連関資料 :: 世説新語について

資料:3件

  • 新語と日本文学
  • 1.『世説新語』について 『世説新語』に出てくる人々のエピソードは、人の好いところも悪いところも、簡潔におもしろく描かれている。篇目は三十六部門もあり、現存完本でなければ三九篇目あったともされるのは驚きである。『続世説新書』『明世説』『漢世説』『世説補』『今世説』などの続書も著さたことから、たくさんの人に受け入れられ、大きな影響を与えたということがうかがえる。 2.『世説新語』と日本文学  『世説新語』は、中国だけにとどまらず、日本文学にも多大な影響をもたらした。部屋の中と外で都が近いか太陽が近いかを言い分けた、夙恵篇十二の明帝の逸話が、『今昔物語集』と『宇治拾遺物語』、また『枕草子』までもに引用されていることは、とても興味を持った。 3.『世説新語』を学んで  すごく長期に渡り、日本に影響を及ぼし続けた『世説新語』の大きさ、描く領域の広さを知った。そのエピソードのひとつひとつに、この時代の人々が生きているように描かれて、話のひとつひとつが淡々と語られ、リズム良く展開するから漫画になっても面白い。 その人々の間の会話は古いと感じさせることなく、すごく機知に富んで感心させられる物であり、今読んでも驚きと感心の気持ちを感じる。そんな生きている文章が、たくさんの作品に引用される契機になり、いろんな語源となっていったのだろう。
  • レポート 海外文学 世説新語 夏目漱石 故事成語
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  • 新語』に見られる機知表現〜清談で培われた言語感覚〜
  • 『世説新語』は、後漢から東晋までの名士の逸話を収めた小説集である。魏晋南北、すなわち三国六朝ひしめく激動戦乱の時代にありながら、『世説新語』の登場人物は、死と隣りあわせという陰湿さなどかけらも見せず、逆に機知に富んで切れ味がよく、鋭角的な物言いをする。よく笑い、よく怒り、よく嘆く。こうしたありのままの感情を、生き生きと描いている。 『世説新語』においてひとつ特徴的なのは、物語の切り取り方がごく個人的な部分に徹しているという点だ。実在した人物の言動を素材としながら、それら登場人物と歴史上の状況との関係、背後の具体的時間は殆ど明記されていない。政治的大状況に背を向け、小状況、つまりプライベートにのみ着目している。多様な人間群像について、あくまで個人を追及し、言動を鋭く切り取る。重視されるのは、何を描くか、よりも、どう描くか。特に言語表現に賭けられた情熱は膨大なもので、こうした部分に独特のおもしろさが認められる。 こうした機知溢れる表現の背景となったのが、「清談」の流行である。 清談は形而上学的な問題をテーマとした哲学談義と、人物批評の二つのジャンルに分けられるが、後者の人物批評はまさしく『世説新語』で大きく取り扱われている分野である。 逆に、『世説新語』とは清談の流行を受けながら書かれたといってもいい。 こうした人物批評盛行の外的条件となったのは「九品官人法」の制定であった。これは、魏の武帝曹操が人材登用の為に定めた制度で、人物をその才能によって九等に分け、それに応じた官位をつける、という趣旨を持つ。これにより、人物をランク付けするという発送が、人物批評の流行に拍車をかけるようになった。制度としての人物評価、という点から見ると、『世説新語』に描かれるような評価の内容は、主観的で曖昧な評価でしかないわけだが、むしろ人々はこのような独断偏見を歓迎し、ともかくより面白い機知の言葉で他人を一刀両断しようとした。それがユニークであればあるほど人々は喝采した。
  • レポート 史学 中国文学 世説新語 清談 後漢 魏晋南北
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