姫路大学通信教育課程 公衆衛生学Ⅱ(設題1)の2022年度合格レポートです。(2019年度以降入学)
設題1
現在問題となっている環境保健の課題について、地球レベルの観点および各個人レベルの両方の観点から論述しなさい。
環境保健の課題として、まず、公害を取り上げる。公害とは、「人口増加、都市化などによって、エネルギーや資源の消費が増大することで、環境中で排出物が増加し、広い範囲にわたり人への健康被害あるいは生活環境汚染が生じること」である。公害は古くから存在し、日本では別子銅山鉱毒事件や足尾鉱山鉱毒事件が有名である。また、高度経済成長期の工業化に伴って報告された水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくの四大公害は特に有名である。こうした公害による被害の深刻化が指摘され、1967年に公害対策基本法が制定された。この法律によって、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、地盤沈下、悪臭の7つが典型七公害とされ、環境基準も制定された。さらに1971年には環境庁が発足し、その翌年には自然保護保全法が制定された。1993年には、地球環境を視野に入れた環境基本法が制定されている。
このように、日本においては公害防止に向けた法整備が進められ、現代では大規模な公害が起こらないと考えられる。...