地租改正はなぜなされたのか

閲覧数3,092
ダウンロード数11
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    2 (1) まず、石高制の矛盾である。近世社会の石高制においては、検地によって石高を出し、それによって生産力を把握した上で課税するという方式がとられていた。しかし、災害、土地利用の変遷などから、生産力は常に一定ではない。よって、適正な税が取れなかった。この点、定期的に検地を行えばよいとも考えられるが、一揆、隠し田畑、領土による課税の違いから、全国一律に実施するのは不可能であった。
    (2) 次に、税を「米」に換算してとるというシステムの矛盾である。米はその年の気候条件に影響されるから、どれだけとれるのかといった長期計画を立てることが不可能であり、よって予算の作成などはできないことになる。また、米はお金に買えるために「天下の台所」である大坂に集めて売却される。このことも輸送経費が莫大になる点で問題であった。そして、米は当然のごとく、同時期に取れるものであるから、市場が限定され、米価が下落してしまうという問題点があった。
    (3) これらの理由から、従来の課税システムでは財政収入の安定・増大が望めなかったのである。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    地租改正はなぜなされたのか
    1 明治政府が地租改正を行った目的はそれまでの税収入方式に問題が
    あったためである。
    2 (1) まず、石高制の矛盾である。近世社会の石高制においては、検地に
    よって石高を出し、それによって生産力を把握した上で課税すると
    いう方式がとられていた。しかし、災害、土地利用の変遷などから、
    生産力は常に一定ではない。よって、適正な税が取れなかった。こ
    の点、定期的に検地を行えばよいとも考えられるが、一揆、隠し田
    畑、領土による課税の違いから、全国一律に実施するのは不可能で
    あった。
    (2) 次に、税を「米」に換算してとるというシステムの矛盾である。米
    はその年の気候...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。