bla
エドガー・アラン・ポーとマーク・トウェインについて述べよ。
エドガー・アラン・ポーは、その短い生涯において編集者として活躍した。しかし彼の、詩、短編小説、批評の三つの分野にわたる創作意欲はすさまじいものがあった。まず短編小説について述べる。日本では、ポーという名前を聞くと、探偵小説家、または推理小説家といわれがちだが、これはあくまでポーの描く一分野である。彼の小説は大体、(1)恐怖を狙ったもの、(2)美的または詩的なもの、(3)推理もの、の三種類に分けられる。(1)としては、「びんの中の手記」(M.S. Found in a Bottle,1833)や、「ライジア」(Ligeia,1838)、「アッシャー家の崩壊」(The Fall of the House of Usher,1839)、「ウィリアム・ウィルソン」(William Wilson,1839)、「メールストロームの旋渦」(A Descent into the Maelstrom,1841)、「黒猫」(The Black Cat,1843)、「もの言う心臓」(The Tell-Tale Heart,1843)、「穽と振子」