「感情労働」と「マニュアル化」に関する社会心理学的考察

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    現代社会の労働においては、従来の肉体労働、頭脳労働に加えて新たに「感情労働」なるものが出現し、サービス産業化が進む中であらゆる職種に広がり始めているという。「感情労働」とは、労働力商品として感情を表出したり制御したりすることが労働者に求められるもので、相手(=顧客)に合わせた高度な感情コントロールが必要とされる仕事をさす。その典型例としては客室乗務員や看護関係者、クレーム処理担当者などが挙げられる。そこでは、労働者は本来の感情を押し殺すことで、日常生活における感情表出が阻害(疎外)されている。「感情労働は賃金と引き替えに売られ、交換価値を有する。現代社会は、感情の商品化、すなわち感情の売買を組織的に、広範に推し進める社会であるという意味では過去に類をみない社会である。」(1)という。
     自分は、あるスーパーのレジうちのアルバイトに数ヶ月従事した経験があるが、今思えばそこで「感情労働」をある程度実体験していたようだ。具体的には、客からの度重なるクレームへの対応、「理不尽」な要求、来店者への作り笑いと愛想のよい「いらっしゃいませ」等といった言葉がけである。たしかに、当初は自分の感情を無理に...

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