人体の構造と機能及び疾病

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    人体の構造と機能及び疾病
    「リハビリテーション医療について、包括的リハビリ、急性期リハビリ、回復期リハビリ、維持期リハビリ、地域リハビリについて差異が分かるように説明してください。」

    資料の原本内容

    人体の構造と機能及び疾病
    「リハビリテーション医療について、包括的リハビリ、急性期リハビリ、回復期リハビリ、維持期リハビリ、地域リハビリについて差異が分かるように説明してください。」
     リハビリテーションの理念としては、以下のようなものである。リハビリとは、病気や外傷による身体の機能障害などを有する人に対して、身体・精神・社会・職業・趣味・教育の諸側面の潜在能力や可能性を十分に発展させるような指導・訓練・環境設定を行い、機能回復・社会復帰を図ることである。身体をもとどおりにするための機能回復訓練だけではなく、身体の健全な部分を向上させたり、適切な道具を用いて実用面での能力を向上させたり、住宅の改造などによって生活環境を改善させたり、人的支援サービスを利用したりして、その人の人間らしく生きる権利を回復していくことである。
     リハビリテーションには4つの側面があり、それらは、医学的リハビリ・教育的リハビリ・職業的リハビリ・社会的リハビリである。これらのなかの医学的リハビリについて述べると、それは患者の心身機能の維持および向上を目的としたものである。疾病によって直接的に起こった一次障害の治療、二次障害や合併症の予防と治療、機能障害や能力低下の回復・維持、残存機能を最大限活用するための訓練など、医療分野のおけるものである。これは、急性期リハビリ、回復期リハビリ、維持期リハビリの3つのステージに分けられる。
     急性期リハビリは、種々の疾患による病状がなお変動している時期に開始されるものである。この時期は、生命に危険があるか、障害の進行・悪化が起こりうるため、疾患管理・リスク管理を十分に行いつつリハビリを行う必要が大きい。急性期リハビリは病院に入院して行われるものである。 かつては、病状がある程度安定してからリハビリを始めるという考え方が主流であったが、近年ではなるべく早期から行うほうが、廃用や合併症の予防・入院期間の短縮・日常生活動作自立度や社会復帰率の向上・施設入所率や死亡率の低下などに有効であると考えられている。
     回復期リハビリは、病気の比較的安定した時期に集中的に機能回復を目指す過程である。急性期を脱し在宅復帰を目指して行われる。さしせまった生命の危険から脱し、負荷量の増加が可能になり、ADLとQOLの改善が期待できる時期である。ここでは、リハビリ専門医の充実や、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、リハビリ看護師などによる機能訓練が重要である。より能動的な訓練が行える時期であり、多様なリハビリプログラムが行われる。医師による薬物的治療や神経ブロックなどもまた重要であり、チームアプローチによって行われるべきものである。回復期リハビリは、入院で行う入院回復期リハビリテーションと外来で行う外来回復期リハビリテーションの2種類がある。
     維持期リハビリは、退院後の家庭生活や社会生活において、回復期リハビリで回復した機能が衰えないように維持するためのものである。自宅や施設で日常生活をなるべく自分で行っていくことが、身体の機能・能力を維持することにつながり、廃用症候群の予防となる。また、積極的なリハビリにより、維持のみならず運動能力の向上も可能である。この時期には健康管理や自立生活の支援、介護の負担を軽くするため、地域リハビリテーションの一環として在宅や施設でいろいろなサービスが提供される。
     包括的リハビリとは、上記の急性期リハビリ、回復期リハビリ、維持期リハビリの3つをセットにして包括的なプログラムによって行われるものである。治療技術の進歩により、入院期間が短縮し、包括的なリハビリの必要性は近年増している。医療だけでなく,保健・福祉の社会資源をいかに利用するかが鍵になる。
     最後に、地域リハビリとは、患者やその家族が、安定した日常生活を送れるよう支援するのが目的とされるものである。彼らが地域社会でいきいきとした生活が送れるよう、医療・保健・福祉・生活にかかわる人々や組織がリハビリの立場から協力し合って行う活動である。全国に都道府県リハビリテーション支援センターと、地域リハビリテーション広域支援センターが存在し、地域リハビリテーション体制の整備が進められている。各地域では、先に述べたそれぞれのリハビリに関して、病院で行う急性期リハビリ、回復期リハビリ病棟の整備、医師による通所や訪問リハビリの整備、介護保険施設のリハビリの整備などが進められている。 住民が身近で受けられる地域リハビリが目指されているのである。

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