森鴎外「かのように」への眼差し

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    かのように

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    明治四五年に出版された森鴎外の『かのように』は、従来の権威的な「かのように」と、近代的合理主義に基づいた自我とを、主人公である五条秀麿と友人との対立の中で描く作品である。

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    作品 森鴎外著 『かのように』 明治四五年
     明治四五年に出版された森鴎外の『かのように』は、従来の権威的な「かのように」と、近代的合理主義に基づいた自我とを、主人公である五条秀麿と友人との対立の中で描く作品である。「そうして見ると、人間の智識、学問はさて置き、宗教でもなんでも、その根本を調べて見ると、事実として証拠立てられない或る物を建立している。即ちかのようにが土台に横わっているのだね。」とあるように、「かのように」は絶対がないことを理解しつつも、絶対があるかのように考えることを言う。主人公の父は、霊魂というものをあまり信じてはいないが、祖先崇拝の儀を行っている。この意味で主人公の父は保守的であり、また小説の言わんとする権威の象徴であるとも言える。
     ここにおいて主人公に見出せる葛藤とは、父の保守的な考え方が、自分の学問的考えと食い違っている、という葛藤である。「どうも人間が猿から出来たなんぞと思っていられると困るからな」と言う父に対して、秀麿はぎくりとする。とは言っても、実際に両者の思想が対立する場面はない。秀麿は自分の思想を箱に準えて、「父が箱の蓋を取って見て、白昼に鬼を見て、..

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