連関資料 :: 問題

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  • 3-2ベルヌーイの問題提起
  • ベルヌーイの問題提起 ニュートンは大天才だよ。 最速降下線問題  1696年、ベルヌーイが次のような問題を提起した。  「質点がある点 A からスタートして滑らかな斜面を転がり落ちるとき、最短時間で別の点 B まで辿り着くには斜面をどのような形にしたら良いだろうか。」  というものである。 この問題は「最速降下線問題」と呼ばれている。 ニュートンがこの問題を受け取った日に、仕事帰りで疲れていたにも関わらず、一夜にして解いてしまったという話は有名である。  「昔の人は良かったなぁ、発明するものが色々あって。 俺が昔に行ったら超天才だよ。」 なんて思っている人は今夜中にこの問題を解いてニュートンと知恵比べをしてみると良いだろう。 (チャレンジする人はこれより下を見ちゃダメだよ) この問題の解き方  解き方自体はそれほど難解なものではない。 大抵の人が思いついてまずやってみるのは、この斜面の曲線を関数 f (x) で表してやり、質点がこの斜面を転がり終えるのにかかる全時間を求めてやることだろう。 少々面倒ではあるが、これくらいは高校の知識があれば何とかなるかも知れない。 落下距離からエネルギー保存則を使って速度が求められるだろう。 そして、斜面の傾きからその水平速度が求められるはずだ。 水平距離 dx だけ進む間にかかる時間がこれで求められる。 これを水平距離分だけ積分してやれば下の式になるというわけだ。  ただし簡単になるように下向きを正とし、スタート地点Aでの x 座標を0としてある。 気になる人は自分でやってみるといい。  凡人はここで行き詰まる。 なぜって、時間 t を最低にするような関数 f を求めたいにもかかわらず何を変数にして最低値を求めてやればいいか分からないからである。 ここで発想の飛躍が必要とされる。 「変分法」と呼ばれるアイデアを使うのだ。  それは次のような考え方をする。 いきなりだが、答えとなる「最速降下線」が見つかったとする。 当然のことだが、この軌道をほんの少しだけずらしたらそれは最速降下線ではなくなるだろう。  どのようにずらしてもそのようなことになる。  そこで、軌道をずらした度合いを横軸にとって、軌道を駆け抜けるのにかかる時間 t を縦軸にとってグラフにしてやると、正しい解を与えるところではこのグラフは最低値をとり、この点でのグラフの傾きは0になるわけだ。 何だかだんだん解けそうな気がしてきただろう?  この正しい軌道からのごく僅かのずれを δf (x) と表すことにしよう。 これは x についての関数であって、スタート地点 A とゴール地点 B の条件を変えないように δf (A) = δf (B) = 0 としておかなければならない。 この軌道のわずかなずれ δf (x) を「変分」と呼ぶ。  そして軌道を表す関数 f (x) が f (x) + δf (x) になった場合に、降下時間 t がどれだけ変化するかを計算してやるのだ。 先ほどのグラフの理屈を使えば、降下時間 t が最短になる場合にはコースをごく僅か δf だけ動かしても降下時間の変化 δt は δf に比較して 0 と見なせる程度にとどまるはずである! グラフの傾きが 0 だというのはそういう意味だ。 このことを数式では次のように表す。  これが成り立つところが解になっているということである。 普通の微分によく似た話だろう? さあ、納得したら計算に取り掛かろう。 実際の計算  この後の計算を分かりやすくするために先ほどの降下時間 t
  • 全体公開 2007/12/26
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  • アジアと日本 靖国問題
  • アジアと日本 ──「靖国問題」という視点から── 1.はじめに 戦火はまたたく間にその災いの波紋を拡げて行くが、しかしながら、のちに見ればわずかだと言えるような食い違いや相違がそのきっかけとなる場合がある。そういった些細な認識の違いやズレが大きな戦禍を呼び起こし得るのならば、私達がいま考察し実行すべきであり、またそれが可能であることとは一体どういったものであるだろうか。今回は、日中関係、またそのなかでも今世間で頻繁に取り沙汰されている「靖国問題」に着目して、上述のような観点に基づきながら考察・分析していきたい。なお、参考にした新聞・ウェブサイトを以下に記述する。 ・毎日新聞 ・人民網 日本語版(http://j.peopledaily.com.cn/) 2.中国と日本との「ズレ」 「靖国問題」と一口に言っても、その内容は様々な様相を見せている。まずはこの問題に対しての、両国の認識の相違について考察しようと思う。 靖国神社へ祭られる資格のあるものは、「官軍の戦没者、ならびに昭和国事殉職者」とされている。これは、国事に関わる戦争において官軍側で殉職した者のことを言い、東条英機や板垣征四郎などのA級戦犯は、「国家に殉じ命を落とした昭和殉職者」という扱いを受けている。神道においては、招魂式から始まる合祀祭を経て祭られたものは、戦犯などといった分け隔てなくみな「神様」とされ、参拝の対象とされるとしている。これは「死ねば靖国の神になる」「靖国で会おう」といった戦時中によく用いられた言葉が表すように、民間レベルで認識されてきた考え方であろう。戦犯の罪を認識しつつも、その一方で祭祀に対する日本人の認め方の根底には、多少の差があるにせよ神道の思想が流れていると言える。このことは、世論のアンケートからも垣間見える。 一方で、A級戦犯に対する中国側の主だった考え方は、日本側のそれとは大きく異なっている。A級戦犯は単なる個人ではなくなり、殺人者としての罪悪の象徴であるという考え方である。戦犯の名前は、すなわち人類への悲惨な罪を象徴し、殺戮の歴史そのものであるというこういった見解は、中国の一貫した主張の原動力ともなっている。 また、歴代の首相参拝についての日中間の認識のズレは明確である。日本では三木首相が75年の終戦記念日に参拝したのを転機として終戦記念日の「私的参拝」を、意味をぼかしながらも続けてきたが、85年に中曽根首相によってなされた「公的参拝」は、中国や韓国の強い反発を招いて翌年には取り止められることになったのである。以来、橋本首相を除けば森前首相までは参拝はなされなかったが、小泉現首相は「私的参拝」という名目で、いずれも終戦記念日ではないが現在までで4度参拝をしている。日本の歴代の靖国参拝に関してその主となる理論をまとめると、 ①私的参拝、又は名目上の私的参拝主張の立場:私人としての参拝は自由、公的支出はなし。 ②公的参拝の立場:戦没者の追悼を目的にし、宗教的意義のないよう参拝すれば違憲ではない。 となる。 これに対して中国は、靖国参拝という事実をアジア全体に関与する国際的問題と捉え、同時に、法的な問題提起に加えて、感情・情緒的訴えを起こしている。具体的にまとめると、「靖国への記念は、もはやアジアの人民にとっては侵略者の罪悪に対する記念と言え、中国をはじめとするアジアの惨劇を指揮した戦犯を参ることは、アジアの人々の感情をさらに傷つける結果となる。加えて、政治家の一挙一動には、一般人とは異なる象徴的意味合いがある。」というものである。日本が、内政不干渉に基づいて
  • レポート レジュメ アジア 靖国問題 現代 日本
  • 550 販売中 2008/02/11
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  • 石油問題とその解決策
  • 石油問題とその解決策  近年の世界における石油の立場は大変重要なものになってきている。例えば、かつてメソポタミアのバベルの塔の壁に石油ピッチと粘土の混合物が用いられたと伝えられ,日本でも668年(天智天皇7)に〈越の国より燃ゆる土と燃ゆる水を献ず〉の記事が『日本書紀』にみられる。(越の国は現在の新潟県,燃ゆる土はアスファルト,燃ゆる水は石油である。)発見の歴史が古い石油も,燃料用などの使用がほとんどであった。しかし、現在の石油の立場は変っていった。自動車の発達と共に社会が車社会と化し、それに伴い石油の重要性は大変重要な役割を持つようになり、特にアメリカや欧州では大統領選などにまで関わるようにな
  • レポート 理工学 環境 石油 メタンハイドレート
  • 550 販売中 2007/03/20
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  • 大学生の学力低下問題
  •  近年、大学生の学力低下が問題視されている。  1998年から2年度にわたって、大学生の数学学力調査が行われた。この調査で扱われた数学問題の内容は、中学校レベル・高校1,2年レベルである。結果はニュースでも取り上げられたほど、大学生の学力低下が深刻な事態となっていることがわかった。たとえば、問題①「{1+(0,3-1,52)}÷(0,1)2」の最難関国立大学の正解率は、文系全体では73%、文系(数学受験あり)では77%、文系(数学受験なし)では33%、理系では91%であった。この問題①は中学生レベルの問題である。学力低下は大学に限らず、小学校、中学校、高校にも原因があるようだ。日本では1980年から1981年にかけて「ゆとり教育」が導入されて以来、約10年ごとに学習指導要領が改正されている。そのたびに、授業時間、教科書内容の削減が行われてきたのだ。  大学生の学力低下により問題となるのは、大学卒業後、社会にでてからである。日本の大学は卒業しやすいが、アメリカの大学は卒業するのが大変だとよく言われる。「国際競争の社会」ということを考えると、日本の大学生の学力低下はより重要な問題となる。社
  • レポート 教育学 学力低下 GDP 国際社会 教育革命
  • 550 販売中 2007/04/17
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  • 内部統制の諸問題
  • 内部統制の諸問題 (1)内部統制の目的及び問題点は何か 内部統制の目的は3つあるといわれている。すなわち①業務内容の適正性・効率性②法令の遵守③財務報告の適正性である。日本の法律で内部統制を義務づける規定は、主に会社法と金融商品取引法に見られるが、①業務内容の適正性・効率性②法令の遵守については会社法における取締役、取締役会の選任事項とされ、特に大会社では、システムの構築が義務付けられている。③財務報告の適正性については、金融商品取引法における上場会社の開示義務として現れている。 ①業務の内容の適正性、効率性について、従来の内部統制は、もっぱら業務の有効性が中心的な目的とされていた。企業の業績を管理し、資産の保全を含む企業の効率性の確保が目的となっている。たとえば、業務内容に無駄な箇所に費用がかかっているときなどには、そのコストを削減するなどの役割が期待される。 内部統制の問題点としては、取締役の責任の範囲が明確でないこと、また内部統制にかかる費用が莫大になってしまうということが挙げられる。 取締役は、内部統制を構築する義務を負うということは、会社法上明文化されている(会社法348条3
  • レポート 法学 内部統制 ビジネス 役員の責任 ニューヨーク支店 大和
  • 550 販売中 2007/09/25
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  • スペイン語問題文集
  • 復習テスト14 次の質問に、カッコ内の語と必要ならば代名詞を使って答えなさい。 Puedes quitarme el abrigo? (si) Me llamas por telefono?(si) Usted me da un te con limon?(si) Puedes esperarme un momento?(no) A mis abuelos les abre la puerta usted?(si) Me traduces los documentos en japones?(si) Que les ensena a los estudiantes usted ?(un video) Ves la tele hoy?(no) Piensas comprar un regalo a juan?(si) Que me recomienda usted?(el bife al caballo) 復習テスト15 次の質問に、カッコ内の語と必要ならば代名詞を使って答えなさい。 Usted puede traerme un te con leche? (si) Me llamas
  • スペイン 問題
  • 1,100 販売中 2008/08/03
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  • 公害問題に対する意識向上について
  • 環境問題について、近年どこでも討論されるようになって来ています。こうした中で、環境基本法では、環境の保全上の支障のうち、事業活動や、その他の人の活動に伴って生じた相当範囲にわたる大気の汚染や、水質の汚濁、水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することなどを公害問題として取り上げています。この他にも、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下、及び悪臭によって、人の健康又は生活環境、人の生活に密接な関係のある財産や人の生活に密接な関係のある動植物など、その生育環境に係る被害が生じた問題を、公害と認識しています。
  • レポート 社会学 環境問題 環境権 環境汚染 公害対策審議会 公害問題
  • 550 販売中 2006/05/16
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  • サブプライム問題 まとめ
  • サブプライム問題が私たちの財テクにも波及?? アメリカでおこっているサブプライム住宅ローン問題。皆さんニュースでよく耳にしていると思いますが、これはアメリカだけの問題ではありません。日本の金融機関への影響は先日発表になりましたが個人にどこまで影響が及ぶかは現時点では見えていないのです。もしかすると、あなたが買った投資信託の中にもサブプライムローンが投資先として含まれているかも。。。。。 また、投資信託だけでなく、株価も下落。年明けは世界同時株安が起こり驚愕(ひどく驚く)した人もいるのではないでしょうか 引き金はアメリカの金融機関がサブプライム問題によって被った巨額の損失が発表されたこと、予想以上のリスクの広がりにアメリカ経済全体が打撃を受けられるのでは・・・と考えられたからです。 そもそもサブプライム問題って? 「サブプライムローン」とは、所得が低いなど返済力に問題がある人たちを対象にした住宅ローンのこと。このローンの大半が最初は金利が安く数年後に金利があがるというシステムでした。最初の数年は少ない返済額で済むため、本来ならば借金を背負えないような人々が「家が買える!」とこのローンに飛
  • 日本 アメリカ 経済 問題 金融 国家 投資 リスク 影響 政府
  • 550 販売中 2009/07/22
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  • 民法 債権各論 問題
  • 民法 債権各論の問題 就職活動を控えたA男は、スーツをつくることにした。せっかくなのでオーダーメイドのスーツを作ろうと思い、バイトでためた5万円を持って、紳士服店を経営するBの所を訪れた。Bの店では、客が洋服の布地を選んで、客のサイズに合わせてスーツを仕立ててくれる方式になっていた。A男はBの店で、気に入った柄の布地をみつけた。その布地はイタリア製の高級布地だった。A男はその布地でスーツを仕立ててもらうことにしてスーツをできあがったら、A男がBの店に来て商品の受け取りと同時に代金5万を払う約束でBに注文をした。しかし、約束の日になってA男が店を訪れると、Bによると注文通りつくって倉庫に保管していたら放火によって倉庫が焼け袖がやけてしまったという。仕方がないので、残りの部分で仕立て直し半袖のスーツになった。Aからすると主食活動に使えないのでスーツを引き取れないし、代金を払えないと主張した。しかしBは、スーツが燃えたことに責任は無く、Aは代金を払うべきだと主張し、さらに、その布地は新しく作るために新たにイタリアから再輸入しなくてはならず輸入代だけで20万となるとしてAの請求に応じようとしない。結局AはBに代金を支払ってしまったという事例がある。
  • レポート 法学 債権法 問題 債権各論
  • 550 販売中 2005/11/06
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  • 外国人医療問題
  • 実際、調べてみて留学生にはいろいろな制度があったが、こちらへ来る外国人にはちゃんと整っている制度はなかった。外国人が医療を受けることがいかに困難かを垣間見ることができた。 国境を越えるのがますます容易になりつつある今、各国間の人の移動は非常に盛んであう。毎年1000万人以上の日本人が海外に出かけていき、200万を越える外国人が新たに日本にやってくるのだ。アジアの発展途上国に行くと、日本に働きに行ったことがあるという人にあちこちで出くわすようにもなった。 そして、私たちも海外旅行に簡単に行けるようになった。その行った先の国で病気になったらどうしよう、ちゃんと病院でみてくれるだろうか、言葉は通じるだろうか・・・と不安になることも多いと思う。人が安心して暮らせる社会、病気やケガを心配することなくのびのびと生活できる社会を理想とするならば、どこにいるか、どこから来たのかを問うことなく安心して医療を受けることができる仕組みが必要です。外国人を受け入れるか否かという議論とは関係なく、身体の安全、医療の提供という人間の最低限の必要を満たさなければならない。私たちも、いつどの外国で大病になるか分からないのですから。 そういった観点に立つと、現在の外国人の医療保障は、とても十分なものとはいえない。外国人が気軽に病院を利用できるには、まだまだハードルが高く、病院側も不十分な制度の下で努力する羽目になっている。
  • レポート 経済学 財政 医療問題 外国人 医療 留学生 海外 医療保障 病院
  • 550 販売中 2005/07/02
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  • 伏見憲明 『欲望問題
  • 伏見憲明 『欲望問題』  「欲望」という言葉に、私はある種の懐かしさを感じる。1980年代後半の、日本のポストモダニズム華やかなりし頃、元ネタはジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリの『アンチ・オイディプス』か、ジャン・ボードリヤールの消費社会論だったと思うが、いわゆる「ニューアカデミズム」の論壇に一時期あふれかえり、消えた言葉として記憶の片隅に残っていたのが、突如呼び覚まされた気がする。 その時代もアメリカはレーガン・ブッシュ(父)の共和党政権、日本は中曽根政権という布陣だったし、この時期すでに差別糾弾型の人権運動には、一般からは共感よりは猜疑の目が向けられていたわけだから、ちょっとした既視感を感じるのは偶然ではないのだろう。でも、そういった時代背景の相似性よりは、このまだごく近過去といえる時代から今日に至るまで、われわれは当時と異なる視座なり方法論を獲得することに失敗してきたのか、それを見極める素材として、私は本書に惹かれたのだ。すなわち、「クィア」をめぐる言説、これはジェンダーやセクシュアリティに関するポストモダニズムと言い換えてもよい、が、なぜ今まで空回りしてきたのか、ということについての例として。註1  冒頭の一節、「少年愛者の痛み」は感動的ですらある。小児愛者「治療」の推進を説く針間克己医師に対して、かつては同じく治療の対象でしかなかった同性愛者としての立場から、小児を愛する行為を禁止すること自体は正当だとしても、「どこか後ろめたさのような感情が拭えない」と記し、「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)と総称される運動の当事者に、小児愛者は白々しいほどに想定されていない」という伏見氏の言葉には、アウトローな者への共感があふれている。これは、いわゆる性的マイノリティの中で、政治的にある程度組織できたカテゴリ、あるいはマジョリティに対してある程度の折り合いをつけられたカテゴリは、ある程度社会において顕在化することを許されるし、ある程度権利を主張することもできる。一方、そこから外れる者は、逆にアウトロー化される結果を招くような「運動」に対する、つとめて反省的な態度表明のようにも読める。  しかし、伏見氏はジェンダーについては一転、態度を翻す。「欲望」はジェンダー・カテゴリが存在することに*よって*生まれるのであり、ジェンダーを無くすことを指向する「ジェンダーフリー」運動を「不可解」であると切り捨てる。そして、伏見氏はジェンダーフリーにまつわる混乱を、「理論と生活感覚の摩擦」であるとし、後者をほぼ無条件に肯定する態度に出る。すなわち、ジェンダーを無くすことは恋愛やファッションや芸術を一切無くすことであるとする。  なるほど、ステレオタイプ化されたジェンダーフリー論を根拠にすれば、そういう結論も可能である。しかし、性愛はジェンダー・カテゴリによって*のみ*生まれるわけではない。前述少年愛についてもそうであるが、SMやさまざまなフェティシズムを例にあげるまでもなく、ジェンダーによらない性愛はいくらでもある。多様なジェンダーやセクシュアリティが抑圧されることなく、その存在を肯定されるには、異性愛だけが奨励され、二元的な性別観だけが奨励される「生活感覚」を、いくらかでも改める必要がある。伏見氏はなぜジェンダーに関しては矛盾した態度をとるのであろうか。註2  同様の議論は、ゲイ・アイデンティティをめぐっても展開される。伏見氏は、初期の頃は「ゲイというカテゴリ化からの解放が望ましいと考えていました」と語る。しかし、現時点ではそ
  • 全体公開 2007/12/21
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