「中国古代の社会」(歴史学)『歴史学へのアプローチ法を求めて』

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    「始皇帝は悪人だったのか」という疑問を抱き、私は鶴間和幸著『秦漢帝国へのアプローチ』を読み進めることにした。その答えへの道標は、この著作の第三章「官僚のみた専制王朝下の民衆の苦悩」に見ることができる。
     始皇帝の政治は実に専制的で、官僚機構が厳格な割りに、政策面では未熟さ・稚拙さが目につくように思われる。専制政治なのだから、帝は自由放題に振舞うのが当然であるだろうが、それにしても、彼が行ったと伝えられる政治(特に土木事業)は余りにその度を越えている。
     長城・隆墓・阿房宮・馳道などの巨大土木事業を民衆に対して無報酬で労役させて行うとは、よほど民衆を無知なものと考えていたからか、それとも、帝自身が民衆に人気があると考えていたからなのか、始皇帝の内心を推し量ることは難しい。だが、いずれにせよ、民衆の始皇帝(秦)への不満と反発が高まり、それによって秦が倒されたことは事実である。土木事業に数十万の人間を従事させ、死に至らせたばかりではなく、数万人もの女性や子供を異郷の地へ赴かせてしまう強引さには驚嘆するばかりである。だが、これだけでは、始皇帝が悪人だったか否かの判断をくだすには十分ではない。
     そこで私は、第二章「考古学と文献資料のはざま」を注意深く読み進めることにした。私はもちろん中国古代社会の具体的内容に興味を抱いてはいる。しかし、私には刊行された歴史書や文献の全てが信用に値するか否かという判断を下す能力がないのだ。史料を通じてしか知ることのできない歴史というものへのアプローチは実に難解な作業である。

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    「中国古代の社会」(歴史学)
    『歴史学へのアプローチ法を求めて』
     「始皇帝は悪人だったのか」という疑問を抱き、私は鶴間和幸著『秦漢帝国へのアプローチ』を読み進めることにした。その答えへの道標は、この著作の第三章「官僚のみた専制王朝下の民衆の苦悩」に見ることができる。
     始皇帝の政治は実に専制的で、官僚機構が厳格な割りに、政策面では未熟さ・稚拙さが目につくように思われる。専制政治なのだから、帝は自由放題に振舞うのが当然であるだろうが、それにしても、彼が行ったと伝えられる政治(特に土木事業)は余りにその度を越えている。
     長城・隆墓・阿房宮・馳道などの巨大土木事業を民衆に対して無報酬で労役させて行うとは、よほど民衆を無知なものと考えていたからか、それとも、帝自身が民衆に人気があると考えていたからなのか、始皇帝の内心を推し量ることは難しい。だが、いずれにせよ、民衆の始皇帝(秦)への不満と反発が高まり、それによって秦が倒されたことは事実である。土木事業に数十万の人間を従事させ、死に至らせたばかりではなく、数万人もの女性や子供を異郷の地へ赴かせてしまう強引さには驚嘆するばかりである。だが、これ..

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