商業資本の本質と機能

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    商業資本の本質と機能
     商業資本の本質は商品資本であり、その本質的機能は商品資本の機能である。商業資本家は商品生産物を生産するのではなく、利潤の取得・実現を目的として商品を再販売するにすぎないのであり、商品を販売するためには、商品を買い取らなければならない。そして、需要家への商品販売によって商品資本は貨幣資本に転形しており、商品は市場から去り、もはや鉄鋼は商品資本としては存在することなく、いまやその買い手である他の産業資本家つまり自動車製造業者のもとで原材料として生産資本の形態で機能するのである。産業資本家から商業資本化への商品の販売は、『産業資本家自身』にとっては彼が直接に需要家。自動車製造業者に販売した場合と同じだ。さしあたり、商業資本家が販売活動をしているあいだ、産業資本家はつぎの商品を生産しているのである。かくして、『商品資本そのもの』について、社会的にみるかぎり、産業資本家から商業資本家への商品販売によっては、その商品の「所有者の人物変換」が生じたにすぐないのであって、商品資本の貨幣資本への転形はまだ完了していないのである。
    商業資本の自立性
     商業資本は産業資本の運動の一段...

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