連関資料 :: ペスタロッチ

資料:55件

  • ペスタロッチーの教育学
  •  「世界の教育者」と言われるペスタロッチーは1746年にスイスのチューリッヒで医師の子として生まれた。ペスタロッチーは六歳で父を失い、母と忠実な手伝い人によって育てられたが、母は宗教的情操の豊かな人であり、彼はその感化を大きく受けたと言われている。  彼は法律学の研究をしていたが、ルソーの『エミール』を読んで田園生活に感ずるところがあり、1768年ブルックに農場を作って、ノイホーフと名づけた。彼のノイホーフにおける7年間の農業生活は失敗に帰したが、このノイホーフにおいて、1770年長男ヤコブが生まれると、その教育に大きな注意を払って育児日記を作った。その観察実験および実地教育は、児童研究・実験教育の先駆とも言えるものである。  1774年、彼は農業から転じて紡績業を始めたが、この事業のために近所の貧民の子女を雇い、パンを与えるとともに、彼らを教育しようとし、1775年、50人の子女のために貧民学校を開いた。しかしその試みもうまくいかず、彼は文筆活動を始めることとなる。彼は1780年『隠者の夕暮』で彼の根本的教育思想を示しているが、  別名『自然の書』と呼ばれるように、教育的見地から自然に関してペスタロッチー独自の洞察を展開したものである。『隠者の夕暮』におけるペスタロッチーの教育の真の精神は「自らを知れ」の一語につき、その根本には家庭第1の思想がある。「自然の道に従う」ことが、ペスタロッチーの教育観であり、その根底に神が宿ると説いている。  翌年に教育小説『リーンハルトとゲルトルート』を出版している。この教育小説は、スイスの農民生活を描いたものであるが、この書は社会に歓迎され、ペスタロッチーの名は一躍有名になったのである。
  • レポート 教育学 ペスタロッチ 教育 直観 直観の原理
  • 550 販売中 2006/01/10
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  • ペスタロッチーの教育学
  • 『ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ』 Ⅰ.ペスタロッチーの教育方法  ペスタロッチーの考える教育というのは、古い中世教育思想にみられる「外部からの知識の注入」ではなく、本来子どもが生まれながらにして有している内的本性を自然に即した形で伸ばしていくということである。 この内的本性とは「真への認識」、「美への感情」、「善の力」とされ、これらは子どもが将来成長していくための能力、内的素質として彼は重要視した。ところが、子どもは生まれながらに未だ「動物的」であり、この「動物的な力」は粗暴であり、現実社会では機能しないため、中世教育思想ではこの動物的衝動は根絶された。 しかしペスタロッチーは、子どもは単に動物的であるにすぎず、特に幼児の「動物的純真」を人間の成長の起点と示し、そこから生き生きとした直観が働き、人間は純粋に「好意的、感謝的、親愛的」でありうる、と考えた。よって彼は教育者は子どもの内的本性が自ら実現していくのを援助することに専念しなければならないし、子どもの自発的な成長を促すべきであると提唱している。 Ⅱ.直観の原理と直観教授  ペスタロッチーの教育方法の重要な柱として「直観の原理」というものがある。これは前節でも少し触れたが、子どもが既に有している能力であり、非常に人間的で、精神的かつ道徳的なものである。子どもは直観の原理に基づいて事物を感覚として認識し、知識として獲得していくわけだが、子どもの場合その過程に於いて、自由に直観し、感じるため、純粋に人間的な、精神的な、道徳的な文化のすべての要素になりうる。つまり直観とはすべての認識の基礎であると言え、また教えるということは、事物の直観から始まると言ってもよい。よってペスタロッチーは教育も直感的でなければならないと考え、直観の原理に基づいた教育方法を「直観教授」として実践していく。実践していく上で重要な考え方は、曖昧な直観を明瞭な概念にし、それを整理し、明晰なる概念に高めなければならないということである。ペスタロッチーは「我々の認識は混沌から規定へ、規定から明晰へ、明晰から判明へと進むのです」と言っているように、ペスタロッチーの教育方法は段階的・漸次的な教育法であった。そして直観とは「数」、「形」、「語」の三つの根本的要素から成り立っていることを発見し、この三要素は人間の認識の基本的な働きと捉えられるため、この部分を学習することは極めて重要であると述べている。この概念に基づいて、子どもたちの「直観」の為に工夫された教授法が直観教授(直観のABC、直感の術ともいう)である。ただここで気をつけなければいけないのは、子どもたち自身の「直観」に目を向けずに、「直観教授」に関心を抱き、様々な事柄を子どもたちに教え込む教育の実践をしてはならないということである。つまり直観教授(授業)が単に形式化してしまい、子どもたちの直観による「認識」から「明晰」、「判明」に至るまでのプロセスを抑制してしまっては「直感」のための「直観教授」ではないからである。 Ⅲ.「生活、技能の陶冶」と「身近」について ペスタロッチーは、生活から技能を学び、技能を生活に生かすといういわゆる「技能の陶冶」、「生活の陶冶」がもっとも自然に即した、また「直観」を活かした成長の形であると言っている。それは、人間の能力、つまり万人に備わる意欲(道徳力)、知力(精神力)、能力(技術力)は、「それを使用するという単純な方法によってのみ」発展するのであり、したがって人は、その能力を、ことばや概念の外からの押し付けや注入によってでは
  • ペスタロッチー 教育学 直観の原理 レポート 文字数:B5で約8枚分 B5八枚分相当
  • 550 販売中 2008/04/07
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  • ペスタロッチーの直観教育についての考察
  • ペスタロッチーは、世界中の現代教育に於いて、最も名の知られている教育者の一人である。   教育とは、その時代の社会状況やモラルが何を求めているかによって少なからずの異なりを見せるものである。多くの教育者はこの例外に身を置く事なく、目前の社会の近未来を見据え、教育論を唱えた。勿論ペスタロッチーとて同じである。では、「何故ペスタロッチーの教育観は現代にまで多大なる影響を与えているのであろうか?」その答えを考察していきたい。  1775年、ペスタロッチーはノイホーフに於いて貧民層の子供たちを集めて学校を開いた。ここでは、子供達に経済的に自立できるだけの職業的技能を身に付けさせる事を目的に、農
  • レポート 教育学 直観教育 ぺスタロッチ ロック 教育原論
  • 550 販売中 2007/05/24
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  • ペスタロッチーの教育学についての考察。
  • ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ ペスタロッチーは子どもをどのように捉えていたのかというと、将来発展する素質が備わっていると考えていた。そして、その素質が子どもの内から発展するように助成するのが教育と考えていた。つまり、子どもは生まれながらにして、真への認識、美の感情、善の力を有していると考え、これらの内的本性を子どもが自ら実現していくのを援助するのが教育であり、逆に内的本性に備わっていないものを、外部から押し付けることは教育とは言わないと考えている。この考え方から、子どもはすでに将来成長する能力を内的に有していると考え、子どもの内的素質を重視するという点で有機的で、自発的成長を促すという点で発生的なものとして教育を捉えている。  このような基本的な教育方法の重要な柱として「直観の原理」がる。直観は全ての認識の基礎となるので教育方法は直観的である必要がある。そして、その直観はまだ曖昧な素材であり、概念的には不明瞭であるので、それを分離・結合して、秩序を与え、明瞭な概念にすることが求められる。よって、直観を原理とした教育方法は段階的なものとなる。  この直観をペスタロッチーは三つの梱包的要素から成り立っていると述べ、その三要素の基礎的部分を学習することが重要である。その三要素は数、形、語の三つで、あらゆる事物はこの三要素を有しているためこれらから始め、根源的要素まで遡って単純化して、その要素から勝つ実性を有する合自然的な教育を実行する。このように、ペスタロッチーは、思惟能力を発達させるのに役立つ基礎的な要素を語、数、形に求め、これらを教授の三つの基本点としたことを「直観のABC」と呼ぶ。  これら三つの要素をそれぞれ見ていくと、まず語の教授は、発音教授、単語教授・名称教授、言語教授の段階があり、これらを単純化された要素から順々に教育を行っていく。まずは言語の要素である音を子どもに習得させる必要があるため、発音教授が行われ、聞いた音を繰り返すことができるようになれば次に者の名前を教える単語教授・名称教授を行う。この段階まで準備できると、次第次第に長い文章を表現できるように教育する段階へ進み、言語教授において直観が明晰な概念まで高まっているといえる。  形の教授も同様に曖昧な直観から明確な概念への移行を行うことがなされなければならない。まずは輪郭によって異なる事物を識別し、その中に含まれていることを心にうつし出すようにさせ、それを正確に表現できるようにしている。 数の教授では目標は事物の数を数えることが可能になり、子どもがどれだけ多くの対象が目の前にあるのかを明確に学習することになる。まず数の概念を直観できるようにし、単純化された数の概念から徐々に複雑な計算へ、明確な概念へ進むことを目標とする。  ペスタロッチーはこれらの根源的要素に単純化して徐々に複雑な概念へと教授していく方法は技術教育においても同様であるとしてる。例えば、複雑な技能・動作を必要とする作業であっても、「打つ」「運ぶ」「投げる」「押す」「引く」「まわす」などの基本的動作に分解して単純化することが、複雑な技能習熟につながるとしている。また、このような技能の陶冶は実生活に即して行われるべきだと主張している。単に知識を得るために学ぶのではなく、知識を自分の体験として行動することが必要となり、技能の陶冶を単なる身体の熟達に止めず、技術、実際的知識をもその目的としている。ペスタロッチーは「技術力の合自然的な形成に対する本質的な刺激は、身体の面から見れば、自ら自己を発展しよ
  • レポート 教育学 直観の原理 ペスタロッチー ロック 労作教育
  • 550 販売中 2007/11/05
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  • ペスタロッチの生涯と教育思想について
  • ヨハン・ハインリッヒ・ペスタロッチは、1746年1月12日にスイスのチューリッヒで生まれた。5歳の時に父パブテストを亡くし、以後、母スザンナと女中のバーベリにより、兄と妹と一緒に育てられた。ペスタロッチは農村の牧師であった祖父アンドレスのもとで生活上の豊かな経験を得ることができた。祖父の生活がいつしか少年ペスタロッチの理想となっていたのである。 当時、家の貧しい子供は学校へ行くことができなかったが、ペスタロッチは祖父アンドレスの影響を強く受けていたこともあり、貧しい子供たちも入れる学校を自分で創ろうと考えていた。そして、フランスの啓蒙主義者の一人であるルソーの『エミール』を読んで、ますます子供の教育をする決心を強めた。 その後、ノイホーフに於いて農場経営を始める。この頃、幼なじみであった7歳年上のアンナ・シュルテスと結婚する。彼女は苦闘の多い彼の活動や彼自身を、常に強く支えた女性である。 しかし、そのノイホーフでの農場経営は、アンナと共に幾つもの問題や苦闘と向かい合ったが、結局失敗に終わってしまう。そして、28歳のとき、貧民学校を開設し、貧しい家の子供たちを集め、糸つむぎの仕事をさせながら、読み書きや算術を主体とした勉強を教えた。
  • レポート 教育学 ペスタロッチ 隠者の夕暮 ノイホーフ シュタンツ
  • 550 販売中 2006/07/25
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  • コメニウス,ルソー,ペスタロッチ,フレーベルについて
  • コメニウス、ルソー、ペスタロッチ、フレーベルは、近代教育を語る上で外すことのできない重要な人物である。今日の現代教育の基礎をつくったのは、彼らのような近代教育思想家の教育原理なのである。では、これから上の四人の生涯と教育思想について考察していく。 まず、コメニウスについてみていく。コメニウスは、1592年にチェコスロバキアに生まれた。彼の教育思想の核となるのは、自然主義、汎知学主義である。自然主義とは、ラトケの教育改革論に影響を受け、コメニウスの教育思想の中核となっているものである。汎知学主義とは、大学時代のアルシュテット教授の影響を受けたもので、知識を国民に普及させるということを唱えたものである。 彼の有名な著書として『大教授学』、『世界図絵』がある。『大教授学』は、汎知学主義に基づく人類共通の知識体系の確立、万人に共通の教育の主張とそのための教育改革を提唱した教育史上最初の体系的な教育学の著書である。強烈な宗教観を基底としたその内容は、教育目的、教育課程、教授方法、学校制度に及んでいる。特に、単線型学校制度、一斉教授方式などの教育原則は、今日の教育体制の先駆的な構想を提示したものといえる。
  • レポート 教育学 コメニウス ルソー フレーベル 近代教育思想 ペスタロッチー
  • 550 販売中 2006/11/07
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  • ペスタロッチーの教育学について考察せよ
  • ペスタロッチーの教育学(直感の原理など)について考察せよ  ヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチーは、1746年スイス生まれで、父親は外科医であったが彼が5歳の時に死去し、その後は母親と家政婦によって育てられた。したがって幼年期を女性に育てられた事は、後年教育における女性の重要性を説いたことに影響していると考えられる。また祖父が貧しい人々の救済のために働いているのを見て、祖父と同じく牧師となり宗教的信仰を以て救済事業にあたることを生涯の使命としようと決意したが大学在籍中に貧民救済のためには宗教ではなく法学を学ぶことが重要と悟る。そして祖国への愛国心と政治改革に目覚め政治運動を行うが事件にかかわり投獄され農民となることを決意した。その後は農場で教育活動を開始し、上手くはいかなかったものの教育実践を新聞紙上で紹介し世間の好評を得る。その後フランス革命が勃発しスイスも巻き込まれて成立した新政府を支持することにより孤児院を任され、そこで半年で改善に成功した。しかし戦争で孤児院は閉鎖され、またもや政変、追放、開校を繰り返し1827年に亡くなるまでたくさんの素晴らしい書物を執筆した。  ペスタロッチーは「直感の原理」を教育法の重要な柱と考えている。直感はすべての認識の基礎であるので教育方法はまず直感的でなくてはならないとされる。しかし直感において受け取ったものはまだ曖味で混乱している。すなわち直感はまだ素材であり、概念的には不明瞭であるので、直感を分離・結合して秩序を与え、明晰判明な概念にまで高めることが求められるのである。認識が混沌、規定、明晰、判明へと進むゆえに段階的・漸次的な教育法でもあった。「もっとも容易なことからはじめて、先に進む前に、これを完全に仕上げ、次に順序を追って進むことによって、常に、ある僅かなものだけを、既習のものに付け加える」  ペスタロッチーは直感が三つの根本的要素から成り立っていることを発見し、その三要素の基礎的部分を学習することが重要であるとする。そしてその三要素とは①如何に多くの、また機種類の対象が、その眼前に漂っているか(=数)②どんなに見えるか、その形と輪郭は何か(=形)③どんなにそれは呼ばれるか。如何にして子どもは、その各々を、一つ一つの音により、語によって再現することができるか(=語)の三つである。ペスタロッチーによるとあらゆる事物はこの三つの要素を有しているゆえに子どもの教育においてはこの三要素から始めなければならない。この三要素の各々の領域において「暗い直感から規定された直感、明晰な表象、判明な概念を導くこと」が求められる。このように教育方法を根元的要素にまで遡って単純化し、その要素から確実性を有する合自然的な教育の実行が可能とされる。これが直感の「ABC」という考えである。  それでは三要素を更に詳しく見ていくと①数の教授では事物の数を数えることが可能になり、子どもがどれだけ多くの対象が目の前にあるのかを明確に学習することが目標である。単純化された要素から次第に複雑な計算へ進むことが主張されてます。つまり最初は足し算で1を足す事から始め次に2、3と数字を上げていきます。そして10までの足し算を理解したやすく言い得るようになると掛け算へ進み最後に10からの引き算を教えます。これは単なる記憶作業ではなく、理性的訓練によって行われるべきであり、一つ一つの数字を確実に感覚的に把握し、その上で理性的で算術を行う訓練をすることが求められている。②形の教授でもまず、事物を直感する事から始めなければならない。つまり、輪郭によって事物
  • レポート 教育学 ペスタロッチー 直感
  • 550 販売中 2007/04/09
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  • ペスタロッチーの教育学(直感の原理など)について
  • ペスタロッチーの教育学(直感の原理など)について 考察せよ。  ペスタロッチーの家庭の再生と子どもの知性・道徳・技術を育てる教育思想に立った教育実践は、主に初等教育理論に大きな影響を与えた。ペスタロッチーの教育原理として、「有機的・発生的教育方法」と「直感の原理」の二つがまず挙げられる。当時のヨーロッパの知識注入型、暗記主義の教育を批判し、子どもの生きる働きをいかに教育に活用するかということを考えたのである。また、人間性をいかに調和的に発展させるかということを重要視した。  「有機的・発生的教育方法」とは、子どもの内的素質を重視し、自発的な成長を促す教育方法といえる。子どもには将来発達する素
  • 教育法 心理学 ペスタロッチー 直感の原理 教育の方法 技術
  • 660 販売中 2007/11/28
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  • ペスタロッチーの教育学について考察せよ
  • ペスタロッチーの教育学について考察せよ。  ⇒ペスタロッチーは、スイスの教育家・教育思想家である。1746年、チューリッヒに生まれ、チューリッヒの大学に学び、そこでルソーなどの革新的な啓蒙思想に触れ、政治の改革を求める学生組織「愛国者団」に入る。その後、農業を志し、結婚、農業経営のかたわら、貧児・孤児の教育事業に着手した。1781年、教育小説『リーンハルトとゲルトルート』を発表し、絶讃を博す。シュタンツでの孤児救済の活動を経て、1800年ブルクドルフ、1804年、イヴェルドンに学園を開く。『メトーデの精神と心情』『ゲルトルート教育法』など、多くの著書を刊行する。学園は、多くの国々から参観の人々が集まり、教育実践研究のセンターとなって、ヨーロッパ、アメリカにペスタロッチー運動が広がる。1825年、弟子たちの内紛から、学園を閉鎖してノイホーフに退き、1827年、ブルックにおいて没す。民衆教育の父と呼ばれ、人類教育史上に大きな足跡を残した。 ペスタロッチーは子どもには将来発展する素質が備わっており、この素質が発達するように助成するのが教育と考えた。その考えを基に、子どもは生まれながらには未だ動物的で、この動物的衝動を根絶することこそが教育であるという古い考え方に真っ向から反対した。一定の形式を外部から子供にそれを付与する、しつける、そういった従来の教育観に反対をしているのだ。教育とは外部から一定の型にはめ込んだりすることではない。すなわち、真への認識、美の感情、善の力などこれらはすべての子どもが生まれながら有している内的本性であり、子どもの本性は白紙であるというロックのようなダブラ・ラサ説とは異なり、既に内的に発展する能力を有しているのであり、これを自然に即して伸ばしていく、いわゆる「有機的・発生的」教育観を提唱している。「有機的・発生的」での、「有機的」とは子供の内的素質を重視するという点であり、「発生的」とは、自発的な成長を促しているという事である。彼はその教育観を、本能はその力のまま認識に変わり、経験は無邪気と汚れのない感覚のまま法則に変わり、法則は厳密なまま愛にかわるべきだと説いた。つまりすべての教育活動、児童のココロ、あるいは心性の発展の法則に従うのだ。子供の心身の発達段階に従って行われなければならない。すべて、知的な、あるいは道徳的、技術的な発達は、すべて根本的な要素から出発してそして連続的、しかも間断なく進むべきものである。(1)根本的要素をもって出発点とする。 (2)一定の要素から他の要素へ間断なく進み、順次、これを連絡する。(3)これを全体として総合する。 これにより無限に発展していく。 また、ペスタロッチーは人類の進化を自然的状態、社会的状態、道徳的状態にわけている。まず無邪気さが現われ、次第に我欲のために粗暴になるので、社会には我欲を抑える法秩序が求められる。そうして我欲が抑えられることによって、道徳的状態に到達するのである。つまりは、人間性が形成される時にこの道徳的状態に到達させることを教育の目的としているのである。 ペスタロッチーは直観とはすべての認識の基礎であるとし、その考えをもとにして教育方法を提唱した。彼の言う直観は受動的に事物の印象をうける意味ではなく、むしろ精神の自発性に基づいて積極的に事物を構成する作用である。最初はまだ曖昧で混乱している直観を、段階的・漸次的に分離・結合して秩序を与える。すなわち、最も容易なことからはじめて完全にし、そこに僅かなものを付け加えていく教育法である。さらに、彼は直観が三つの単純な根本的
  • 子ども 社会 発達 道徳 言語 ペスタロッチー 思想 人間 言葉 自然
  • 550 販売中 2008/05/11
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  • ペスタロッチーの教育学(直感の原理など)
  • 「ペスタロッチーの教育学(直感の原理など)について考察せよ。」 有機的・発生的教育方法 ペスタロッチーは「子どもは生まれながらには未だ動物的であるにすぎず、この動物的衝動を根絶することが教育なのである」と考える古い教育観に真っ向から反対した。「子どもには将来発展する素質が備わっており、この素質が子どもの内から発展するように助成するのが教育である」と考えていたからである。 真への認識・美の感情・善の力は全て子どもが生まれながらに有しているものであり、教育者は子どもの内的本性が自ら実現していくのを援助することに専念しなければならない。逆に子どもの内的本性に備わってないものを、外部から注入することは教育にふさわしくない。すなわち、子どもの本性は白紙ではなく、既に将来成長する能力を内的に有しているのである。この能力を自然に即した形で伸ばしていくことが重要なことである。つまり子どもの内的素質を重視するという点で「有機的」であり、また自発的な成長を促している点で「発生的」でもあるのだ。
  • レポート 教育 教育原論 ペスタロッチー
  • 550 販売中 2008/05/11
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  • ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について
  • ●有機的・発生的教育方法  ペスタロッチーはルソーと同様、子どもには将来発展する素質が備わっており、それが子どもの内から発展するように助成することが教育と考えていた。  ペスタロッチー以前の古い教育観(子どもは生まれながらには未だ動物的であり、この動物的衝動を根絶することが教育)に反対し、子どもの本性は白紙ではなく、将来成長する能力を内的に有していると述べている。  教育者は子どもの内的本性が自ら実現していくのを援助することに専念し、内的本性に備わっていないものを外部から注入することは教育にふさわしくない、としており、子どもの能力を自然に即した形で伸ばしていくことが重要であり、この教育観を「有機的・発生的」とした。子どもの内的本性をペスタロッチーは「直観」とした。これについては次項で述べる。 
  • レポート 教育学 ペスタロッチー 直観の原理
  • 550 販売中 2006/03/04
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