民法:法人の目的の範囲

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    資料紹介

    Yの行為(政治献金)は民法43条の「目的の範囲内」にはあたらないから無効である。
    しかし、そもそも法人に「政治活動の自由」など認められていないのではないか?
    まず、法人にも人権が認められるか。人権は個人の権利であり、その主体は本来人間(自然人)でなければならないため問題となる。
    これにつき、判例は法人は現代社会において1個の社会的実体として重要な活動を行っているから、性質上可能なかぎり、法人にも人権が認められると解すべきである。としている。
    例えば、会社(営利法人)なら「営業の自由」、学校法人なら「学問の自由」、新聞会社なら「報道の自由」が認められている。
    では、今回の政治献金のような場合、つまり会社の「政治活動の自由」が認められるのだろうか?
    この点、判例は、会社にも「政治活動の自由」があるとして、特別の制約を認めていない。
    しかし、巨大な社会権力の影響力のゆえに、他の個人の政治的表現行為を事実上妨げるおそれがあるため一定の制約が必要である。

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    民法課題レポート 15
    1.問題
    甲株式会社の代表取締役Yは、甲会社を代表して、乙政党に政治資金350万円を寄付した。甲会
    社の定款には、「(甲会社は)鉄鋼の製造及び販売並びにこれに附帯する事業を行う」とあった。そ
    こで、甲会社の株主であるXは、乙政党ではなく丙政党を支持していたこともあって、この寄付行
    為が甲会社の定款所定の目的外であるとして、当該政治献金の無効を主張している。
    (1) Xの主張はどのような条文によって根拠づけられるか(Yはいかなる条文に反すると考えら
    れるか)。
    (2) Xの主張に対し、Y側からはどのような反論が考えられるか。
    同様の事情で、団体の性質が税理士会や...

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