ジュゼッペ・マッツィーニの思想

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    資料紹介

    ジュゼッペ・マッツィーニの生涯の中で目指された改革目標は、祖国イタリアの再生であった。具体的には外国、教権の二重支配を打破し、独立、統一、市民的自由を具現する近代イタリア国家を形成しようとするものだった。その中には、人類アソシエーションの構想が含まれる。
    彼が生涯において書いた文書の中にはすでに達成された先進国の市民革命の思想的根拠である、啓蒙的・楽観的進歩主義に対抗する形をとりながら、独自の歴史主義をもって新たな時代の到来を告知しようとするマッツィーニ思想の特質が見られる。すなわち、古典的市民革命としてのフランス革命のスローガンに代表される権利の主張は、マッツィーニによって、新たなヨーロッパ世界を秩序づける道徳的原理としての義務の主張に覆いつくされる。さらに、19世紀を個人の時代の終わり、社会の時代の始まりと位置づけ、義務、社会的原理、使命の絶対的必要性を説いた。

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    ジュゼッペ・マッツィーニの生涯の中で目指された改革目標は、祖国イタリアの再生であった。具体的には外国、教権の二重支配を打破し、独立、統一、市民的自由を具現する近代イタリア国家を形成しようとするものだった。その中には、人類アソシエーションの構想が含まれる。
    彼が生涯において書いた文書の中にはすでに達成された先進国の市民革命の思想的根拠である、啓蒙的・楽観的進歩主義に対抗する形をとりながら、独自の歴史主義をもって新たな時代の到来を告知しようとするマッツィーニ思想の特質が見られる。すなわち、古典的市民革命としてのフランス革命のスローガンに代表される権利の主張は、マッツィーニによって、新たなヨーロッパ世界を秩序づける道徳的原理としての義務の主張に覆いつくされる。さらに、19世紀を個人の時代の終わり、社会の時代の始まりと位置づけ、義務、社会的原理、使命の絶対的必要性を説いた。その中で、中立の原理、連邦制の主張を、孤立の原理であって、人類を対立させ、自殺に導くものとして否定する。また、近代ヨーロッパ社会における生産力の発展を評価しながら、大多数の人民の貧困に着目し、アソシエーションの経済的基礎とし...

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