世説新語と日本文学

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    資料紹介

    1.『世説新語』について
    『世説新語』に出てくる人々のエピソードは、人の好いところも悪いところも、簡潔におもしろく描かれている。篇目は三十六部門もあり、現存完本でなければ三九篇目あったともされるのは驚きである。『続世説新書』『明世説』『漢世説』『世説補』『今世説』などの続書も著さたことから、たくさんの人に受け入れられ、大きな影響を与えたということがうかがえる。

    2.『世説新語』と日本文学
     『世説新語』は、中国だけにとどまらず、日本文学にも多大な影響をもたらした。部屋の中と外で都が近いか太陽が近いかを言い分けた、夙恵篇十二の明帝の逸話が、『今昔物語集』と『宇治拾遺物語』、また『枕草子』までもに引用されていることは、とても興味を持った。

    3.『世説新語』を学んで
     すごく長期に渡り、日本に影響を及ぼし続けた『世説新語』の大きさ、描く領域の広さを知った。そのエピソードのひとつひとつに、この時代の人々が生きているように描かれて、話のひとつひとつが淡々と語られ、リズム良く展開するから漫画になっても面白い。
    その人々の間の会話は古いと感じさせることなく、すごく機知に富んで感心させられる物であり、今読んでも驚きと感心の気持ちを感じる。そんな生きている文章が、たくさんの作品に引用される契機になり、いろんな語源となっていったのだろう。

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    1.『世説新語』について
     『世説新語』に出てくる人々のエピソードは、人の好いところも悪いところも、簡潔におもしろく描かれている。篇目は三十六部門もあり、現存完本でなければ三九篇目あったともされるのは驚きである。『続世説新書』『明世説』『漢世説』『世説補』『今世説』などの続書も著さたことから、たくさんの人に受け入れられ、大きな影響を与えたということがうかがえる。
     この『世説新語』の話は歴史上有名な人物を集めた志人小説であり、これが生まれた六朝期には小説がフィクションとされず、妖怪や幽霊の登場する志怪小説も、事実の珍しい一部としてとらえられていたらしい。フィクションとしての小説ではなく、あくまでも個人を描く小説とされていたというのが興味深い。小説が全てにおいて駄目とされた時代から、このフィクションとしてではない小説は多くの人に求められていたのかもしれない。何より、おもしろく、人の心をつかむものとして小説は恐れられていたのだろう。『世説新語』には人の興味・関心をつかみ、人をひきこむ話がたくさんある。
    2.『世説新語』と日本文学
     『世説新語』は、中国だけにとどまらず、日本文学にも多大な影...

    コメント1件

    jiliying 購入
    これから世説新語について研究しようと思って、ちょうどよかった
    2006/10/24 13:54 (17年5ヶ月前)

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