論証:名目的取締役の責任

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    論証:名目的取締役の責任
    前提 名目的取締役とは、適法な選任決議はあるが、実際には取締役としての任務を遂行しなくてもよいという合意が会社との間でなされている取締役をいう。 問題提起 名目的取締役も「役員」(429条1項)にあたるところ、名目的にすぎない取締役が同条の責任を負うか明らかでなく問題となる。 理由 そもそも、株式会社の取締役は、会社に対し、代表取締役が行う業務執行の全般につき、これを監視し、必要があれば取締役会を通じて業務の執行が適正に行われるようにする職責があるというべきである。 結論 したがって、名目的取締役であっても取締役としての職責は免れ得ず、429条1項に定める責任を負うと考えるべきである。 修正 もっとも、名目的取締役において、①設立の際の員数合わせのために取締役なった場合、②報酬を一切受け取っていない場合、③取締役会が開催されたことがない場合、④ワンマン会社であった場合、⑤遠隔地に居住していて代表取締役の業務執行を容易に知ることはできなかった場合、⑥経営に関与したことがない場合等の事情が認められる場合には、任務懈怠につき悪意又は重過失があったとは認められないと考える。

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