饗宴―愛についての理論に関して―

閲覧数2,065
ダウンロード数4
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    「饗宴」についてのレポート

    ―愛についての理論に関して―

    ホメロスやヘオドシウスの神話を信ずる種類のアテナイ人の倫理的エロス観を代表するファイドロスは、エロスと名誉心との密接な関係を力説している。そして彼曰く、宇宙創造者としての神エロスは人間社会にも至深の影響を与えるという。エロスは人間を徳へ、美しき生活へ導くのである。そうして美しいものと名誉、すなわち同士の社会における名声との間には密接不離の関係がある。エロスが必然的に美と結合するとの説ならびにエロスは徳をもたらすとの説を唱えた。
     パゥサニヤスは、可能な限り神話を引用し、2種のエロスがあるという自説を説く。その2つとは、エロスには高貴なるものと万人向きの物とのがあるというものである。高貴なる真誠のエロスの目的とするところは精神的教養と徳とにおける愛人と愛人との間の相互的促進である。これに反して万人向きのエロスを歓迎するのは俗物のすることであって、彼らは心霊よりもむしろ肉体を愛するのである。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「饗宴」についてのレポート
    ―愛についての理論に関して―
    ホメロスやヘオドシウスの神話を信ずる種類のアテナイ人の倫理的エロス観を代表するファイドロスは、エロスと名誉心との密接な関係を力説している。そして彼曰く、宇宙創造者としての神エロスは人間社会にも至深の影響を与えるという。エロスは人間を徳へ、美しき生活へ導くのである。そうして美しいものと名誉、すなわち同士の社会における名声との間には密接不離の関係がある。エロスが必然的に美と結合するとの説ならびにエロスは徳をもたらすとの説を唱えた。
     パゥサニヤスは、可能な限り神話を引用し、2種のエロスがあるという自説を説く。その2つとは、エロスには高貴なるものと万人向きの物とのがあるというものである。高貴なる真誠のエロスの目的とするところは精神的教養と徳とにおける愛人と愛人との間の相互的促進である。これに反して万人向きのエロスを歓迎するのは俗物のすることであって、彼らは心霊よりもむしろ肉体を愛するのである。彼の賞賛するのは男性間の、特に青年に対する愛、しかも諸国家の風習中アテナイのそれのごとく、智と徳とを終局目的とするものだ。と、彼は説く。だがこの...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。