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気管支喘息 病態 わが国における気管支喘息(bronchial asthma)の累積有症率は成人で3%内外であり、しばしばみられる疾患である。 喘息は、発作性の咳、喘息、呼吸困難、生理的には可逆性生の気道狭窄と気道過敏性の亢進が特徴である。 気流制限は、自然に、または治療により、...
疾患の経過と看護 呼吸器疾患においては、疾患が活発化する急性期、呼吸状態および心身の機能回復を目指す回復期、できる限り病気の進行を防ぎ病気とともに生きる慢性期、さらには、短期間のうちの死が予測される終末期と様々な軌跡をたどる。これらの経過に応じた看護を実践することが重要となる。 ...
症状と看護 1.咳嗽(咳) 1.咳嗽の意義 咳嗽は、肺内の空気が気道を通じて有声で爆発的に吐き出されることをいう。気道に侵入した異物や下気道内の分泌物を喀出し、気道を保護する防御反応である。 咳嗽反射は、主として咽頭、気管、気管支粘膜の刺激が迷走神経求心路を介して、呼吸筋を支配す...
糖尿病患者の看護 Ⅰ 食事療法に伴う看護 糖尿病とは、インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群である。インスリン作用不足の機序には、インスリンが作用する標的臓器(骨格筋、脂肪、末梢組織、肝臓など)における感受性の低下(インスリン抵抗性)と、膵β細胞から分泌さ...
栄養・代謝疾患患者の看護 Ⅰ 患者の特徴と看護の役割 栄養とは、生物が生命・健康の維持、成長、臓器・組織の機能の正常な営み、エネルギー産生のために、食物を摂取し、これを利用する過程をいう。また代謝には、摂取した物質をもとにした合成(同化)と分解(異化)からなる物質代謝と、その物質...
統合失調症 統合失調症は、従来、精神分裂病とよばれていた精神疾患の新呼称である。この名称の変更の経緯については、「はじめに」および後述の項で解説してある。本書では、主として統合失調症の名称を用い、必要に応じて精神分裂病を単独で用いるか、一部併記することとしている。 1)発病年齢 ...
てんかん 1)てんかんとは (1)概念と症状 てんかん(epilepsy)とは、しばしば繰り返される一過性の意識障害と痙攣発作を主症状とする慢性の疾患であり、脳の神経細胞の異常放電とされ脳波上特有の変化がみられる。 発作は、脳腫瘍や脳炎、そのほかの身体疾患でも起きるが、発作の原因...
神経症と心因精神病(心因反応) 1.神経症 1)神経症の概念 神経症は、心理的あるいは環境的な原因によって発症する心因性の精神障害である。不安を中心として、抑うつ、恐怖、強迫、心気症状などの精神症状や、同時に種々の身体症状が現れることもあり、これら心身の症状のため本人は悩み苦しみ...
検査の方法と看護 1.X線検査 心臓、大血管のX線検査では、胸部の単純X線撮影が行われる。正面像はX線が背腹の方向となるように撮影する(a)。左右の突出部を左第1~4弓、右第1~2弓とよび、心血管の異常で拡大または縮小する。側面像は右方から左方に投影する(b)。また第1斜位は右前...
薬物療法を受ける患者の看護 Ⅰ 薬物療法の理解 1.薬剤の選択と投与の際の注意 循環器疾患の治療に使用する薬剤は、降圧薬、強心薬、利尿薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗血栓薬などが主なものである。多くの場合病状に応じて薬物の種類量が決定したら、その後の状態を観察しながら調節し、以後維...
ショック ショックは、急性に発症した全身性循環障害で、組織や臓器の細胞が正常な機瀧を維持するのに十分な血液循環が得られない結果生じる生体機能の異常を呈する症候群である。ショックにより、脳、心臓腎などの重要臓器の機能不全症状と、それに対する生体反応による症状を呈する。 ショック状態...
食事療法を受ける患者の看護 Ⅰ 食事療法の理解 1.循環器疾患で必要となる食事療法 1)コレステロール・中性脂肪への対応 循環器疾患のなかで、虚血性心疾患は動脈硬化に起因するものが多い。冠動脈は粥状硬化によって狭窄をきたし、狭心症や心筋梗塞を引き起こす。動脈硬化はコレステロールや...