高度金融社会における企業と金融会社

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    高度金融社会における企業と金融会社
    『ライブドア vs フジテレビ』
    ~ニッポン放送株をめぐる攻防~
    2005年2月末、フジテレビが傘下のニッポン放送を完全子会社化するため、TOB(株
    式公開買い付け―引受・大和証券 SMBC、窓口・大和証券)を開始した。買い付け株数に
    上限を設けず、応募株式の全てを買い付ける方針のものであった。よって、この TOB 実施
    後は、市場流通株数・特定株主保有割合が証券取引所の上場基準に抵触する公算が強く,ニ
    ッポン放送は上場廃止となる見込みであった。また、TOB 価格は市場取引価格よりも高い
    基準で設定された。
    この後、ライブドアがニッポン放送の支配権確保を目的として、適法な市場外での取引
    方法である時間外取引により、ニッポン放送株を取得し、今後も株式買い付けを行うと発
    表した。これにより、ニッポン放送の株価は高騰。フジテレビによる TOB 応募も減少した。
    ライブドアに支配権が移ることを防ごうと考えたフジテレビ側はフジテレビを引受先とす
    る新株予約権付社債の発行を決定した。
    インターネットを中心とする通信産業とテレビ放送・ラジオ放送を行う放送産業との融和性は
    高く、2007年に本格実施が予定されている地上波デジタル放送に象徴されるように、双方向
    性を備え、かつ顧客個人の趣向に対応可能なインターネットの特徴は、放送業界にも大きな影響
    を与え、そのビジネスとしての成長性は計り知れないものがある。他方で、放送事業は「公共の電
    波」を使用するために、その公益性や放送内容の品質の確保・維持などを目的として、現在でも
    厳格な免許制度を存置する新規参入が極めて困難な分野のひとつである。そのため、「放送免許
    の保有」という未知数のビジネスチャンスを備えたニッポン放送の株式を割安な現在の市場株価
    水準で手に入れることができるとにらみ、ライブドアはこの TOB の阻害作戦に出た。しかし、ライ
    ブドアの真の狙いはラジオ放送をメイン事業とするニッポン放送ではなく、その親会社であるフジ
    テレビ・産経グループが持つ メディア網であったといわれる。全国に放送網を持つフジテレビとイ
    ンターネットが普及した今日にあっても、未だ正確な情報源としての確固たる地位を誇る新聞メデ
    ィアが、自社のインターネット事業と融和することができたならば、自社のポータルサイトの価値は
    上昇し、そこから得られる広告収入は莫大なものとなると推測された。
    ライブドアは、フジテレビを引受人とするニッポン放送の新株予約権付社債の発行は、
    商法が規定する「著しく不公平な方法」による新株の発行にあたるとして、商法280条
    の10に基づく、発行差し止めの仮処分の申請を行った。
    3月11日、ライブドアの新株発行差し止めの仮処分申請に対する東京地裁の決定は、
    本件、新株予約権付社債の発行は「商法280条の21の『新株予約権の有利発行』(=要
    件:株主総会における過半数の株式を有する株主の出席+その3分の2以上の賛成による
    特別決議を要し、今回のような取締役会決議による発行決議では発行できない)にはあた
    らない」しかし、商法280条の10『著しく不公正なる発行』にあたる」とし、発行差し
    止めの仮処分を行った。その理由として示されたのは、従来まで、いなげや事件などで示
    されてきた「主要目的論」であった。新株予約権発行が支配権を争う特定の株主の持分を
    低下させ、現経営陣の支配権を維持することを主要な目的としてされたものである時は、
    会社ひいては株主全体の利益の保護という観点から、

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    高度金融社会における企業と金融会社
    『ライブドア vs フジテレビ』
    ~ニッポン放送株をめぐる攻防~
    2005年2月末、フジテレビが傘下のニッポン放送を完全子会社化するため、TOB(株
    式公開買い付け―引受・大和証券 SMBC、窓口・大和証券)を開始した。買い付け株数に
    上限を設けず、応募株式の全てを買い付ける方針のものであった。よって、この TOB 実施
    後は、市場流通株数・特定株主保有割合が証券取引所の上場基準に抵触する公算が強く,ニ
    ッポン放送は上場廃止となる見込みであった。また、TOB 価格は市場取引価格よりも高い
    基準で設定された。
    この後、ライブドアがニッポン放送の支配権確保を目的として、適法な市場外での取引
    方法である時間外取引により、ニッポン放送株を取得し、今後も株式買い付けを行うと発
    表した。これにより、ニッポン放送の株価は高騰。フジテレビによる TOB 応募も減少した。
    ライブドアに支配権が移ることを防ごうと考えたフジテレビ側はフジテレビを引受先とす
    る新株予約権付社債の発行を決定した。
    インターネットを中心とする通信産業とテレビ放送・ラジオ放送を行う放送..

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