2-72相平衡

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    2相平衡
    エントロピーの導入が第1だとしたら、 この辺りが第2のクライマックスだな。
    蒸発について考える
     密閉容器に1種類の分子だけからなる純粋な液体と、同じ分子からなる気体を入れて、2つの相が共存するようにする。 わざわざ液体と気体を別々に入れる必要はない。 真空容器に液体を注ぐだけで、液体の一部はすぐに蒸発して真空は気体で満たされるようになるだろう。 この液体はどこまでも蒸発を続けるわけではなく、ある程度蒸発したところで安定するのだが、なぜそこで安定するのだろうか。 また、どんな条件で安定するのだろうか。 それを探ろうというのが今回のテーマである。
     密閉容器に水を入れて真空ポンプで空気を抜いてやると、熱くも無いのに水が勝手に沸騰するという実験を見たことがあるだろうか。 また、高い山に登ると水が低い温度で沸騰してしまってそれ以上温度が上がらないので、煮え切らない料理が出来てしまうことは聞いたことがあるだろう。 それを防ぐためには圧力釜を使って調理しないといけない。 窓に勝手に水滴が付いたり蒸発したりとかいうのも良く見る。 割と身の回りに起こる現象に近い話になってきた。
    断熱条件での平衡
     まずは前回と同じように体積の変化しない断熱容器を考えて、前回と同じ計算手法を適用しよう。 容器全体のエントロピーが極大になるところで安定するのだった。
     ところで、これまでの論理は気体に対して適用する事を前提にして進めてきたのであって、同じ概念をいきなり液体に対して用いてもいいのだろうかと不安に思うかも知れない。 しかし液体にだって温度、圧力、体積がある。 同じ論理が通用しないことがあるだろうか。 そもそも気体と液体とは何が違うだろう。 理想気体の性質から大きく掛け離れた気体の一種だと考えてはどうだろうか。
     エントロピーを導入した時には理想気体の性質は何も使っていない。 理想気体の性質から離れていたとしても、同じ論理が使えるはずである。 よって液体についてもエントロピーの概念を同じように適用して計算しよう。 容器の中の全体のエントロピーは次のように書けるとする。
     na と nb は気体と液体を構成するそれぞれの分子のモル数である。 分子はお互いに行き来して、ある時は気体に、ある時は液体になったりという具合に量が変化するので、それに応じてそれぞれのエントロピーも増減してしまう。 そこで「1モルあたりのエントロピー」というものを考えなくてはならない。 Sa, Sb はそういう量である。
     「1モルあたりのエントロピー」という概念はここまで扱ってこなかった。 何かこれを使う上で気を付けるべきことがあるだろうか。 温度や圧力はモル数に関係ないのでこれまで通り使うしかない。 しかし、体積やエネルギーはモル数に関係するので、これらについては「1モルあたりの体積」や「1モルあたりの内部エネルギー」などというものを考えて量を統一しておかなくてはならない。 それさえしておけば各状態量の間に今までと全く同じ関係が成り立っているはずだ。 つまり、ここで使った Sa ( Ua, Va ) という関数の中の変数 Ua, Va というのは1モルあたりの内部エネルギー、1モルあたりの体積を意味している。 その事を頭に置きつつ、全エントロピーの1次の変分を計算してやろう。
     ところで今回の束縛条件は、「全体の分子数は変化しない」ことと、「全体の体積は変化しない」ことと、「断熱なので全体のエネルギーは変化しない」ことの3つである。 式で書くと次の通りだ。
     このままでは使

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    2相平衡
    エントロピーの導入が第1だとしたら、 この辺りが第2のクライマックスだな。
    蒸発について考える
     密閉容器に1種類の分子だけからなる純粋な液体と、同じ分子からなる気体を入れて、2つの相が共存するようにする。 わざわざ液体と気体を別々に入れる必要はない。 真空容器に液体を注ぐだけで、液体の一部はすぐに蒸発して真空は気体で満たされるようになるだろう。 この液体はどこまでも蒸発を続けるわけではなく、ある程度蒸発したところで安定するのだが、なぜそこで安定するのだろうか。 また、どんな条件で安定するのだろうか。 それを探ろうというのが今回のテーマである。
     密閉容器に水を入れて真空ポンプで空気を抜いてやると、熱くも無いのに水が勝手に沸騰するという実験を見たことがあるだろうか。 また、高い山に登ると水が低い温度で沸騰してしまってそれ以上温度が上がらないので、煮え切らない料理が出来てしまうことは聞いたことがあるだろう。 それを防ぐためには圧力釜を使って調理しないといけない。 窓に勝手に水滴が付いたり蒸発したりとかいうのも良く見る。 割と身の回りに起こる現象に近い話になってきた。
    断熱条件..

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