バイステックの7原則とその適応例

閲覧数22,889
ダウンロード数67
履歴確認

    • ページ数 : 7ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    バイステックの7原則とは、ケースワークの原則であり、クライエントとより良い援助関係を構築するための指針である。
    以下にこれら7つの原則を説明すると共に、それぞれを介護支援専門員等の行う支援に当てはめて考えてみる。
    (1)個別化の原則
    利用者の抱える問題は、その人によって唯一無二の個別的なもので、援助者は利用者の問題状況に応じて個別的な対応をすることが必要となる。例えば、このことを把握していないと介護サービスを行う上で、その提供方法が定型化し、個人としてより、タイプ別に相手を考える視点で支援パターンを決定してしまう恐れがある。その結果、相手にあった支援が行えなくなってしまう。
    (2)自己決定の原則
    問題解決の主体や自らの行動を決定するのはクライエントであるとする考え方である。問題解決の方策についてメリットとデメリットを検討し、自己決定に至る過程を一緒に辿る中で、様々な選択肢を用意する等して自己決定の条件整備を行うと共に、クライエントの成長と今後起こりうる同様のケースにおけるクライエント自身での解決を目指す。仮にこの原則が無視されれば、利用者や家族は自ら問題解決に主体的に取り組む姿勢を失ってしまう。ここで言う自己決定とは、ただ単に利用者や家族の意向のみで介護サービスを決定するという意味ではなく、課題やニーズに対するサービスが、どこにどのようなものがあるのかという情報自体が利用者や家族には少ないことを意識し、介護支援専門員がその利用効果や状況変化の予測等を専門家として判断及び説明したうえで、利用者が最終的に判断することである。その違いを理解しなければ、介護支援を行う際に単なる自己作成代行型のケアプランとなってしまう。
    (3)受容の原則
    利用者の表面的な態度の原因である考え方や事情に道徳的批判を加えず受け入れることが援助の入り口となる。決して逸脱した行為に対して同調し許容するということではなく、受けとめる際に、そういった行動を現実の一部として認識し理解することである。援助者が利用者を受けとめることにより、利用者は援助者を信頼し、自由に意見や感情を出せるようになり、信頼関係を培う基礎となる。仮にこういった利用者の現実を受容できないと、利用者の信頼を得られずに、逆に非現実的な状況となり、利用者の本音や真の姿を理解すること自体が困難となってしまう。
    (4)非審判的態度
    援助者は法や道徳の審判者ではなく、あくまでも利用者の理解者であって、自己決定の原則を貫徹させる為にも自らの価値観で利用者や家族を評価してはいけない。援助者は、利用者の「行為」そのものには客観的に評価・判断を加えるが、利用者自身については審判することなく受け入れて理解する必要がある。もし、この原則が実践されず、利用者が援助者から審判される恐れを感じてしまうと否定的な感情を含め自身のもっている感情等を自由に表現することができず問題解決に結びつかなくなってしまう。
    (5)秘密保持の原則
    援助者は利用者の人間生活そのものに密接に接触し、利用者のプライバシーや家族に関する情報を見聞きすることになるため、利用者から信頼を得るには援助関係の中で利用者が語った事柄等を秘密として守る又守られるようにする必要がある。ケアマネジメントにおいては、他の機関等に個人の情報を伝達し共有することによって適切なサービスを提供することが可能となるわけで、信頼される情報管理は重要となる。また、このことが保証されることにより、利用者の安心感や信頼関係の形成に繋がり、意図的な感情表出や利用者からの正確な情報の引き出しが可能となってくる

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    バイステックの7原則とは、ケースワークの原則であり、クライエントとより良い援助関係を構築するための指針である。
    以下にこれら7つの原則を説明すると共に、それぞれを介護支援専門員等の行う支援に当てはめて考えてみる。
    (1)個別化の原則
    利用者の抱える問題は、その人によって唯一無二の個別的なもので、援助者は利用者の問題状況に応じて個別的な対応をすることが必要となる。例えば、このことを把握していないと介護サービスを行う上で、その提供方法が定型化し、個人としてより、タイプ別に相手を考える視点で支援パターンを決定してしまう恐れがある。その結果、相手にあった支援が行えなくなってしまう。
    (2)自己決定の原則
    問題解決の主体や自らの行動を決定するのはクライエントであるとする考え方である。問題解決の方策についてメリットとデメリットを検討し、自己決定に至る過程を一緒に辿る中で、様々な選択肢を用意する等して自己決定の条件整備を行うと共に、クライエントの成長と今後起こりうる同様のケースにおけるクライエント自身での解決を目指す。仮にこの原則が無視されれば、利用者や家族は自ら問題解決に主体的に取り組む姿勢を失っ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。