電子工作
電子工作(でんしこうさく)は、半導体素子(特に能動素子)を用いた工作のことである。
電子工作は様々な目的で行われるが、たとえば趣味、実験、試作などといった目的がある。学校教
育では自由研究や技術家庭の実技として行われることも多い。研究者・技術者の中には、子供の頃
から電子工作を趣味として行ってきた者もおり、電子工作を通じて養われたセンスが業務に役立つ
こともある。2000年代後半以降、オープンソース的な活動が盛んになり、ネットを通じて議論を行
ったり、設計図を公開したり、多様な部品を購入出来るようになり、全国的に広く電子工作が行わ
れるようになってきた。2014年頃からのIoTブームで、メーカーだけでなく、IT企業も電子工作に
注目するようになった。
電子回路には標準的なパターンがいくつもあり、自分で新しい回路を作る場合でも、それらの標準
回路のほんの一部を変えたり組み合わせたりするだけで大部分ができることは多い。よって、電子
工作で自由に設計するためには、既存の電子回路について知識として持っていることが大切であり
、それを知識として得るには、まずは他人が作った回路を真似して作って動かしてみることから始
まり、そうした製作を楽しんでいるうちに標準回路の知識が自分のものになり、やがて新たに自分
の回路を作る時に標準回路を基にして自分で考え出すことができるようになる。
なお、電気を使っているのに「電気工作」と呼ばれずに「電子工作」という言葉で呼ばれているの
は、以前、能動素子として真空管が用いられていた時代があったが、半導体素子が急速に進歩し圧
倒的に広がったという背景があり、それらの半導体素子というのは「電子の振る舞い」の研究成果
によって生まれた新たな素子だったからである。技術的な区分としても、能動素子が含まれる回路
は電子回路で、受動素子のみの回路は電気回路である。電子工作の場合、電子回路を扱う場合が殆
どである。
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