1-5微分法則を使う理由

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    微分法則を使う理由
    説明できなかった部分をここで補う。
    2つの式から電場の形が決められるか?
     前のページでは、静電場の満たす2つの重要な式
    が求まった。  既にマクスウェルの方程式の4つの式のうちの2つが出来上がろうとしていることにお気づきだろうか。 まだ電束密度 D についての解説をしていないが、 D = ε0E という関係があり、これを使うと初めの式は div D = ρ という簡単な式になる。 電束密度については後でまとめて説明するつもりだ。 また、もう一つの式も電磁誘導の関係式を追加すればマクスウェルの方程式の一つになるところまで来ている。
     しかしその前に静電場についてもう少しはっきりさせておきたいことがある。 それは、果たしてこの2つの式で十分かということだ。 つまりここまでで求められた2つの式からちゃんと という静電場についての式が復元できるのかということだ。  もし復元できるのならば今後、 という表現を使うのをやめて、代わりにここで求めた2つの式を使うことにするのに何も問題はないわけだ。
     なぜ直感的に分かりやすい以前の表現を捨ててまで、微分を使った新しい方の表現を使いたがるのかと言えば、ただかっこいいからという理由以外にもちゃんとした理由がある。  以前の式には、電場を求めようとする位置から電荷が存在する位置までの距離を表す r がそのままの形で含まれており、一応は「電場」による表現を使ってはいるけれども「遠距離間に直接働く力」というニュアンスが拭い切れていないのである。
     その点、新しい表現にはそういうものが含まれていない。 求めたい電場は、そのすぐ傍の電場の大きさとその点に存在する電荷の密度のみで決まる。 つまり、「その場」のみの性質で全てが決まるのである。 日本語で「field」を「場」と訳したのはこのようなニュアンスがあったのだろう。  これからは、電場の大きさは電荷からの距離に応じて決まるという表現ではなく、各点の「場」の性質の積み重ねで全体が決まっているのだと考えるようにしたいわけだ。
     果たしてここまでで求められた2つの表現にはその資格があるのだろうか?
    静電ポテンシャル
     まず rot E = 0 について考えよう。 これはもともと電場の一周積分が0になるという条件から導かれたものであった。  この状況は地面の高低差に例えることができる。 どのように地面の上を旅しようとも元の場所に戻ってくれば必ず初めと同じ高さにたどり着く、という状況に似たところがある。
     電場をこのような例えを使って論じることが出来るように「静電ポテンシャル」というものを導入しよう。 この例えの中では地面の高さに相当する概念である。  電場はこの静電ポテンシャルの傾きに相当すると考える。 地面の場合、傾きを積分すると高さになるからである。
     上空から見た位置座標 x, y によって高さ h が決まる時、その高さの関数 h ( x, y ) を微分して作ったベクトル は傾きの度合いと方向を表すが、これと同じ考えにより電場 E は
    と表されると考えることにする。 ここでマイナスがついている理由は電場の向きが電位の高い方から低い方へ向かっているというイメージで表したいからである。 ただ微分しただけではベクトルは高い方を指してしまうことになるだろう。   ∇を使って 表せばもっと簡単に
    と書ける。
     ここで電位という言葉を使ったが、静電ポテンシャルの「高さ」を電位という言葉で表現する。 そしてその「標高差」に相当する概念を「電位差」

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    微分法則を使う理由
    説明できなかった部分をここで補う。
    2つの式から電場の形が決められるか?
     前のページでは、静電場の満たす2つの重要な式
    が求まった。  既にマクスウェルの方程式の4つの式のうちの2つが出来上がろうとしていることにお気づきだろうか。 まだ電束密度 D についての解説をしていないが、 D = ε0E という関係があり、これを使うと初めの式は div D = ρ という簡単な式になる。 電束密度については後でまとめて説明するつもりだ。 また、もう一つの式も電磁誘導の関係式を追加すればマクスウェルの方程式の一つになるところまで来ている。
     しかしその前に静電場についてもう少しはっきりさせておきたいことがある。 それは、果たしてこの2つの式で十分かということだ。 つまりここまでで求められた2つの式からちゃんと という静電場についての式が復元できるのかということだ。  もし復元できるのならば今後、 という表現を使うのをやめて、代わりにここで求めた2つの式を使うことにするのに何も問題はないわけだ。
     なぜ直感的に分かりやすい以前の表現を捨ててまで、微分を使った新しい方の表現..

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