各国のルソー受容

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    資料紹介

    1、 儒学の理解
     儒学とは、儒教 の理想を、四書五経などの経典の研究をつうじてもとめる学問のことである。四書とは、『大学』『論語』『孟子』『中庸』であり、五経とは『易経』『詩経』『書経』『礼記』『春秋』である。儒学の祖である孔子は、不幸の向こう側にある普遍的真理を求めるという思想の過程をとった。
     「体制に随伴して生きることによって、充足がえられるならば、人は幸福であるかも知れない。しかし、体制が、人間の可能性を抑圧する力としてはたらくとき、人はその体制を超えようとする。−中略−変革者は必ず思想家でなくてはならない。−中略−それで思想家は、しばしば反体制者となる。少なくとも、反体制者として扱われる。講師は、そのような意味で範体制者であった。」(白川静『孔子伝』(中公文庫)119ページ)
     このように、孔子は反体制思想と結びつきうる。
     また、孟子は、天の意志が民意を通して現れてくるという民本思想を説いた。そして、そこから、民の支持を受けた者が天下を統べるのは天の意志にかなう、という思想をもっていたとも解釈しうる。
    2、個より全―国家主義者としてのルソー
     まず、ルソーの思想の前提として二十意志論がある。その内容は、?下位意志に対する上位意志の不可視性、?下位意志に対する上位意志の善意、?見せかけの自由を与えられた下位意志の上位意志に対する絶対的隷従、ということである。その上位意志と下位意志は具体的に、『エミール』では教師と生徒、『新エロイーズ』ではブォルマールとクララン農園の召使たち、『政治体制論』では執行権の長と人民、そして『社会契約論』では立法者と人民、としてあらわされている。
     国家は各個人の自由意志による社会契約によって成立するが、その場合、成員各個人は『自分を共同体全体に完全に譲渡すること』(『社会契約論』121ページ(『ルソー全集』白水社、第5巻))

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    儒学の理解
    儒学とは、儒教 の理想を、四書五経などの経典の研究をつうじてもとめる学問のことである。四書とは、『大学』『論語』『孟子』『中庸』であり、五経とは『易経』『詩経』『書経』『礼記』『春秋』である。儒学の祖である孔子は、不幸の向こう側にある普遍的真理を求めるという思想の過程をとった。
     
    「体制に随伴して生きることによって、充足がえられるならば、人は幸福であるかも知れない。しかし、体制が、人間の可能性を抑圧する力としてはたらくとき、人はその体制を超えようとする。-中略-変革者は必ず思想家でなくてはならない。-中略-それで思想家は、しばしば反体制者となる。少なくとも、反体制者として扱われる。講師は、そのような意味で範体制者であった。」(白川静『孔子伝』(中公文庫)119ページ)
    このように、孔子は反体制思想と結びつきうる。
    また、孟子は、天の意志が民意を通して現れてくるという民本思想を説いた。そして、そこから、民の支持を受けた者が天下を統べるのは天の意志にかなう、という思想をもっていたとも解釈しうる。
    2、個より全―国家主義者としてのルソー
     まず、ルソーの思想の前提として二十意志...

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