環太平洋大学 通信教育学部 2025年度 時事問題 第2課題 A評価レポートです。あくまで参考資料として活用ください。
現代社会において、「格差」は単なる経済問題にとどまらず、政治的・社会的な不安定要因として大きな関心を集めている。第6章「ポスト資本主義」では、資本主義社会が抱える格差拡大の構造とその弊害、さらに将来に向けた代替案としての資産課税やベーシックインカム、社会的共通資本の考え方が論じられている。本レポートでは、この章の内容を概観したうえで、私自身の考察として、ポスト資本主義における社会のあり方やその実現に必要な価値観の転換について論じたい。
まず、本章が明らかにしているのは、現代資本主義がもたらす深刻な「格差」の実態である。冒頭では、世界の富裕層上位8人の資産が、世界人口の下位半分に相当する約37億人の資産と同等であるという驚くべき事実が提示される。さらに、1988年から2011年にかけて下位10%の収入がほとんど増えていない一方で、上位1%の収入は182倍にも拡大しているというデータが、経済成長の果実が極めて偏ったかたちで分配されている現状を浮き彫りにしている。このような格差は、資産や所得にとどまらず、感染症拡大などの危機時にも露呈する。新型コロナウイルスの感染拡大時には、高所得者はリモ...