障害者雇用の現状と課題について

閲覧数5,963
ダウンロード数32
履歴確認

    • ページ数 : 8ページ
    • 会員1,320円 | 非会員1,584円

    資料紹介

    「障害者雇用の現状と課題について述べよ。」
     障害者が社会的に自立していくためには、その能力を生かして収入を得ること、すなわち、経済的自立に向けた営みが不可欠と言える。もちろん、個人の能力は、その障害の種類・程度によってさまざまであり、すべてのその他、経済的自立を図るための支援制度の整備もまた不可欠である。
     本レポートでは、こうした障害者の経済的自立に向けられた諸活動の1つとして、「就業」、すなわち、何らかの「仕事」に就いて、賃金などの収入を得るという営みに注目し、その現状と課題について述べる。
    1.障害者雇用の現状
     障害者の就労形態は、大きく「一般雇用」と「福祉的就労」に分類され、わが国では一般に、企業への就職や公務員として働く「雇用」と、自営とを合わせて「一般雇用就労」と総称する。
    一般雇用
     我が国における障害者雇用施策の基本となる法律は1960年に制定された身体障害者雇用促進法である。同法は1987年に「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」に改称された。以下、一般就労に関する制度について述べる。
    法定雇用率制度
     法定雇用率制度とは、公的機関や民間企業における雇用機会を拡大するために、法律によって労働者のうち一定割合以上が障害者でなければならないと定め、事業主に障害者の雇用を義務付ける方法である。
     法定雇用率は、働く意思と能力を持つ人について、その全体数と身体障害者及び知的障害者の数の比率をもとにして割り出され、5る。1998年7月から施行されている法定雇用率は、公的機関については、国・地方公共団体及び特殊法人2.1%、都道府県等の教育委員会2.0%、民間企業については1.8%とされており、2006年6月1日時点で用率は平均で1.52%、公的機関の実雇用率は2.17~2.37%である(従業員56名以上の企業や公的機関の雇用状況)。
    ②納付金及び助成金制度
     障害者の法定雇用率未達成の事業主は、法律上雇用しなければならない障害者数とすでに雇用している障害者数の差の人数について納付金(不足分1人につき月額5万円)が徴収される。ただし、現在のところ常用労働者数が300人以下の事業主は納付金を免除されている。
     一方、法定雇用率を上回って障害者を雇用している事業主に対しては、その上回っている害者の人数に応じて障害者雇用調整金(ま用するにあたって必要となる施設・設備の改善・訓練あるいは職場介助者の配置などの経費に対し、納付金制度に基づく各種の助成が行われる。
    ③職業リハビリテーション
     障害者が一般労働市場でその職業能力を十分に発揮できるようにするためには、障害の種類や程度、並びに希望、適正、職業経験などの条件に応じた職業指導、職業訓練、職業紹介などの職業リハビリテーション・サービスを提供する必要がある。
    障害者職業センター、職業能力開発促進法に基づく障害者職業能力開発校、納付金制度に基づく障害者能力開発助成金を受けて設置運営されている能力開発訓練施設などがある。それらに加え、社会福祉法人等を活用して多様な委託訓練や、事業主に障害者雇用のきっかけを提供するとともに、障害者に実践的な能力を取得させて常用雇用へ移行するため、短期間(原則として3ヶ月)の試行雇用などがある。
    福祉的就労
     福祉的就労とは、障害のために企業などで雇用されない人たちに福祉の観点から働く場を提供する福祉サービスのひとつ害者授産施設(入所)、知的障害者授産施設(通所)、知的障害者小規模授産施設、知的障害者福祉工場、精神障害者入所授産施設、精神障害者通所授産

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「障害者雇用の現状と課題について述べよ。」
     障害者が社会的に自立していくためには、その能力を生かして収入を得ること、すなわち、経済的自立に向けた営みが不可欠と言える。もちろん、個人の能力は、その障害の種類・程度によってさまざまであり、すべての障害者がこうした営みが可能なわけではない。したがって、年金その他、経済的自立を図るための支援制度の整備もまた不可欠である。

     本レポートでは、こうした障害者の経済的自立に向けられた諸活動の1つとして、「就業」、すなわち、何らかの「仕事」に就いて、賃金などの収入を得るという営みに注目し、その現状と課題について述べる。

    1.障害者雇用の現状

     障害者の就労形態は、大きく「一般雇用」と「福祉的就労」に分類され、わが国では一般に、企業への就職や公務員として働く「雇用」と、自営とを合わせて「一般雇用」と呼ぶ。また、これまでの授産施設や作業所など、特に障害者のために設けられた場で働くことを「福祉的就労」と総称する。

    一般雇用

     我が国における障害者雇用施策の基本となる法律は1960年に制定された身体障害者雇用促進法である。同法は1987年に「障害者...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。