佛教大学通信課程の科目最終試験の解答案です。全6問収録しています。参考にしてください。
帝政成立までの古代ローマにおける政治の変遷について述べよ
→王政ローマの時代から貴族は「元老院」を構成し、王の助言機関あるいは執行機関をとして機能した。そこには、他国から一族郎党を引き連れて移民してきた者や、戦争で破った敵国の有力者も一族ごとローマに強制移住させ、代表者を元老院議員にすることで味方に取り込み勢力基盤とした。更には人口増加を拡大していき自国を防衛する兵士を維持することが、古代ローマ帝国の原動力となった。そして、奴隷や一時居住者以外のこれら自由市民はローマ市民として王の選出を含む国家の最高議決機関である民会で投票する権利を与えられた。
共和制初期には、執政官が元老院の意向で決められ、被選挙権が40歳以上に限定されていた。その後、ケルト人の南下等戦火がおこる中、戦争の主体である重装歩兵の政治的発言力が強まり、それを支えた平民が当時政治を独占していた門閥貴族に対して政治参加を要求する身分闘争がおこった。貴族は徐々に平民に譲歩し、平民の権利を擁護する(護民官)を設置し、十二表法で慣習法を明文化した。(前287年)のホルテンシウス法によって、平民会の決定が、元老院の承認を得ずに...