2-3ラグランジュ方程式の利点

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    ラグランジュ方程式の利点
    なぜこんなに有り難がるのか
    計算のための断り書き
     まず、今回の話に出てくる具体的な計算をすべて 2 次元で行うことを許してもらいたい。 3 次元で行うと式が非常に面倒になることはすぐ後で分かるだろう。 議論の本質が変わってしまうことはないのであまり気にしてはいけない。
     またこれまで x の時間微分 dx/dt を v という記号で表していたが、これでは r や θ の時間微分などをどんな記号で表したら良いかという問題が出てきてしまう。 毎回ていねいに微分の記号を書くと式が非常に複雑になってしまい、理解しにくくなるのでこれは避けたい。
     そこでそれぞれの変数の頭の上に点(ドット)をつけることで時間の 1 階微分を表現してやることにする。 もし 2 個の点がつけばそれは時間の 2 階微分を意味していることにする。
     この表現法はとても助かる。
    極座標における運動方程式
     では本題に入ろう。 前回はニュートンの運動方程式をラグランジュの方程式に変形することを行った。 そのためにわざわざラグランジアンなどという量も定義した。 なぜニュートンの運動方程式をこのような形式に書き直す必要があるのだろうか? それにはちゃんと理由があり、それを知ったらちょっと感動するはずである。
     デカルト座標で成り立つニュートンの運動方程式は以下のようになっている。
     ここではベクトル表記で書いたが、x, y の成分に分けると次のようになる。 ついでに力 F をポテンシャルエネルギー V の微分で表しておいた。
     非常にすっきりした分かりやすい式である。 では、これを別の座標系を使って表した場合にはどのように書けるのだろうか? 例えば極座標 ( r, θ ) の場合を考えて、座標変換してやろう。
     まず左辺の変形から試みる。 極座標とデカルト座標の関係式は
    であるので、これを左辺の x, y に代入してやって、時間で 2 階微分してやればいい。 r も θ も時間に依存しているので積の微分公式を使ってやらねばならず、ややこしいことになる。
     次に右辺にある V の偏微分についてだが、これは第 1 部で説明した 微分の座標変換 を使ってやればいい。 それで結局、全体では
    のようになる。 もはや一つの式の中に r と θ が乱れ飛んで収拾がつかない。 もっと分かりやすくまとめられないだろうか?
     せめて右辺だけでも整理してやろうということで、
    という計算をしてやれば、意外にも左辺もかなりきれいになり、
    となる。 それでもまだ一つの式の中に r と θ の両方が存在している事には変わりない。 これがあの美しかったニュートンの運動方程式の極座標系における姿である。 この非対称の醜い姿をよくまぶたに焼き付けておくといい。
    ラグランジュ方程式の利点
     次にラグランジュの方程式を使ってやろう。 前回求めたラグランジュの方程式は、
    と表される。 まだこの表記に慣れないだろうからわざわざ成分に分けて書けば、
    ということである。 これを極座標 ( r, θ ) で表現してやると次のようになる。
     ・・・。 えーと、何かな?
     ・・・。 式変形の続きを期待されても困る。 これで終わりである。
     あっけなかっただろうか? 「記号を書き換えただけではないか」と思うかも知れない。 その通り。 つまりラグランジュ方程式は、 別の座標に変換しても同じ形の式がそのまま成り立っているのである。 ニュートンの方程式のように醜い形に化けたりはしない。

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    ラグランジュ方程式の利点
    なぜこんなに有り難がるのか
    計算のための断り書き
     まず、今回の話に出てくる具体的な計算をすべて 2 次元で行うことを許してもらいたい。 3 次元で行うと式が非常に面倒になることはすぐ後で分かるだろう。 議論の本質が変わってしまうことはないのであまり気にしてはいけない。
     またこれまで x の時間微分 dx/dt を v という記号で表していたが、これでは r や θ の時間微分などをどんな記号で表したら良いかという問題が出てきてしまう。 毎回ていねいに微分の記号を書くと式が非常に複雑になってしまい、理解しにくくなるのでこれは避けたい。
     そこでそれぞれの変数の頭の上に点(ドット)をつけることで時間の 1 階微分を表現してやることにする。 もし 2 個の点がつけばそれは時間の 2 階微分を意味していることにする。
     この表現法はとても助かる。
    極座標における運動方程式
     では本題に入ろう。 前回はニュートンの運動方程式をラグランジュの方程式に変形することを行った。 そのためにわざわざラグランジアンなどという量も定義した。 なぜニュートンの運動方程式をこの..

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