4-4重力赤方偏移

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    重力赤方偏移
    初期に予言されていたが、かなり後になって確かめられた現象。
    赤方偏移
     宇宙のどこかの、ある原子から放たれた光は、遠い距離を旅した末に地球に届く。 しかしその光の振動数は発射された時と比べてごくわずかだが低くなってしまっていることが多いということが分かった。
     可視光のスペクトルを調べた時、全体的に波長の長い赤色の方へとずれるという現象として観察されたので「赤方偏移」と呼ばれるようになった。 同様の現象は光だけではなく、電磁波と呼ばれる領域でも同じように起こっていることが後に確認されたが、それでも赤方偏移と呼ぶのである。
     そのような現象が起きる原因としては今のところ 3 種類の仕組みがあると考えられている。
     その一つは「ドップラー効果」だ。 音のドップラー効果と同じように光でも同様の現象が起きるだろうということは、特殊相対論が発表されるかなり前から指摘されていたのだが、長らくの間、実験で確認するのは難しかった。 後に特殊相対論が出現したことによりその計算方法と考え方がわずかに修正されることになったが、それでもドップラー効果と呼んで差し支えないだろう。 遠くにある銀河などからの光は振動数の低い方へとずれていることが分かったが、それは遠方の天体が光速に近い速さで地球から遠ざかっているのだろうとして観測結果を説明できたのだった。
     今話したような説明の仕方は今でも平易な科学解説書に紹介されていることが多い。 しかし、膨張宇宙論が有力な説となった現在では、少々都合の悪い点もある。 ドップラー効果は自分と相手の相対速度が決まっているという前提で計算されるが、銀河との相対速度というのは光が届く途中でも変化するから、そこが厳密には正しくないわけだ。 光が届く道程を小刻みに分けて、そのたびにドップラー効果の計算を当てはめてやれば、そのような問題は回避できようが、こんな解釈で計算するのはあまりに面倒だろう。 それよりも、光の波長が伸びるのは宇宙全体が光と一緒に伸びるからだと説明した方が、一般相対論の計算を当てはめやすくて都合が良くなったのである。 これを「宇宙論的赤方偏移」と呼ぶ。
     ではドップラー効果の出番はもうないのだろうか? いや、天体の相対運動はなにも宇宙膨張だけによるのではない。 普通に運動している天体からの光にはやはりドップラー効果による説明が適用されるし、そのようなものを観測した結果も出てきている。 例えば、遠方の銀河の端と端の赤方偏移の差を調べる事で、その回転速度を割り出したりもしている。
     さて、これで赤方偏移の原因について二種類が出てきたことになる。 残るもう一つが、今回説明しようとしている「重力赤方偏移」だ。 星の表面から重力に逆らって光を放つと、その光はエネルギーを徐々に失って行き、振動数は元よりも低くなる。 そんな現象が起こることが一般相対論から導き出されていた。
     しかしそれが確認され始めたのはかなり後になってからのことである。 太陽の光の吸収線にごくわずかのずれが発見されたり、地上で 20 メートルほどの塔を建てての精密実験が行われたりした。 いずれも 1960 年代に入ってからの事であった。
     理論的にそんなに難しい話ではない。 私にはドップラー効果の説明をする事の方が面倒に思えるほどだ。
    座標系の準備
     地表において、A が光を出して、B が真上で受けるとする。 鉛直上向きに z 軸を取ろう。 x 軸や y 軸方向への移動は考えないので、dx = dy = 0 ということで、無限小線素は次のように

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    重力赤方偏移
    初期に予言されていたが、かなり後になって確かめられた現象。
    赤方偏移
     宇宙のどこかの、ある原子から放たれた光は、遠い距離を旅した末に地球に届く。 しかしその光の振動数は発射された時と比べてごくわずかだが低くなってしまっていることが多いということが分かった。
     可視光のスペクトルを調べた時、全体的に波長の長い赤色の方へとずれるという現象として観察されたので「赤方偏移」と呼ばれるようになった。 同様の現象は光だけではなく、電磁波と呼ばれる領域でも同じように起こっていることが後に確認されたが、それでも赤方偏移と呼ぶのである。
     そのような現象が起きる原因としては今のところ 3 種類の仕組みがあると考えられている。
     その一つは「ドップラー効果」だ。 音のドップラー効果と同じように光でも同様の現象が起きるだろうということは、特殊相対論が発表されるかなり前から指摘されていたのだが、長らくの間、実験で確認するのは難しかった。 後に特殊相対論が出現したことによりその計算方法と考え方がわずかに修正されることになったが、それでもドップラー効果と呼んで差し支えないだろう。 遠くにある..

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