ビジネスプランの作り方

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    ビジネスプランの作り方
    -もっとも簡単・初歩のビジネスプラン
    はじめに-何の為にビジネスプランを作成するのか
    ▼何の為にビジネスプランを作成するのか
    多くの起業家にとってビジネスプランを書くことは、面白い作業ではありません。必ず
    しも全ての起業家がプランニング、文書作成に習熟している訳でなく、また目前に処理し
    なければならないことが山積していて、ゆっくり計画など作っていられないと言う人も少
    なくありません。しかし、この作業はこれから実践しようとする自分の事業をより深く理
    解し計画の熟度を上げ、内外の理解を得て資金や協力を取り付けるためにはぜひ必要な作
    業です。ビジネスプランなく起業する人は海図なく航海に出港する船と同じで他人を乗船
    させたり航海に必要な資金を投資してもらうことはできず、リスクを完全に自分で負う-
    必要な資金は自己資金か担保付融資で賄うことが必要です。ビジネスプランを書くという
    行為自体が、成功可能性の拡大効果をもたらす重要なステップでもあります。
    ▼ビジネスプランは売り込み用書類
    ビジネスプランには、単に製品やサービスの概要と収支自論見のみを書けばいいというわ
    けではありません。どのように事業を発展させていくかというビジョンとそれが可能とな
    る技術力や経営者の資質、市場の規模、成長率や競合他社の参入可能性など市場展望を記
    載し、併せて自分自身の事業に対する情熱を明確に伝えられるものでなければなりません。
    要は魅力ある事業であることを伝えるための「売り込み用書類」なのだということを銘記し
    てください。そしてその「売り込み用書類」は、自他共に納得するような説得性を持ってい
    なくてはならないのです。
    ▼ビジネスプランは内容凝縮型で
    資金提供先の意思決定者たち(エンジェルやベンチャーキャピタリストなど)は事業計
    画書のすべてに目を通すことはないと考えておいたほうがいいでしょう。そのためいかに
    簡潔明瞭に表現するかが重要になってきます。ポイントとなるのは、熟慮を重ねたプラン
    であるか、整合性はとれているか、成功への確実な道のり、しくみが盛り込まれているか、
    現在や将来のリスクが加味されたものであるか、といったことです。複数のビジネスプラ
    ンを見比べている投資家には(事業の有望性、技術の素晴らしさはわからなくても)どれ
    だけのパワーがビジネスプランに注入されているかは一目でわかります。それが起業家に
    とって最初の関門です。根拠のない計画、十分に練られていない計画は資金提供者を納得
    させることは出来ません。
    また事業が 100%計画通りに進むわけではなく、予想しなかった様々な事態の発生によっ
    て常に変更が生じます。その際、どう対処し見直しを図っていくか、様々な事態を想定し、
    逐時環境変化に対応してプランを練り直して下さい。
    ▼ビジネスプランを書くコツ
    具体的なビジネスプランの書式や書き方は次章以下をご覧下さい。作成するコツとして
    は次のことを留意して下さい。
    ① 自分一人でなく共同経営者や部下からできるだけ多くの意見・アイデアを提出させる。
    ② 知識と経験を持ち率直な意見を述べてくれる支援者の意見を入れながら作成する。
    ③ 何度も書き直す。一度で完璧なプランはできません。2~3度は書き直すことを覚悟し
    て取りかかって下さい。
    ④ いったん書いたら、2,3日放置しておき、その後見直しを行うという作業を繰り返す。
    ⑤ 他社の例を集める。類似分野の先行事例、特に失敗例は多くの教訓を示唆してくれます。
    ⑥ 自分が投資家

    資料の原本内容

    ビジネスプランの作り方
    -もっとも簡単・初歩のビジネスプラン
    はじめに-何の為にビジネスプランを作成するのか
    ▼何の為にビジネスプランを作成するのか
    多くの起業家にとってビジネスプランを書くことは、面白い作業ではありません。必ず
    しも全ての起業家がプランニング、文書作成に習熟している訳でなく、また目前に処理し
    なければならないことが山積していて、ゆっくり計画など作っていられないと言う人も少
    なくありません。しかし、この作業はこれから実践しようとする自分の事業をより深く理
    解し計画の熟度を上げ、内外の理解を得て資金や協力を取り付けるためにはぜひ必要な作
    業です。ビジネスプランなく起業する人は海図なく航海に出港する船と同じで他人を乗船
    させたり航海に必要な資金を投資してもらうことはできず、リスクを完全に自分で負う-
    必要な資金は自己資金か担保付融資で賄うことが必要です。ビジネスプランを書くという
    行為自体が、成功可能性の拡大効果をもたらす重要なステップでもあります。
    ▼ビジネスプランは売り込み用書類
    ビジネスプランには、単に製品やサービスの概要と収支自論見のみを書けばいいというわ
    けではありません。どのように事業を発展させていくかというビジョンとそれが可能とな
    る技術力や経営者の資質、市場の規模、成長率や競合他社の参入可能性など市場展望を記
    載し、併せて自分自身の事業に対する情熱を明確に伝えられるものでなければなりません。
    要は魅力ある事業であることを伝えるための「売り込み用書類」なのだということを銘記し
    てください。そしてその「売り込み用書類」は、自他共に納得するような説得性を持ってい
    なくてはならないのです。
    ▼ビジネスプランは内容凝縮型で
    資金提供先の意思決定者たち(エンジェルやベンチャーキャピタリストなど)は事業計
    画書のすべてに目を通すことはないと考えておいたほうがいいでしょう。そのためいかに
    簡潔明瞭に表現するかが重要になってきます。ポイントとなるのは、熟慮を重ねたプラン
    であるか、整合性はとれているか、成功への確実な道のり、しくみが盛り込まれているか、
    現在や将来のリスクが加味されたものであるか、といったことです。複数のビジネスプラ
    ンを見比べている投資家には(事業の有望性、技術の素晴らしさはわからなくても)どれ
    だけのパワーがビジネスプランに注入されているかは一目でわかります。それが起業家に
    とって最初の関門です。根拠のない計画、十分に練られていない計画は資金提供者を納得
    させることは出来ません。
    また事業が 100%計画通りに進むわけではなく、予想しなかった様々な事態の発生によっ
    て常に変更が生じます。その際、どう対処し見直しを図っていくか、様々な事態を想定し、
    逐時環境変化に対応してプランを練り直して下さい。
    ▼ビジネスプランを書くコツ
    具体的なビジネスプランの書式や書き方は次章以下をご覧下さい。作成するコツとして
    は次のことを留意して下さい。
    ① 自分一人でなく共同経営者や部下からできるだけ多くの意見・アイデアを提出させる。
    ② 知識と経験を持ち率直な意見を述べてくれる支援者の意見を入れながら作成する。
    ③ 何度も書き直す。一度で完璧なプランはできません。2~3度は書き直すことを覚悟し
    て取りかかって下さい。
    ④ いったん書いたら、2,3日放置しておき、その後見直しを行うという作業を繰り返す。
    ⑤ 他社の例を集める。類似分野の先行事例、特に失敗例は多くの教訓を示唆してくれます。
    ⑥ 自分が投資家になったつもりで事業に投資したいかどうか考える。自分で投資する価値
    がないと思うなら他人が投資するわけがありません。また自分が投資家の立場になった
    時にどういう点に魅力を感じ、どういう点が不安かを考えて下さい。
    ▼ビジネスプラン作成の構成と流れ
    ビジネスのアイデアは、以下の順序でプラン化していきます。その上で最終的にビジネ
    スプランに落とし込んで下さい。
    ①事業目的・起業の理念を明確にする。最終ゴール(EXIT戦略)を設定する。
    ②保有技術や事業の背景を分析する。特に技術・サービスの差別化に注力。
    ⑦ビジネスパートナーを想定・交渉し、事業のスピード化・リスク軽減を図る。
    ⑤先行事例、競合他社等について整理し、強み・弱みを分析する。[成功要因分析]
    ③ビジネスモデルを策定する。第三者にも理解できる複雑でない
    .....
    モデルが必要。
    ④市場をターゲッティング。マクロ情報(白書等)とミクロ情報(生のユーザーの意見等)
    の両面から市場ニーズを炙り出す。[市場性分析]
    ⑥さまざまな環境変化を想定し、リスクを分析する。[撤退基準設定]
    ⑧事業採算シミュレーションを繰り返す。
    1. エグゼクティブ・サマリー
    ▼エグゼクティブサマリーはビジネスプランの集大成
    エグゼグティブ・サマリーの部分は単なるイントロダクションではなくビジネスプラン全体の集
    大成です。この部分はビジネスプランを手にする人が最初に見るところであり、印象を決
    定付ける部分でもあるため、エグゼクティブ・サマリーが投資等の成否をほとんど決する
    と言っても過言ではありません。よってエグゼグティブ・サマリーはビジネスプランをよ
    り深く検討してもらうために、経営理念、事業概要、事業戦略について、簡潔かつ要点を抑
    えた説明を行うとともに「読み手を引き付ける」ものでなければなりません。最低限の量
    で、最大限のインパクトをいかに与えるかといったPR効果も十二分に考慮に入れなけれ
    ばなりません。事業へのビジョンや将来性を、投資家や支援者に理解してもらい、興味を
    引くものでない限り、それ以降の詳細な事業設計も意味がなくなってしまいます。そのた
    めにも新事業のリーダ自身がこれらを明確に信じ込めるまで作り込んでください。
    エグゼクティブ・サマリーには、以下の三つの事項を簡潔に記して下さい。
    ・ 経営理念
    ・ 事業概要(商品・サービス概要)
    ・ 事業目標
    ▼経営理念
    ニューベンチャーが活躍する新事業領域では、ビジョンが企業イメージや事業展開の方
    向性および組織風土を大きく左右し、企業活力と競争力の源泉となっています。ベンチャー
    企業から大企業に成長した企業の大半は間違いなくしっかりしたビジョンを持っています。
    ここで示されるべき事項としては、主に事業の将来像、経営上の哲学、行動指針などがあり
    ますが、細かに書く必要はなく、ポイントが明記されていればかまいません。
    ・ どのような将来像を描いているのか
    ・ どのような経営理念を持っているのか
    ・ 事業を通して実現したいことは何か
    ・ 株主、顧客、従業員に対してどのように貢献するか などです。
    ▼事業概要
    ここでは一目でビジネスモデル・事業コンセプトが理解でき、イメージが伝わるように、簡
    潔明瞭に述べてください。わかりやすく図示することも効果的です。また、どのように収
    益を上げていくのか、売上・経費の発生構造を明記することも重要な要素です。あまり複雑
    な事業スキームは評価・評判がよくありません。十分にビジネスモデルが練りこまれてい
    ない為に枝葉の事業までが複雑に絡み合っていることが少なくないからです。
    ▼事業目標
    この部分は理念と重なるところもありますが、売上や利益の目論見、株式公開の目標時期
    等の数値的な目標および事業ドメイン、事業展開、業界におけるポジショニングや組織風土
    等の質的目標を明示して、投資家等に事業がいかに成長性の高いものか、またこの事業へ
    の投資が有望であるかを印象付けます。数量的目標の提示はその事業の拡大規模、収益性
    およびスピード判断するために不可欠なもので、質的目標の提示は、競争優位性および事業
    継続性のある企業に発展するかどうかを見極める上で重要な指標となります。
    具体的な記述内容としては、3 つくらいの視点があげられます。しかし、どのような目標・
    ビジョンを掲げるにしても表現された内容が首尾一貫したものでなければならないという
    ことに注意して下さい。
    (1)外から評価できる指標を用いて表現
    市場でのポジションや競合他社との対比、達成数値目標
    例:売上〇億円、単年黒字化○年目、累損解消○年目
    (2)事業運営の将来の姿を記述
    例:一人あたり付加価値が最高、研究者一人あたりの特許件数が最多、独自の経営ス
    タイル・新手法、業界のリーダー、顧客支持率ナンバーワンなど
    (3)組織と人間関係の観点から表現
    例:日本一やりがいのある会社、自由に仕事ができる会社、
    チームワークがどこよりもよい、従業員の満足度が業界一高いなど
    (4)出口戦略を具体的に表現
    例:株式公開○年目、企業売却など
    2. 経営陣
    ▼経営陣の記述の意味
    スタートアップ期の会社にとって最も重要な要素の一つは「事業自体の将来性」、もう一
    つは「経営者自身の資質」です。「技術は一流」なのに「経営は二流」という会社に将来性
    はありません。資金提供者は、経営陣が「経営者としての資質を兼ね備えているか」につ
    いて「事業自体の将来性」の項目と同じくらい注目します。このことは、設立間もない企
    業が失敗する原因の98%が経営陣の脆弱さに原因があるという研究報告結果を見ても、
    その重要性がわかるでしょう。実力のある経営陣を有していれば、事業が軌道に乗る可能
    性は飛躍的に高まります。このためプロの投資家は、製品は並であってもトップクラスの
    人材を有する企業に投資することを好むのです。シュンペー...

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