北海道と九州の地誌学

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    資料紹介

    北海道と九州の地域的な違いを比較するために、まず北海道からその地域的特色を見てみる。北海道は本州と異なり冷涼帯であり、日本の面積の22パーセントをも占める広大な大地を擁する。このような自然の特色のために、スキーや雪祭りなどを目当てに毎年400万人もの観光客が訪れ、観光産業は北海道の17兆円経済大事な一翼を担っている。
     また歴史的に見ると北海道は明治の開拓期に近代化が始まり、主に農業開拓による農産業に依存してきた。戦後も政府は食糧生産基地としての役割を期待し、例えば、1954年の世界銀行調査団の提案を機に、膨大な国費をかけての酪農基地の建設が行われた。しかし、このプロジェクトは思うようにうまくいかず、高度成長期以降は北海道でも工業開発が優先されるようになった。その工業の内訳としては、農水産物や林産加工の工場が多く、1992年の統計で33.9パーセントも占めている。またそれらも主に大都市の需要と中枢管理機能に依存したものである。対して機械工業は16.4パーセントと低位である。
    近年は1997年の拓殖銀行の破綻から北海道の経済は悪化の一途を辿っている。総務省の2002年度の統計によると、北海道の昨年完全失業率は1〜3月期に過去最悪の7・2%(全国5・4%)を記録。その後も厳しい状況が続いている。公共事業に過大に依存した体質から脱却し、北海道経済の自主・自立が求められている。
    対して九州だが、阿蘇山、九重山などをはじめとする火山によって温泉が湧き、優れた観光資源として機能してきた。また、温暖な気候条件を背景に佐賀、長崎、熊本各県によるミカン栽培、福岡県でのカキ栽培など農産業も盛んである。また歴史的に見るとかつて日本最大の筑豊炭田があったように炭田のメッカであった。だが、現在ではそれも閉山し、変わりに自動車工業をはじめとする機械工業が産業の中心へと移っていった。

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    北海道と九州の地域的な違いを比較するために、まず北海道からその地域的特色を見てみる。北海道は本州と異なり冷涼帯であり、日本の面積の22パーセントをも占める広大な大地を擁する。このような自然の特色のために、スキーや雪祭りなどを目当てに毎年400万人もの観光客が訪れ、観光産業は北海道の17兆円経済大事な一翼を担っている。
     また歴史的に見ると北海道は明治の開拓期に近代化が始まり、主に農業開拓による農産業に依存してきた。戦後も政府は食糧生産基地としての役割を期待し、例えば、1954年の世界銀行調査団の提案を機に、膨大な国費をかけての酪農基地の建設が行われた。しかし、このプロジェクトは思うようにうまくいかず、高度成長期以降は北海道でも工業開発が優先されるようになった。その工業の内訳としては、農水産物や林産加工の工場が多く、1992年の統計で33.9パーセントも占めている。またそれらも主に大都市の需要と中枢管理機能に依存したものである。対して機械工業は16.4パーセントと低位である。
    近年は1997年の拓殖銀行の破綻から北海道の経済は悪化の一途を辿っている。総務省の2002年度の統計によると、北...

    コメント1件

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    第三者にみせても、申し分なく、まとまりがあって良かったですよ。
    2008/02/23 17:06 (16年1ヶ月前)

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