薬剤耐性(Rプラスミドの伝達)

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    資料紹介

    11.薬剤耐性(Rプラスミドの伝達)
    目的
    病原細菌の抗生物質に対する耐性の多くはRプラスミドにより引き起こされる。この実習ではRプラスミドにより多剤耐性遺伝子が伝達されるっことをin vitroで確認した。

    3日目
    ○抗生物質なしの培地から菌を移植した感受性ディスク培地では、感受性ディスクTC、SX、CMの3枚ともに阻止円ができていた。このことから、E.coli Nal はTC、SX、CMに感受性であるということが分かった。
    ○Nal+の培地から菌を移植した感受性ディスク培地ではTCのみに薄く阻止円が観察できた。本来はこの培地には3つのディスクともに阻止円は観察されないはずである。ここでTCのみに薄く阻止円が観察されたのは、薬剤排出ポンプの薬剤の排出が間に合わなかったためだと考えられる。E.coli Nal R222はTC、SX、CMに耐性だと考えられた。
    ○Nal+CMの培地から菌を移植した感受性ディスク培地でもTCのみに薄く阻止円が観察できた。これはNal+CMの培地から菌を移植した感受性ディスク培地と同様の理由である。このことから、E.coli Nal R222はTC、SX、CMに耐性だということが分かった。
    ○混合培養後に1種の薬剤のみで選択したのにかかわらず、TC、SX、CMの3種全ての薬剤に対して耐性の多剤耐性菌になっていたのは、S.flexneri R222の1つのRプラスミドにはTC、SX、CMの3種全ての薬剤に対する耐性の情報が含まれていて、それがE.coli Nal に伝達され、E.coli Nal R222になったためと考えられた。
    ○実験結果から考えられたE.coli Nal R222の性状。

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    11.薬剤耐性(Rプラスミドの伝達)
    目的
    病原細菌の抗生物質に対する耐性の多くはRプラスミドにより引き起こされる。この実習ではRプラスミドにより多剤耐性遺伝子が伝達されるっことをin vitroで確認した。
    方法
    1日目
    滅菌中試験管に滅菌メスピペットで供与菌(赤痢菌)0.5mLと受容菌(大腸菌)0.5mL
    を入れ、静かに混和し、37度の恒温層で1時間培養した。
    1時間後に、混合した菌液をマイクロチップで100μLづつを各々の選択培地1枚にそれぞれとり、コンラ-ジ棒で一様にぬりひろげて37度で1夜培養した。
    各々の対照用培地を2分し、それぞれに供与菌(赤痢菌)と受容菌(大腸菌)を1ル-プづつ画線培養し、37度で1夜培養した。
    2日目
    選択培地上(2種:Nal+TC、Nal+CM)および対照用培地(1種:抗生物質なし)に発育した分離のよいコロニーを各1ループ釣菌し、それぞれ小試験管(合計3本)の滅菌生理食塩水に浮遊させた。
    それぞれの浮遊液をマイクロチップで100μLづつを感受性ディスク用平板培地各1枚づつにとり、コンラージ棒で一様にぬりひろげた。
    各々の培地に感受性ディスク(TC、S...

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