社会福祉援助技術の内容、性格、領域、役割・機能と実践上それらがもつ統合的側面および相互関連性

閲覧数7,162
ダウンロード数20
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員4,950円 | 非会員5,940円

    資料紹介

    会福祉援助技術は、さまざまな方法レパートリーから統合化されて構成されており、①直接援助技術 ②間接援助技術 ③関連援助技術の3つに大別することができる。
    ①直接援助技術とは、対面性と個別性を特徴とする利用者自身への直接的な専門対人関係に基づく援助を指し「個別援助技術」「集団援助技術」という伝統的な援助技術から構成されている。
    「個別援助技術(ソーシャル・ケースワーク)」は利用者と援助者の人間関係が活動の基盤であり、信頼関係(ラポール)を構築することが不可欠である。その対象は、「個人または家族」であり、「彼らが自らの力では解決困難な状況」及び、それを「生み出している生活環境全般」である。これらの困難状況における生活ストレスを緩和するためには、個人と生活環境の相互関係に注目し、改善に向けて両者の接点に積極的に働きかけ、個人に対しては生活環境への適応が可能となることを目指し、パーソナリティの発達や安定を図り対処能力を高めていく。一方で、援助者は、生活環境の不利益の改善を図るために、地域社会のあらゆる資源を動員する。このように個別援助技術とは「パーソナリティの発達と促進」及び「能力に応じた生活」を目標に利用者へ働きかけることを第一とし「生活環境の改善」や「社会的抑圧や不平等の改良」をも視野に入れた活動である。実践原則としては、バイスティックの7原則があげられる。
    「集団援助技術(ソーシャル・グループワーク)」とは、複数の個人で構成されたグループ内での成員間の相互作用を活用して、個人の成長や問題の解決を促す援助技術の体系をいう。実践原則としては、個別化の原則、参加の原則、葛藤解決の原則、制限の原則等があげられる。
    また、グループにおける目的を達成するために活用される援助媒体としては、メンバーと援助者の対面的援助関係、メンバー間の相互作用、プグラム活動、社会資源の活用があげられる。「メンバー間の相互作用」と「プログラム活動」は、グループワークに固有の援助媒体であり「メンバー間の相互作用」はグループワークの中核的な援助媒体である。
    また、グループ内には複数の援助関係が存在しており、グループワークにおける援助関係は援助者とメンバーの関係だけではなくメンバー同士の関係も援助関係として捉える。  こうしたメンバー間の相互作用を援助媒体として活用することは、援助者との対面的関係では起こりえない問題解決の力動を生み出すと考えられている。また、この「メンバー間の相互作用」は、複雑な相互作用関係によって成り立つグループに生起する事象を実証的かつ学際的に明らかにする〔グループダイナミックス〕ことができる。また、「プログラム活動」とはグループでの共通体験の全過程のことであり、グループワークの援助過程はこのプログラム活動上で展開される。なお、プログラム活動はあくまでも問題解決のための手段でありのものがグループワークの目的ではないとされる。
    ②間接援助技術とは、地域福祉という地域ぐるみの支援体制づくり及び、社会福祉援助技術の促進や直接援助技術を有効に活用する方法のことで、「地域福祉援助技術」「社会福祉調査法」「社会福祉運営管理」「社会活動法」「社会福祉計画法」という5つの方法レパートリーからなり、利用者への直接援助と併用、または統合されて実践的効果を発揮する援助技術である。その中の地域援助技術(コミュニティワーク)は間接援助技術の中心的位置づけがなされている。
    「地域援助技術」は、地域社会の個人、集団の相互作用を増進させる方法であり、地域集団や住民に対する政策的事業、社会福祉運営管理、社会福祉計画法を

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    社会福祉援助技術は、さまざまな方法レパートリーから統合化されて構成されており、①直接援助技術 ②間接援助技術 ③関連援助技術の3つに大別することができる。

    ①直接援助技術とは、対面性と個別性を特徴とする利用者自身への直接的な専門対人関係に基づく援助を指し「個別援助技術」「集団援助技術」という伝統的な援助技術から構成されている。

    「個別援助技術(ソーシャル・ケースワーク)」は利用者と援助者の人間関係が活動の基盤であり、信頼関係(ラポール)を構築することが不可欠である。その対象は、「個人または家族」であり、彼らが自らの力で解決不可能となった「生活困難な状況」及び、それを生み出している生活環境全般である。これらの困難状況における生活ストレスを緩和するためには、個人と生活環境の相互関係に注目し、改善に向けて両者の接点に積極的に働きかけ、個人に対しては生活環境への適応が可能となることを目指し、パーソナリティの発達や安定を図り対処能力を高めていく。一方で、援助者は、生活環境の不利益の改善を図るために、地域社会のあらゆる資源を動員する。このように個別援助技術とは「パーソナリティの発達と促進」及び...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。