少年犯罪の問題点と少年法の厳罰化
はじめに
ここ7,8年の間に、凶悪な少年犯罪のニュースが新聞、TVで取り上げられ、様々な議論が交わされる中、少年法が改正された。そして現在でも、「厳罰化」を求める声はますます強くなっているように感じる。少なくとも私の考えでは、「厳罰化」が実行されたのはマスコミによって世間が騒がされ、世間の主張するところが実現されることになったからであるように思われる。だとすれば、世間の熱くなった感情によって法律が改正されたということになる。後になってこのような「厳罰化」によってどんな事態が起こりうるか、冷静で適切な考えを巡らした時、なんと取り返しのつかない愚かな判断を下したものか、と人々が絶望することは想像するに容易である。
このような事態を最小限にとどめるには、やはり世間を納得させるような意見を主張し、もう一度少年法の改正についての考えを見直すようにさせることが必要になってくるだろう。私の論文に世間を動かせるほどの影響力は、ないと言わざるをえない。しかしながら重要なことは、世間を納得させるほどの説得力のある考えを各々が主張することであろう。私はこのような考えから、少年非行がどのように形成されるかを述べていき、少年法をどういった方向性で改正していくべきかを考察していきたい。
1.少年犯罪の現状
多くの人々は、マスコミによって流される少年による凶悪犯罪のニュースから、少年犯罪の数が凄まじい勢いで増加していると信じている。しかし、少年による凶悪犯の検挙人数は、警察庁の統計を見ると、戦後昭和30年代を頂点として緩やかに減少し、弱冠の増減はあるが、近年も(少なくとも戦後日本や諸外国の中では)低い位置に留まっていると言って良い。ここ2,3年で増えてきてはいるが、全体で見れば著しい伸びかたではない。
少年犯罪の問題点と少年法の厳罰化
はじめに
ここ7,8年の間に、凶悪な少年犯罪のニュースが新聞、TVで取り上げられ、様々な議論が交わされる中、少年法が改正された。そして現在でも、「厳罰化」を求める声はますます強くなっているように感じる。少なくとも私の考えでは、「厳罰化」が実行されたのはマスコミによって世間が騒がされ、世間の主張するところが実現されることになったからであるように思われる。だとすれば、世間の熱くなった感情によって法律が改正されたということになる。後になってこのような「厳罰化」によってどんな事態が起こりうるか、冷静で適切な考えを巡らした時、なんと取り返しのつかない愚かな判断を下したものか、と人々が絶望することは想像するに容易である。
このような事態を最小限にとどめるには、やはり世間を納得させるような意見を主張し、もう一度少年法の改正についての考えを見直すようにさせることが必要になってくるだろう。私の論文に世間を動かせるほどの影響力は、ないと言わざるをえない。しかしながら重要なことは、世間を納得させるほどの説得力のある考えを各々が主張することであろう。私はこのような考えから、少..