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伝統で検索した結果:91件
今日では世界中でも支持されている日本の伝統芸能・歌舞伎には「和事」と「荒事」の二種類の演出様式がある。 急速な政治・経済の発展を成した活気ある元禄時代にそれぞれは確立された。上方歌舞伎を「和事」、江戸歌舞伎を「荒事」と言うが、それぞれにどのような特徴があるか、比較検討しながら述...
公家と武家の年中行事の類似点と相違点を述べる前に、そもそも公家と武家の違いはどういうものなのかを考えてみたい。 村井康彦氏によると「平清盛も源頼朝も、もとを辿れば賜姓皇族であり、つまりは貴族であったように、公家と武家とはルーツを同じくする同根の存在であった」とある。(参考文献①...
賀茂祭は華麗な王朝絵巻を見るような伝統行事であるが、この祭に纏わるシーンが日本古典文学ではどのように描かれていたか、いくつかの作品を通して述べてみたい。 この賀茂祭が行われる賀茂神社は、もとはこの地域で勢力のあった秦氏が斎き祀ったものであった。『有職故実(上)』によると平安京遷...
日本語は、英語などの別の言語とは違った性質をいくつか持つが、その中でも音節に関しても独特の意識を持ち、外国人が日本語を習得するのを困難にしている。 いったいその性質とはどんなものなのか、例を挙げながら述べてみたい。 まず日本語の音節に関して、第一に挙げなくてはならないのは、典...
今回私が鑑賞したのは、この春の季節に相応しい『田村』の能から始まり、続いて『鬼瓦』の狂言、そして『安達原』の三作品である。能と狂言は室町時代以来密接に関わり、互いに発展していったが、今回の作品の随所にもそのような点が見受けられる。三作品をそれぞれ紹介しながら、その関わりがどのよう...
10年後の日本は今と大きく変わってはいないだろう。それは10年後が日本という国である限り、10年で変わるとは思えないからである。日本は他の国以上に歴史、文化、習慣などを重んじる国であり、「昔の人は偉大だ」などと言われるように、日本は特に言い伝えを重視する国である。言い伝え自体を否...
十八世紀後半から十九世紀前半、イギリスでは多くのロマン派詩人が誕生した。フランスと違い立憲君主制であったイギリスでは、国家を揺るがす程の勢力にはならなかったロマン主義であるが、逆にそれが多彩な才能を生み出す原因になった。 そのロマン派の第二世代の一人、パーシー・ビッシュ・シェリー...
狂言は能と共に「能楽」と呼ばれ、現在伝統芸能と一つとして親しまれているが、能も狂言も「猿楽」を源流としている。能とは対照的とも言える狂言はどのように生まれ、伝統芸能として成立したのだろうか。 奈良時代、中国から曲芸・奇術・歌舞といった種類の卑俗な大衆芸能、散楽が伝えられた。これ...
イオカステとオイディプスは妻と夫でありながら、実は母と息子という関係であった。 スフィンクスから国を救い、王となったオイディプスであったが、その後町に蔓延した疫病を鎮める術を神託に伺う。その結果、先王ライオスの殺害者が国の穢れとなっていると知り、正義感からそれが誰なのか事実を...
私にとって「アーサー王とその騎士たち」で最も印象に残った騎士は、なんといっても花形の湖の騎士・ラーンスロットである。 騎士として充分な才能を持ち、容姿は抜群、男性からも惚れられるような相手である。たとえそれが世間的に許されない関係であっても、自分を喜ばせる為に、戦いに次々と勝ち...
今回この『オイディプス王』を読んで、まず疑問を感じた箇所があった。 それは主人公オイディプス王達がなぜアポロンの神託に従ったのかという、ギリシャ神話、または哲学に無知な私らしい非常に素朴な疑問だった。今日、日本に無宗教に近い状態で占いもさほど信じない私にとっては、何故そこまでア...
誰もが知る悲恋物語「ロミオとジュリエット」 今回、レポート課題として初めて原作を読んだが、10年以上前にオリビア・ハッセー演じるジュリエットの映画を見たのが、この作品との最初の出会いだった。古い作品の映画だというのに、どうしてジュリエットは今見てもこんなに新鮮でとても可愛いのだろ...