どのようなトレーニングを行うとどのような適応がおきて最大酸素摂取量が向上するのか

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    資料紹介

    『どのようなトレーニングを行うとどのような適応がおきて最大酸素摂取量が向上するのか』
    酸素は誰でも同じように吸い込むことはできますが、それを血液中にどれだけ取り込んだのかが大切です。一回の換気量(肺の大きさ)、呼吸数、ヘモグロビンの量などによって、同じように呼吸していても体内に摂取できる酸素量は大きく違ってきます。酸素がないと、十分なエネルギーは発生しません。酸素の摂取量を増やすためにはどのようなことをしたらよいでしょうか。例えば、「ヘモグロビン」は体内に酸素を運搬する大切な役割を果たしていますが、量を増やすどころか正常値に保つことすらなかなか難しいものです。ヘモグロビンの量を増やすためのトレーニングとして高地でのトレーニングが知られています。高地民族は、低地民族よりヘモグロビンの量が多いことが分かっています。酸素の薄い過酷な環境下で活動するためにヘモグロビンの量を増やして”適応”したのです。この人間の体の”適応”を利用したトレーニングです。
    また、有酸素運動をすることでも心肺機能の向上という適応、つまり体中に酸素を供給するために心臓の働きが活発になり、心筋も発達して血液が酸素を運ぶ力の心拍出量が増加し、運動適応できるように呼吸循環器系、肺の働きである二酸化炭素と酸素のガス交換効率が活発になるという適応がおこります。これは最大酸素摂取量(VO2max)(*1)が増加して酸素が効率よく取り込まれるということを意味しており、心肺機能の向上が最大酸素摂取量の増加にとって重要だということがわかります。
    それでは、どのような有酸素運動をどれくらいの強度で行えば 心肺機能の向上に繋がるのでしょうか?
    有酸素運動の例としてはウォーキング、ジョギング、ランニング、テニス、エアロビクスなどがあげられます。この運動強度は50~80%が効果的だと考えられます。(*2、*3参照)また、筋持久力を高める運動や、インターバル・トレーニングや持続トレーニングといった全身持久力のトレーニング運動にも心肺機能の向上が期待できます。
    筋持久力を高めるには最大筋力の60%以下の負荷をかけ、できるだけ回数を多く反復して、筋力が力を発揮している時間をできるだけ長く保つと、高いトレーニング効果が得られるようです。  バーベルやダンベルを用いる場合、連続して20回以上の反復が可能な負荷を用いて、軽快なテンポでリズミカルに行うと効果的です。道具がそろっていなくとも、低鉄棒での斜懸垂や腕立て伏せ、上体そらしによる腹筋運動なども、筋持久力を高めるには格好のエクササイズです。トレーニングを継続していくと、筋組織の毛細血管が飛躍的に増加していきます。  この段階まで達すると、筋組織にさらに多くの酸素が取り込まれ、運動の継続に必要不可欠なエネルギーがより多く生み出されて、筋持久力が高まっていきます。
    全身持久力を効率よく高めるには、最大酸素摂取量の40%以上の強度で運動することがのぞまれます。実際は、強度と時間との組合せによるプログラムをもとにトレーニングを行います。運動強度の設定は、心拍数から推定することができますが、およそ120~150/分程度の心拍数が最大酸素摂取量の50%前後の運動強度といえるでしょう。  持続トレーニングは、心拍数120~150/分程度の運動強度を保ちながら、20~30分の間、運動を持続させるトレーニングです。  インターバル・トレーニングは、運動と不完全休息を交互に繰り返すトレーニングです。急走期の心拍数を180/分程度まで高め、緩走期に120/分程度まで落とし、これを繰り返

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    『どのようなトレーニングを行うとどのような適応がおきて最大酸素摂取量が向上するのか』
    酸素は誰でも同じように吸い込むことはできますが、それを血液中にどれだけ取り込んだのかが大切です。一回の換気量(肺の大きさ)、呼吸数、ヘモグロビンの量などによって、同じように呼吸していても体内に摂取できる酸素量は大きく違ってきます。酸素がないと、十分なエネルギーは発生しません。酸素の摂取量を増やすためにはどのようなことをしたらよいでしょうか。例えば、「ヘモグロビン」は体内に酸素を運搬する大切な役割を果たしていますが、量を増やすどころか正常値に保つことすらなかなか難しいものです。ヘモグロビンの量を増やすためのトレーニングとして高地でのトレーニングが知られています。高地民族は、低地民族よりヘモグロビンの量が多いことが分かっています。酸素の薄い過酷な環境下で活動するためにヘモグロビンの量を増やして”適応”したのです。この人間の体の”適応”を利用したトレーニングです。
    また、有酸素運動をすることでも心肺機能の向上という適応、つまり体中に酸素を供給するために心臓の働きが活発になり、心筋も発達して血液が酸素を運ぶ力...

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