資料:15件
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特性反応を用いた有機定性分析
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1. 目的
有機化合物は炭素を中心骨格として、水素、酸素、窒素、硫黄、塩素などの原子と共有結合をすることによって様々な分子を形成する。天然に存在するものだけでなく、人工的につくられたものもあり、それらの性質は多種多様である。そこで、有機定性分析は構成元素を把握することだけでなく、その構造(以下、官能基と記す。)を理解することが必要となる。今回の実験では、代表的な官能基の特性反応を用いて、有機定性分析の概要を把握することを目的とする。
2. 理論
メチル基やエチル基などのアルキル基は、酸化反応を起こすが、この条件下では他の官能基も反応してしまうため定性反応には向かない。不飽和炭化水素は二重結合、三重結合をもつ化合物であり、ハロゲンとの付加反応を引き起こす。特にBr₂の付加反応は反応前後で変化の様子が明瞭であるため、不飽和結合の検出に利用される。アルデヒドは自身が酸化され、相手を還元する性質がある。KMnO₄水溶液による還元が十分だと、ほぼ無色に見える薄桃色を呈色する。反対に、KMnO₄水溶液による還元が不十分だと、褐色の沈殿を生じる。アルデヒドの有名な特性反応に銀鏡反応がある。これはAgNO₃水溶液と反応して金属銀が鏡状に析出する反応である。なお、ケトン類はこのような反応性をもたない。アルデヒドおよびケトンに共通する反応はヒドラゾン化およびセミカルバゾンの生成である。2,4‐ジニトロフェニルヒドラジンにより、黄色や橙色の結晶を生成する。アセチル基の検出にはヨードホルム反応が用いられる。ヨードホルムは特異臭を持つ淡黄色の沈殿であるため、確認しやすい。アルコールの検出にはクロム酸塩水溶液が用いられる。これはクロム酸イオンが日色を示し、クロム(Ⅲ)イオンは灰緑色なので酸化反応が起こったことが明らかに視認できるためである。フェノール性水酸基は塩化鉄(Ⅲ)水溶液により、濃紫色を呈色する。比色分析は特別な機器を必要としないため、その場で簡易的に濃度を調べることができる。以上、これらの定性反応を前提として実験を行った。
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