3-8ニュートン近似

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    ニュートン近似
    やっぱり先にこれを説明しなくてはならないか・・・。
    今回の予定
     ここまでの知識を使って、もう今すぐにでも重力場の方程式を作り始められるだろうと思っていた。 しかし物理的な考察なしでたどり着けるほど甘くはなかったようだ。
     一般相対論は既存の法則と無関係ではない。 その中にニュートン力学を含まなくてはならない。 そのためにどんな形の方程式を目指さなければならないかを考えておく必要がある。
     今回の結論を先に言ってしまえば「重力場の方程式は計量テンソルの2階微分を含む形になっていれば良いだろう」というたったそれだけのことなのだが、なぜそんなことが言えるのかを説明して行こう。
    ニュートン力学を導いてみる
     一般相対論からニュートンの運動方程式が導き出せるだろうか。 まず、測地線の方程式を思い出そう。
     これを4元速度を使って表してやれば、
    であり、4元速度に mc を掛けたものは4元運動量になるのだったから、
    という式になる。 左辺は運動量を固有時 τ で微分しているが、これがもし普通の時間 t での微分であったならば、ニュートン力学で言うところの「力」を表すことになるであろう。 それで τ を t に変換してやりたいわけだが、ここで少し知恵が要る。
     少し思い出そう。 特殊相対論の範囲では、固有時と普通の時刻の間には
    という関係が成り立っており、もし時刻 dw の間の移動距離が無視できる程度なら・・・つまり、これは速度が光速に比べて十分に遅いと言う意味だが・・・、
         (1)
    という関係式を当てはめたらいいのだった。 しかし一般相対論の場合にはこの式をそのまま使うことができない。 こんなに単純な状況にはなっていないのである。
     計量テンソルというのは、無限小線素 ds を次のように表したときの係数 gij であった。
     特殊相対論の範囲、すなわちミンコフスキー空間ではローレンツ変換によって、
    の値が変化しないことから、この関係を表す計量 gij を特別に ηij という記号で
    と表したのである。 ところが、一般相対論で扱うのは gij が ηij からずれる場合である。 gij の非対角要素も0ではなくなるだろう。 しかし、もし時刻 dw の間の移動距離 dx が無視できる程度であった場合には辛うじて、
    という式を使うことが出来る。 dτ と ds の関係は以前と変わらず、
    としておくのが便利であるから、
    だということだ。 これが一般相対論の場合に (1) 式の代わりに使うべき式である。 特殊相対論では g00 = -1 で固定であったために、(1) 式では g00 をわざわざ書かなかったというだけのことだ。
     さて、時空がよっぽどひどい曲がり方をしていない限りは g00 の値は -1 に近いわけで、正の値になってしまう心配はないであろう。 それで、
    と表現しておいてやればいい。
     ようやく本線に戻るが、これを使って先ほどの測地線の方程式の書き換えをしてやれば、
    という式が得られることになる。 速度が光速に比べて遅い場合には、測地線の方程式はニュートンの運動方程式に似た形になるのである。 つまり、この式の右辺が「力」を表しているということになるのだろう。
     しかし似ているのは左辺だけで、右辺はごちゃごちゃし過ぎである。 この複雑な式をどう解釈したらいいのだろうか。
    ニュートン近似
     一般相対論からニュートン力学を取り出すには、「速度が光速と比べて極めて遅い」という仮定だけではまだ足りな

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    ニュートン近似
    やっぱり先にこれを説明しなくてはならないか・・・。
    今回の予定
     ここまでの知識を使って、もう今すぐにでも重力場の方程式を作り始められるだろうと思っていた。 しかし物理的な考察なしでたどり着けるほど甘くはなかったようだ。
     一般相対論は既存の法則と無関係ではない。 その中にニュートン力学を含まなくてはならない。 そのためにどんな形の方程式を目指さなければならないかを考えておく必要がある。
     今回の結論を先に言ってしまえば「重力場の方程式は計量テンソルの2階微分を含む形になっていれば良いだろう」というたったそれだけのことなのだが、なぜそんなことが言えるのかを説明して行こう。
    ニュートン力学を導いてみる
     一般相対論からニュートンの運動方程式が導き出せるだろうか。 まず、測地線の方程式を思い出そう。
     これを4元速度を使って表してやれば、
    であり、4元速度に mc を掛けたものは4元運動量になるのだったから、
    という式になる。 左辺は運動量を固有時 τ で微分しているが、これがもし普通の時間 t での微分であったならば、ニュートン力学で言うところの「力」を表すこと..

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