脂質の分析

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    資料紹介

    【目的】
    赤血球、血清、脳に含まれる脂質成分をTLC法を用いて調べる。
    【方法】
    全脂質の抽出
    ブタ赤血球、ブタ血清、ブタ脳の凍結乾燥粉末10mgを計り取った大マイクロチューブにクロロホルム/メタノールを(2:1)1mlをマイクロピペットで加えた。混合後、ヒートブロックで40℃、20分間加熱した。
    小型遠心機で10分間遠心し、上層を別のマイクロチューブに移した。
    液量をクロロホルム/メタノール(2:1)で1mlに調節し、混合後、0.5mlを別のマイクロチューブに移した。
    1本には水200µlを加え、小型遠心機で5分間遠心し、上層を除き、下層の体積をクロロホルム/メタノール(1:1)で500µlに調節した。これを全脂質抽出液とした。
    エステル含有脂質の分解
    別の1本に0.1MNaOH-メタノール200µlを加え、40℃で30分間加熱し、エステル含有脂質を分解した。分解後、1M酢酸-メタノール100µlを加えて中和し、水200µlを加え混合した。小型遠心分離機で5分間遠心後、上層を除き、下層の体積をクロロホルム/メタノール(1:1)で500µlに調節した。これをアルカリ処理脂質抽出液とした。
    得られた全脂質抽出液、アルカリ処理脂質抽出液、各20µlを3本ずつ、小マイクロチュ-ブにとった。
    薄層クロマトグラフィー(TLC)による脂質の分解
    スタンダードにはクロロホルム/メタノール(1:1)15µlを加え、全量をスポットした。また3枚のTLCプレートにガラスキャピラリーを用いて、全脂質抽出液、アルカリ処理脂質抽出液をスポットした。
    スポット後のプレートを、プレート①はヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(80:30:1)を、プレート②、③はクロロホルム/メタノール/水(65:38:1)を展開溶媒として上から1cmの所まで展開させた。
    プレートを風乾後、プレート①、②は酢酸銅-リン酸試薬、プレート③はオルシノール硫酸試薬をスプレーし、ホットプレートで加熱して発色させた。
    【結果】
    プレート①
    成分          Rf値 
    1.コレステロールエステル     0.79
    2.脂肪酸メチルエステル      0.61
    3.遊離脂肪酸           0.18
    4.コレステロール         0.12
    プレート②
    1.コレステロールエステル     0.92
    2.脂肪酸メチルエステル      0.87
    3.コレステロール         0.76
    4.ガラクトシルセラミド      0.58
    5.ホスファチジルエタノールアミン 0.52
    6.スルファチド          0.34
    7.ホスファチジルコリン      0.30
    8.スフィンゴミエリン       0.22
    (プレート②では操作ミスで、脳アルカリ処理脂質と
    血液全脂質のスポットの位置が逆になってしまった。)
       プレート③
    1.脂肪酸メチルエステル      0.89
    2.コレステロール         0.80
    3.ガラクトシルセラミド      0.63
    4.ホスファチジルエタノールアミン 0.52
    5.スルファチド          0.44
    6.グロボシド           0.25
    脂質 脳 血清 赤血球 コレステロールエステル
    脂肪酸メチルエステル
    遊離脂肪酸
    コレステロール
    ホスファチジルエタノールアミン
    ホスファチジルコリン
    スフィンゴミエリン
    ガラクトシルセラミド
    スルファチド
    グロボシド +
    +++

    +++
    ++
    ++

    ++

    + ++




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    【目的】
    赤血球、血清、脳に含まれる脂質成分をTLC法を用いて調べる。
    【方法】
    全脂質の抽出
    ブタ赤血球、ブタ血清、ブタ脳の凍結乾燥粉末10mgを計り取った大マイクロチューブにクロロホルム/メタノールを(2:1)1mlをマイクロピペットで加えた。混合後、ヒートブロックで40℃、20分間加熱した。
    小型遠心機で10分間遠心し、上層を別のマイクロチューブに移した。
    液量をクロロホルム/メタノール(2:1)で1mlに調節し、混合後、0.5mlを別のマイクロチューブに移した。
    1本には水200µlを加え、小型遠心機で5分間遠心し、上層を除き、下層の体積をクロロホルム/メタノール(1:1)で500µlに調節した。これを全脂質抽出液とした。
    エステル含有脂質の分解
    別の1本に0.1MNaOH-メタノール200µlを加え、40℃で30分間加熱し、エステル含有脂質を分解した。分解後、1M酢酸-メタノール100µlを加えて中和し、水200µlを加え混合した。小型遠心分離機で5分間遠心後、上層を除き、下層の体積をクロロホルム/メタノール(1:1)で500µlに調節した。これをアルカリ処理脂質抽出液とした...

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