政・官癒着の構造

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    資料紹介

    政と官の関係。この言葉を聞いて、どうしてもネガティブなイメージが先に浮かんできてしまうのは私だけではないだろう。政と官のいただけない関係の一例として、少々長いが以下に ジャパンタイムズの記事を引用する。
     『自民党の鈴木宗男衆議院議員による外務省への圧力行使疑惑に関する調査で、政治家と官僚の恐るべき癒着の構造が明らかになった。3月4日発表の報告書によると、外務官僚は「影の外相」のように振舞う鈴木氏の指示通り舞台裏で動いていたという。氏は自らの選挙区の企業に公共事業を斡旋して権力の階段を上った。それには政治的影響力に屈して行政の規則を曲げた公僕が一役かっている。国民の利益を無視した政治家と官僚の癒着は今に始まったことではないが、これが外務省で起こったことには驚く。
    1999年当時内閣官房副長官を務めていた鈴木氏は、国後島の宿泊施設「友好の家」建設工事の入札に干渉し、入札参加を自分の選挙区である根室管区の企業に限るよう外務省に要請した。外務省は入札参加資格を「根室での工事実績がある企業」に限定することを決定した。  
    報告書は「鈴木議員は入札企業の決定に深く関与した」と結論づけ、国会議員によるこれほどの関与は異常であり「社会通念に照らして許されない」と述べている。報告書は鈴木氏が外務省に不当な圧力をかけたか、または違法行為をしたかについては触れなかった。しかし入札企業選定にあたり政治的影響力を及ぼしたことは明らかで、氏の目的が地元選挙区の企業を利する資金の確保であったことは容易に想像がつく。氏は国会議員としての良識の範囲を越えた。 鈴木氏は国後島の桟橋改修工事の入札企業選定にも深く関わった。報告書は、鈴木氏の意図を尊重し実現せざるを得ないような雰囲気が外務省内にあったとしている。これは両者のギブ・アンド・テイクの関係が構造的なもので、日常茶飯事に近かったことを示唆している。今回の調査は省内で短期間に行われたため多くの疑問が解明されないまま残ったが、報告書は今後も続く調査の通過点でしかない。

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    政と官の関係。この言葉を聞いて、どうしてもネガティブなイメージが先に浮かんできてしまうのは私だけではないだろう。政と官のいただけない関係の一例として、少々長いが以下に ジャパンタイムズの記事を引用する。
     『自民党の鈴木宗男衆議院議員による外務省への圧力行使疑惑に関する調査で、政治家と官僚の恐るべき癒着の構造が明らかになった。3月4日発表の報告書によると、外務官僚は「影の外相」のように振舞う鈴木氏の指示通り舞台裏で動いていたという。氏は自らの選挙区の企業に公共事業を斡旋して権力の階段を上った。それには政治的影響力に屈して行政の規則を曲げた公僕が一役かっている。国民の利益を無視した政治家と官僚の癒着は今に始まったことではないが、これが外務省で起こったことには驚く。
    1999年当時内閣官房副長官を務めていた鈴木氏は、国後島の宿泊施設「友好の家」建設工事の入札に干渉し、入札参加を自分の選挙区である根室管区の企業に限るよう外務省に要請した。外務省は入札参加資格を「根室での工事実績がある企業」に限定することを決定した。  
    報告書は「鈴木議員は入札企業の決定に深く関与した」と結論づけ、国会議員...

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