ラベリング理論

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    「アウトサイダーズ‐ラベリング理論とはなにか」を読んで 
    本書の取り扱うテーマは、逸脱研究の方法論的考察、アウトサイダー(集団規則からの逸脱者)という存在はどのようにして生まれるのか、逸脱とはいったい何なのか、といったもの、マリファナ使用とそれに対する法律と社会統制、ジャズミュージシャンの文化の三つに大きく分かれている。これらは著者がシカゴ社会学の伝統に基づく「参与観察法」を駆使して行ったケーススタディであり、著者はジャズピアニストとして働きながら自己の研究テーマを追って多数の人々にインタビューを試みており、マリファナ文化やミュージシャン文化が生き生きと描かれている。
     第1・2章において逸脱研究の方法論的考察が行なわれており、逸脱に関する事実について、「社会的集団は、これを犯せば逸脱となるような規則をもうけ、それを特定の人々に適用し、彼らにアウトサイダーズのレッテルを貼ることによって、逸脱を生み出すのである。この観点からすれば、逸脱とは人間の行為の性質ではなくして、むしろ、他社によってこの規則と制裁とが『違反者』に適用された結果なのである。逸脱者とは首尾よくこのレッテルを貼られた人間のことであり、また、逸脱行動とは人々によってこのレッテルを貼られた行動のことである。逸脱とは、他の何にもまして、ある人間の行為に対する他社による反応の結果である。」と説明している。
     逸脱を考えるにあたって著者は継時的モデルによって考察を行っている。ある事実において、それを引き起こす原因というものは完全に同時に作用するということはありえなく、行動様式が順序だって継起的に発達するという事実を考える必要があるである。そこで逸脱経歴を順に追って考えている。第一段階はなんらかの特定規則群に対する違反行為である。その違反行動が偶発的なものであれ、逮捕され逸脱者のレッテルを貼られる経験をもつと、公的な自分が決定的に変化し、逸脱行動の安定型を確立していく。麻薬の事例において、麻薬常習者がその習癖の治癒に成功した結果、周囲の人々がなおも彼を麻薬常習者としてしか扱わず、彼は絶望に陥ってしまうのである。このして、逸脱者の経歴の最終段階は、組織化された逸脱集団への加入である。組織的逸脱集団に加入することによっていくつかの結果を得る。逸脱集団はその立場を合理化する傾向があり、自己正当化の理論的裏づけをもっており、逸脱者個々人に自己の迷いを振り払わせる。また、逸脱活動を最小限の障害で遂行する方法を学習する。新参者は他の逸脱者たちから様々な情報を得ることが可能であり、それらを学習することによって逸脱行動の継続が容易になるのである。
     次に第3章では、逸脱に関するこれらの理論について、マリファナ文化における事例が述べられている。著者が研究する以前から、マリファナは非合法なものであり、なぜマリファナ使用者はそれを知りながら使用し続けるのか、という問いに対して法執行機関などは研究してきた。しかしこの研究は個人の特殊な行動は彼をそうした行動に駆りやる原因や性格特性が明らかにされて、説明可能であるという認識に基づいていた。著者は、こんな理論ではマリファナ使用が十分に解明されるとは思えないと述べている。「マリファナ使用は、とりもなおさず、マリファナという薬物とその効用についての、その人それぞれの認識と相関しており、この認識はその人の麻薬体験が深まるにつれて発達していくものである。」というのである。「この認識が~発達していく」という考えは先にあげた逸脱経歴の理論と合致するものである。このようにマリファナ使用

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    「アウトサイダーズ‐ラベリング理論とはなにか」を読んで 
    本書の取り扱うテーマは、逸脱研究の方法論的考察、アウトサイダー(集団規則からの逸脱者)という存在はどのようにして生まれるのか、逸脱とはいったい何なのか、といったもの、マリファナ使用とそれに対する法律と社会統制、ジャズミュージシャンの文化の三つに大きく分かれている。これらは著者がシカゴ社会学の伝統に基づく「参与観察法」を駆使して行ったケーススタディであり、著者はジャズピアニストとして働きながら自己の研究テーマを追って多数の人々にインタビューを試みており、マリファナ文化やミュージシャン文化が生き生きと描かれている。
     第1・2章において逸脱研究の方法論的考察が行なわれており、逸脱に関する事実について、「社会的集団は、これを犯せば逸脱となるような規則をもうけ、それを特定の人々に適用し、彼らにアウトサイダーズのレッテルを貼ることによって、逸脱を生み出すのである。この観点からすれば、逸脱とは人間の行為の性質ではなくして、むしろ、他社によってこの規則と制裁とが『違反者』に適用された結果なのである。逸脱者とは首尾よくこのレッテルを貼られた人間..

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