現代日本における性別分業論

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    現代日本における性別分業論
     21世紀に入った現代日本においては、近代社会にみられたような典型的な性別分業論は後景化したように感じられる。ここで言う典型的な性別分業論とは、19世紀のコントや20世紀のパーソンズの研究にみられるように、その根拠付けに多少の差はあるものの、生物学的な論理に基づき「男は外に出て働き、女は家に留まり家事や育児に専念する」という、男女の役割を明確に分断する論理を持つものである。
     
    上のような分業論が日本で通用しなくなってきた社会的背景として、高度成長期以降の社会変容について時代を追って考察していきたい。
    1950年代後半から1970年代には、本格化した高度成長のもとで国民生活は豊かになり、女性は労働から「解放」されるようになった。つまり、家庭収入の増大と生活の安定から、既婚女性は外に出て働く必要がなくなり、家事・育児に専念することができるようになったということだ。この時代には、前述のような性別分業論が描くような役割分担が各家庭に現実的に見られたため、この論理はさほど問題とされなかった。しかし、この頃には女性の識字率が格段に上昇したことから文化の平準化が進み、女...

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