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伝統と文化で検索した結果:56件
室町時代に大成された能の第一人者は周知のごとく世阿弥(一三六三?~一四四三?)である。この世阿弥の能の大成と特徴について、歴史的視点を絡めて述べてみたい。 平安時代から「猿楽」として親しまれてきた芸能は、鎌倉時代後期になると能と狂言という二つの演劇として発展する。狂言は滑稽を旨...
『万葉集』は舒明期から淳仁期までの約130年に渡って詠われた現存最古の歌集である。20巻からなるこの歌集は、約4500首に及ぶ様々な歌が詠われている。一般的に時代は4期に分けられており、作品は時代の風潮により特徴がみられる。代表的な歌人とその歌風について時代別に述べてみたい。 ...
私にとって「アーサー王とその騎士たち」で最も印象に残った騎士は、なんといっても花形の湖の騎士・ラーンスロットである。 騎士として充分な才能を持ち、容姿は抜群、男性からも惚れられるような相手である。たとえそれが世間的に許されない関係であっても、自分を喜ばせる為に、戦いに次々と勝ち...
グリム兄弟の兄、ヤーコプ・グリム(1785~1863)は言語学者として研究に従事する一方で、外交官としてウィーン会議の随行員やフランクフルトの第1回国民議会の代表員になって活躍した。 この二つの議会の参加で彼が述べた意見より、一貫した彼の信念を伺うことができる。 まず1815...
公家と武家の年中行事の類似点と相違点を述べる前に、そもそも公家と武家の違いはどういうものなのかを考えてみたい。 村井康彦氏によると「平清盛も源頼朝も、もとを辿れば賜姓皇族であり、つまりは貴族であったように、公家と武家とはルーツを同じくする同根の存在であった」とある。(参考文献①...
『万葉集』は現存最古の和歌集で、この作品の成立以降には、勅撰和歌集の『古今和歌集』を始め、日本では数々の和歌集が編纂され続けた。この『万葉集』の特質と意義について述べてみたい。 まず特質の一つは様々な作者である。冒頭は雄略天皇の御製歌で飾られているように、特に初期の巻一・二は史...
歌舞伎十八番とは、上方と対比される荒事の要素が詰まった成田屋のお家芸のことである。 演目は『鳴神』『毛抜』『暫』『矢の根』『景清』『助六』『勧進帳』『鎌髭』『不破』『不動』『嫐』『象引』『押戻』『外郎売』『七つ面』『毛抜』『解脱』『蛇柳』の十八からなる。 山本二郎氏は『名作歌...
日本語は、英語などの別の言語とは違った性質をいくつか持つが、その中でも音節に関しても独特の意識を持ち、外国人が日本語を習得するのを困難にしている。 いったいその性質とはどんなものなのか、例を挙げながら述べてみたい。 まず日本語の音節に関して、第一に挙げなくてはならないのは、典...
今回のスクーリングの講義をきっかけに、 自身の健康について振り返ってみた。ここ五年近くは風邪をひいて病院へ通うこともなく、歯科に通うことすらない程ありがたいことに健康である。会社の人間ドックなどの検査でも、実際何もひっかかることすらない。むしろ血液も非常に綺麗な状態であると、褒め...
誰もが知る悲恋物語「ロミオとジュリエット」 今回、レポート課題として初めて原作を読んだが、10年以上前にオリビア・ハッセー演じるジュリエットの映画を見たのが、この作品との最初の出会いだった。古い作品の映画だというのに、どうしてジュリエットは今見てもこんなに新鮮でとても可愛いのだろ...
十八世紀後半から十九世紀前半、イギリスでは多くのロマン派詩人が誕生した。フランスと違い立憲君主制であったイギリスでは、国家を揺るがす程の勢力にはならなかったロマン主義であるが、逆にそれが多彩な才能を生み出す原因になった。 そのロマン派の第二世代の一人、パーシー・ビッシュ・シェリー...
『源氏物語』の「桐壺」に見られる内裏・ 後宮のかかわりについて 1.はじめに 平安時代の後宮の発展により、ここに住む女性達によって作り出された女流文学も洗練され、一層リアルに近づいたものとなった。 その中でもあまりにも有名な『源氏物語』では、内裏・後宮はどのように描かれただろうか...