2-4重力場の方程式の展開

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    重力場の方程式の展開
    初心者の甘い考えを打ち砕く!
     重力場の方程式は測地線の方程式よりはるかに複雑だ。 測地線の方程式の場合はすでに定まっている計量に従って計算すれば良かったが、重力場の方程式は計量の10個の成分を定めるための微分方程式である。
     見た目は次のような非常に簡単な一つの式で表されている。
     しかしこの両辺の G と T の肩にある2つの添え字にはそれぞれ0~3までの4つの数字が入り、その組み合わせは16通りある。 ただし Tμν も Gμν も、添え字を入れ替えても同じ値になっているから、独立して意味を持つのはその内の10通りである。 つまり重力場の方程式というのは10個の連立方程式をひとまとめに略して書いてあるのである。
     右辺の Tμν はエネルギー運動量テンソルであって、特殊相対論の最後に説明した通りであるからここでは説明しない。 以下では左辺のアインシュタイン・テンソル Gμν を分解していくとしよう。 意味については気にしない。 とりあえず分解を楽しんでみようという趣旨である。 この定義は次のようになっている。
     右辺第1項の Rμν は「リッチ・テンソル」と呼ばれるものであり、右辺第2項の R は「リッチ・スカラー」と呼ばれるものである。 リッチ(Ricci)というのはリーマン幾何学を発展させた数学者の名前である。
     リッチ・スカラーは「スカラー曲率」とも呼ばれる。 同様にリッチ・テンソルも「テンソル曲率」あるいは「曲率テンソル」と呼ばれることがあるが、後で出てくる「リーマン・テンソル」も同じく「曲率を表すテンソル」であるから、混乱が起こらないように気をつけて使わないといけない。
     リッチ・スカラーはリッチ・テンソルを縮約して作られている。
     この定義を見るとすっきりしたものだが、アインシュタインの省略記法を使わないで書くと次のようになる。
     ところで計量 gμν は添え字の入れ替えに対して値が変わらないのだった。 後から説明するつもりだが、実はリッチ・テンソル Rμν にも同じ性質がある。 だから、上のややこしい式の項の数は次のように10個にまでまとめられる。
     まぁ、気休め程度に過ぎないが。 ここまでで、アインシュタイン・テンソルは10通りのリッチ・テンソルの組み合わせで出来ていることが分かっただろう。 よってリッチ・テンソルの定義さえ分かればすぐにでもアインシュタイン・テンソルの全貌が明らかになる気がする。 ところがそう甘くはない。 ここまでは小手調べといったところだ。
    リッチ・テンソルの定義
     次にリッチ・テンソルの正体を調べよう。 これは「リーマン・テンソル」と呼ばれる4階のテンソル Rκλ,μν から次のように作られている。
     これまでに出てきたリッチ・テンソルの添え字は上側についていたが、この式の左辺では下側についている。 これもリッチ・テンソルと呼んで差し支えない。 添え字を上側に変換するには次のように計量を付けて縮約してやればいいのだった。
     なかなか複雑な事になってきた。 しかしこの先のことを思えばまだ大したことはない。
    リーマン・テンソルの定義
     さらに深く潜ろう。 リーマン・テンソルの定義は次の通りである。
     ここで という書き方を使っているが、これは
    という意味である。 かっこつけないでダラダラと書けば、
    ということである。 ここに出てきたクリストッフェルの記号の定義はすでに前回示したが、もう一度、今度はちゃんと展開して書いておこう。
     これで分からない定義は何一

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    重力場の方程式の展開
    初心者の甘い考えを打ち砕く!
     重力場の方程式は測地線の方程式よりはるかに複雑だ。 測地線の方程式の場合はすでに定まっている計量に従って計算すれば良かったが、重力場の方程式は計量の10個の成分を定めるための微分方程式である。
     見た目は次のような非常に簡単な一つの式で表されている。
     しかしこの両辺の G と T の肩にある2つの添え字にはそれぞれ0~3までの4つの数字が入り、その組み合わせは16通りある。 ただし Tμν も Gμν も、添え字を入れ替えても同じ値になっているから、独立して意味を持つのはその内の10通りである。 つまり重力場の方程式というのは10個の連立方程式をひとまとめに略して書いてあるのである。
     右辺の Tμν はエネルギー運動量テンソルであって、特殊相対論の最後に説明した通りであるからここでは説明しない。 以下では左辺のアインシュタイン・テンソル Gμν を分解していくとしよう。 意味については気にしない。 とりあえず分解を楽しんでみようという趣旨である。 この定義は次のようになっている。
     右辺第1項の Rμν は「リッチ・テン..

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