なぜ、教会建築はバジリカ式と集中式ばかりなのか?

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    資料紹介

    1.イントロダクション
    教会建築には古くから二つの形式が使われた。それはバジリカ式と集中式である。バジリカ式は長方形の形をして、入って一番奥に、奥に司祭などの聖職者が説教や儀式を行う場所があり、彼らの儀式や説教がよく見えるよう、学校の教室のように参拝者の座席が並べられている。日本の教会建築の多くはこの形式をとっている。集中式は正方形で、その中心に儀式や礼拝の中心となる講壇などがおかれる。また、十字の真ん中の天井にドームがかかっていることも特徴的だ。これ以外にも教会の聖堂や洗礼所の形が長い歴史の中で考え出されてもおかしくはないと思うのだが、近代前までの教会建築はほぼすべてこれらの形式に当てはまっている。しかし、どれも同じというわけではなく、基礎的な平面計画こそ似ているが、それぞれ、ドームの大きさ、側廊の数や大きさ、天井の高さやデザイン、装飾など二つと同じものがない。基本的な構造を「継承」しつつ、それぞれの建築家や職人たちが個性ある教会を「創造」しているのだ。
    2.バジリカ式と集中式の起源
    バジリカ式はもともと教会建築で使われていたのではなく、アーケードや市場などの集会場でつかわれていた形式であった。

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    なぜ、教会建築はバジリカ式と集中式ばかりなのか?
    1.イントロダクション
    教会建築には古くから二つの形式が使われた。それはバジリカ式と集中式である。バジリカ式は長方形の形をして、入って一番奥に、奥に司祭などの聖職者が説教や儀式を行う場所があり、彼らの儀式や説教がよく見えるよう、学校の教室のように参拝者の座席が並べられている。日本の教会建築の多くはこの形式をとっている。集中式は正方形で、その中心に儀式や礼拝の中心となる講壇などがおかれる。また、十字の真ん中の天井にドームがかかっていることも特徴的だ。これ以外にも教会の聖堂や洗礼所の形が長い歴史の中で考え出されてもおかしくはないと思うのだが、近代前までの教会建築はほぼすべてこれらの形式に当てはまっている。しかし、どれも同じというわけではなく、基礎的な平面計画こそ似ているが、それぞれ、ドームの大きさ、側廊の数や大きさ、天井の高さやデザイン、装飾など二つと同じものがない。基本的な構造を「継承」しつつ、それぞれの建築家や職人たちが個性ある教会を「創造」しているのだ。
             集中式              バジリカ式
    2.バジリカ式と...

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