新潟空港事件最高裁判決における法学的論点
1.事実の概要
運輸大臣Yは、1979年、日本航空に新潟―小松―ソウル間を路線とする定期航空運送事業免許を、また、全日本空輸に新潟―仙台間を路線とする定期航空運送事業免許を付与した。これに対し、新潟空港の周辺に居住し、騒音の被害を受けていたXらが、これらの免許処分の取消を求めて出訴した。
2.判旨(原告適格に関する部分)
「取消訴訟の原告適格について規定する行政事件訴訟法9条にいう当該処分の取消を求めるにつき『法律上の利益を有する者』とは、当該処分により事故の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであるが、当該処分を定めた行政法規が、不特定多数者の具体的利益をもっぱら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、かかる利益も右にいう法律上保護された利益に当たり、当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は、当該処分の取消訴訟における原告適格を有するということができる。」
「そして、当該行政法規が、不特定多数者の具体的利益をそれが帰属する個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むか否かは、当該行政法規及びそれと目的を共通する関連法規の関係規定によって形成される法体系の中において、当該処分の根拠規定が、当該処分を通して右のような個々人の個別的利益をも保護すべきものとして位置付けられているとみることができるかどうかによって決すべきである。」
新潟空港事件最高裁判決における法学的論点
1.事実の概要
運輸大臣Yは、1979年、日本航空に新潟―小松―ソウル間を路線とする定期航空運送事業免許を、また、全日本空輸に新潟―仙台間を路線とする定期航空運送事業免許を付与した。これに対し、新潟空港の周辺に居住し、騒音の被害を受けていたXらが、これらの免許処分の取消を求めて出訴した。
2.判旨(原告適格に関する部分)
「取消訴訟の原告適格について規定する行政事件訴訟法9条にいう当該処分の取消を求めるにつき『法律上の利益を有する者』とは、当該処分により事故の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであるが、当該処分を定めた行政法規が、不特定多数者の具体的利益をもっぱら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、かかる利益も右にいう法律上保護された利益に当たり、当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は、当該処分の取消訴訟における原告適格を有するということができる。」
「そして、当..