自己の遺伝子を残そうとする動物の行動について

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    資料紹介

    適応度(Fittness)を高めるという原則
     これまで、動物(人間も含まれる)の行動原理について「種の保存」という原則が語られてきた。しかし自然界にはライオンやサルの一種に「子殺し」という行動が見られる。これは一頭の雄に複数の雌がつがいハレムを形成する種によく見られ、ハレムのボスである雄が外部から侵入した雄に排除された時、新しいボスである侵入者が、それまでのボスの子を殺すという行動である。これは「種の保存」の原則では説明できない行動である。
     これに関して動物行動学(エソロジー)では「動物は自己の遺伝子を残し、自己の適応度(Fittness)を高めるべく行動している」として説明している。この原則に従えば上記の「子殺し」の例も納得できる。同種の子供であるとはいえ、自身の遺伝子を受け継いでいない子は全くの”他人”であるということだ。
    アリやハチの例にも適応される適応度原則
     しかし、適応度原則ではこれまで「種の保存」の原則で説明されていたことが説明できなくなるように思われる。例えば「社会」を形成しているアリやハチである。アリやハチの「兵」や「ワーカー」に当たる個体は自身の遺伝子を残すことはせず(交尾はせず)ただ餌を集め、巣を守り、時には命を落とすという行動をとる。多くの子供を産み、巣の奥で守られている「女王」はいいにしても、これでは「兵」や「ワーカー」があまりにも報われないように思われる。

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    自己の遺伝子を残そうとする動物の行動について
    適応度(Fittness)を高めるという原則
    これまで、動物(人間も含まれる)の行動原理について「種の保存」という原則が語られてきた。しかし自然界にはライオンやサルの一種に「子殺し」という行動が見られる。これは一頭の雄に複数の雌がつがいハレムを形成する種によく見られ、ハレムのボスである雄が外部から侵入した雄に排除された時、新しいボスである侵入者が、それまでのボスの子を殺すという行動である。これは「種の保存」の原則では説明できない行動である。
    これに関して動物行動学(エソロジー)では「動物は自己の遺伝子を残し、自己の適応度(Fittness)を高める...

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