民間の貿易活動に政府が介入することについて

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    民間の貿易活動に政府が介入することについて
    さて、民間の貿易に関する問題としては、まず自由貿易体制について考えねばならない。異なる国民・異なる通貨を扱う国際貿易は、諸国間の生産可能性の多様性と、比較優位の原理による生産の特価・輸出入による費用逓減、嗜好の多様化の効果から生じる。そして比較優位の原理は、関税・数量割り当てのような経済的保護主義は世界全体の生産を低め、人々の実質的所得を減少させることになる。自由貿易によって最も人々の所得は高いものであり、最も望ましいとされるのが根本的な自由貿易の理論である。
    現実の世界を考えてみても、第2次世界大戦後のGATT(関税と貿易に関する一般協定、1948年発足、1995年WTO=世界貿易機関に改組)によっていわゆる自由貿易体制は作られた。GATT・WTO体制はより開かれた国際貿易システムを目指したものである。この体制は、戦前の教訓から生まれている。すなわち、1930年代に主要工業諸国は近隣の弱小国を自国経済の勢力圏に取り込み、支配・従属の関係を強制した。弱小諸国・地域を自国産業のための原料供給市場、自国製品の販売市場、資本輸出市場と位置づけ、広域経済勢力圏のもとでの一国自給自足主義を目指したが、その特徴は何よりも経済的排他主義(ブロック経済主義)であり、対外膨張主義にあった。その結果が勢力圏同士のぶつかり合いになって、さらに政治体制の対立もあいまって第2次世界大戦に結びついたのである。その結果、戦後経済的排他主義・国際貿易への国家介入を出来るだけ規制する枠組みが模索され、GATT・WTO体制が誕生したのである。

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    民間の貿易活動に政府が介入することについて
    さて、民間の貿易に関する問題としては、まず自由貿易体制について考えねばならない。異なる国民・異なる通貨を扱う国際貿易は、諸国間の生産可能性の多様性と、比較優位の原理による生産の特価・輸出入による費用逓減、嗜好の多様化の効果から生じる。そして比較優位の原理は、関税・数量割り当てのような経済的保護主義は世界全体の生産を低め、人々の実質的所得を減少させることになる。自由貿易によって最も人々の所得は高いものであり、最も望ましいとされるのが根本的な自由貿易の理論である。
    現実の世界を考えてみても、第2次世界大戦後のGATT(関税と貿易に関する一般協定、1948年発足、1995年WTO=世界貿易機関に改組)によっていわゆる自由貿易体制は作られた。GATT・WTO体制はより開かれた国際貿易システムを目指したものである。この体制は、戦前の教訓から生まれている。すなわち、1930年代に主要工業諸国は近隣の弱小国を自国経済の勢力圏に取り込み、支配・従属の関係を強制した。弱小諸国・地域を自国産業のための原料供給市場、自国製品の販売市場、資本輸出市場と位置づけ、広域...

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    理解しやすいものです。
    2006/07/29 15:07 (17年8ヶ月前)

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