国際紛争と法:シラバス

閲覧数3,483
ダウンロード数27
履歴確認

    • ページ数 : 16ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    2006 年度後期 神戸大学法学部 国際紛争と法
    神戸大学法学部 2006 年度後期
    国際紛争と法 シラバス
    教授 濵本正太郎
    shotaro@kobe-u.ac.jp
    講義目標
    中央機関による強制執行の存在しない国際法体系において、紛争処理のために法はど
    のような役割を果たしているのか、いないのか。一見する限り法はなんの役にも立ちそ
    うにない国際紛争過程を法の観点から検討することにより、「法」について、また、国
    講義内容
    ま ず 、「紛争の平和的処理」に関する国際法規則・制度を概観する。強制管轄権を持
    つ裁判所も強制執行機関もない国際法は、紛争が生じた場合にどのような処理手続・制
    度を有しているか。紛争処理制度の歴史的展開――これは戦争の法的規制と不可分であ
    続いて、その体系的理解を基に、紛争処理に関する国際法規範が実際にどのような働
    きをするのかについて、3 つの事例を通じて考える。「現場」での国際法の使われ方を
    見ることにより、「体系的」学習だけでは得られない深い理解を得ることを目的とする。
    論を構築するか。それを考えることがここでの内容である。
    教材
    必携2点
    ・ 条約集 1 点 以下のいずれでもよい。
    ・ 『解説条約集』(三省堂)
    ・ 『国際条約集』(有斐閣)
    ・ 『ベーシック条約集』(東信堂)
    ・教科書 1 点 既に持っているものでよい。持っていない受講生には、以下のいずれ
    かを薦める。
    ・松井芳郎ほか『国際法 第 4 版』(有斐閣 Sシリーズ、2002 年)
    第 3 版』(有斐閣、2003 年)
    ・中谷和弘ほか『国際法』 (有斐閣アルマ、2006 年)
    1
    2006 年度後期 神戸大学法学部 国際紛争と法
    この講義は、既に「国際法概論」および/あるいは「国際機構法」を履修した
    学生を念頭に置いて行われる。毎回の講義の予復習範囲に教科書は含めないが、
    教科書の関連する範囲は毎回十分に読み込んでくること。
    参考書1点
    松井芳郎ほか『判例国際法』(東信堂、第 2 版、2006 年)を予復習に用いることを強
    く薦める。
    自習用図書
    参考書(『判例国際法』)のほか、以下の 3 冊は、本講義全般に関わるものである。「講
    義予定」の参考文献にはいちいち挙げない。常に参照していただきたい。
    ・国際紛争処理制度の歴史的展開を学ぶ
    田岡良一『国際法 III 新版』(有斐閣、1974 年)
    ・国際司法裁判所の詳細を学ぶ
    杉原高嶺『国際司法裁判制度』(有斐閣、 1996 年)
    ・判例集
    山本草二他『国際法判例百選』(有斐閣、 2001 年)
    参考文献・資料
    以下の「講義予定」参照
    関連資料・情報は随時濵本ホームページ(上記)に掲載する。
    自分でさらに文献を調べたい場合
    ・「法学部生のための文献資料の探し方」
    ←法学部 HP(http://www.law.kobe-u.ac.jp/)の「研究学習資源」
    インターネットでの資料検索
    神戸大学国際法ウェブサイト http://www.kobe-u.ac.jp/ilaw/
    成績評価方法
    成績評価は、
    1.講義中の議論への参加
    2.レポート3本
    により行う。いわゆる「期末試験」は行わない。
    「講義中の議論への参加」については、発言内容の適否ではなく、議論に参加してい
    るかどうかに着目する。議論に参加する受講生のみ、レポートに基づく成績評価の対象
    とする。
    2
    2006 年度後期 神戸大学法学部 国際紛争と法
    3本のレポートについて

    資料の原本内容

    2006 年度後期 神戸大学法学部 国際紛争と法
    神戸大学法学部 2006 年度後期
    国際紛争と法 シラバス
    教授 濵本正太郎
    shotaro@kobe-u.ac.jp
    講義目標
    中央機関による強制執行の存在しない国際法体系において、紛争処理のために法はど
    のような役割を果たしているのか、いないのか。一見する限り法はなんの役にも立ちそ
    うにない国際紛争過程を法の観点から検討することにより、「法」について、また、国
    講義内容
    ま ず 、「紛争の平和的処理」に関する国際法規則・制度を概観する。強制管轄権を持
    つ裁判所も強制執行機関もない国際法は、紛争が生じた場合にどのような処理手続・制
    度を有しているか。紛争処理制度の歴史的展開――これは戦争の法的規制と不可分であ
    続いて、その体系的理解を基に、紛争処理に関する国際法規範が実際にどのような働
    きをするのかについて、3 つの事例を通じて考える。「現場」での国際法の使われ方を
    見ることにより、「体系的」学習だけでは得られない深い理解を得ることを目的とする。
    論を構築するか。それを考えることがここでの内容である。
    教材
    必携2点
    ・ 条約集 1 点 以下のいずれでもよい。
    ・ 『解説条約集』(三省堂)
    ・ 『国際条約集』(有斐閣)
    ・ 『ベーシック条約集』(東信堂)
    ・教科書 1 点 既に持っているものでよい。持っていない受講生には、以下のいずれ
    かを薦める。
    ・松井芳郎ほか『国際法 第 4 版』(有斐閣 Sシリーズ、2002 年)
    第 3 版』(有斐閣、2003 年)
    ・中谷和弘ほか『国際法』 (有斐閣アルマ、2006 年)
    1
    2006 年度後期 神戸大学法学部 国際紛争と法
    この講義は、既に「国際法概論」および/あるいは「国際機構法」を履修した
    学生を念頭に置いて行われる。毎回の講義の予復習範囲に教科書は含めないが、
    教科書の関連する範囲は毎回十分に読み込んでくること。
    参考書1点
    松井芳郎ほか『判例国際法』(東信堂、第 2 版、2006 年)を予復習に用いることを強
    く薦める。
    自習用図書
    参考書(『判例国際法』)のほか、以下の 3 冊は、本講義全般に関わるものである。「講
    義予定」の参考文献にはいちいち挙げない。常に参照していただきたい。
    ・国際紛争処理制度の歴史的展開を学ぶ
    田岡良一『国際法 III 新版』(有斐閣、1974 年)
    ・国際司法裁判所の詳細を学ぶ
    杉原高嶺『国際司法裁判制度』(有斐閣、 1996 年)
    ・判例集
    山本草二他『国際法判例百選』(有斐閣、 2001 年)
    参考文献・資料
    以下の「講義予定」参照
    関連資料・情報は随時濵本ホームページ(上記)に掲載する。
    自分でさらに文献を調べたい場合
    ・「法学部生のための文献資料の探し方」
    ←法学部 HP(http://www.law.kobe-u.ac.jp/)の「研究学習資源」
    インターネットでの資料検索
    神戸大学国際法ウェブサイト http://www.kobe-u.ac.jp/ilaw/
    成績評価方法
    成績評価は、
    1.講義中の議論への参加
    2.レポート3本
    により行う。いわゆる「期末試験」は行わない。
    「講義中の議論への参加」については、発言内容の適否ではなく、議論に参加してい
    るかどうかに着目する。議論に参加する受講生のみ、レポートに基づく成績評価の対象
    とする。
    2
    2006 年度後期 神戸大学法学部 国際紛争と法
    3本のレポートについては、別紙参照。
    オフィスアワー
    火曜日 15:30-16:30 この時間は事前連絡なしに研究室に来て良い。
    それ以外の時間に面会の必要がある場合は、 e-mailで事前に連絡すること。
    その他
    ・この講義は、出席者は十分な予習をしてきているという前提で行われる。
    ・濵本が担当した過去の講義のシラバス・配布資料・試験問題・試験講評・授業評
    価アンケートは、上記 HPに掲載している。ぜひ参照されたい。
    ・質問を受け付けるための BBSを作成し、上記 HP からリンクを貼る。必要な ID
    は講義時間に伝える。
    講義予定
    「参考文献」欄には、講義時に配布する文献資料および上記「自習用図書」は含まれていない。
    10 月 2 日 はじめに
    講義の全体像
    第 1 部 体系的理解 →別紙参照
    参考文献
    祖川武夫『国際法 IV』(法政大学通信教育部、1950 年)
    芹田健太郎「国際紛争処理論覚書」神戸法学雑誌 35 巻 3 号(1985 年)
    石本泰雄「国際法の構造転換」石本泰雄『国際法の構造転換』(有信堂、1998 年)
    所収(初出、1988 年)
    宮野洋一「国際法学と紛争処理の体系」国際法学会『日本と国際法の 100 年 第 9
    巻 紛争の解決』(三省堂、2001 年)
    山形英郎「伝統的な政治的紛争理論と戦争違法化」山手治之・香西茂編『国際社会
    の法構造 その歴史と現状』(東信堂、2003 年)
    10 月 9 日(体育の日)
    3
    2006 年度後期 神戸大学法学部 国際紛争と法
    10 月 16 日 第 2 部 歴史的理解
    その1 第一次世界大戦まで
    ・ 「国際紛争を解決する手段として」の戦争が法的に容認されていたの
    はなぜか
    ・ 「無差別戦争観」とは、どのような考え方か
    ・にもかかわらず戦争遂行手段に規制が進められたのはなぜか
    ・仲裁裁判が次第に用いられるようになってきたのはなぜか
    参考文献
    田畑茂二郎「第 3 章第 2 節 戦争の違法化」田畑茂二郎『国際法新講 下』(東信堂、
    1991 年)
    山内進「聖戦・正戦・合法戦争」山内進編『「正しい戦争」という思想』(勁草書房、
    2006 年)
    伊藤不二男「グラティアヌス『教会法』における正当戦争論の特色」法政研究(九
    大)26 巻 2 号(1959 年)
    山内進『略奪の法観念史』(東京大学出版会、1993 年)
    伊藤不二男『ビトリアの国際法理論』(有斐閣、1965 年)
    大沼保昭編『戦争と平和の法』(東信堂、補正版、1995 年)
    柳原正治『グロティウス』(清水書院、2000 年)
    亀本洋「法的思考の根本問題」井上達男ほか編『法の臨界[I] 法的思考の再定位』(東
    京大学出版会、1999 年)
    柳原正治「紛争解決方式の一つとしての戦争の位置づけに関する一考察」杉原高嶺
    編『紛争解決の国際法』(三省堂、1997 年)
    柳原正治「いわゆる『無差別戦争観』と戦争の違法化」世界法年報 20 号(2001 年)
    石本泰雄「戦争と現代国際法」石本泰雄『国際法研究余滴』(東信堂、2005 年)所収
    (初出、1965 年)
    杉原高嶺「近代国際法の法規範性に関する一考察」山手治之・香西茂編『国際社会
    の法構造 その歴史と現状』(東信堂、2003 年)
    寺沢一「血讐論」寺沢一『法と力』(東信堂、2005 年)(初出、1952 ~1953 年)
    石本泰雄『中立制度の史的研究』(有斐閣、1958 年)
    明石欽司「欧州近代国家系形成期の多数国間条約における『勢力均衡』概念」法学
    研究(慶應)71巻 7 号(1998 年)
    井上忠男『戦争と救済の文明史――赤十字と国際人道法のなりたち』(PHP 新書、
    2003 年)
    高坂正堯『古典外交の成熟と崩壊』(中央公論社、1978 年)
    4
    2006 年度後期 神戸大学法学部 国際紛争と法
    10 月 23 日 第 2 部 歴史的理解
    そ の 2 戦 間 期
    ・国際連盟を中心とする安全保障体制は、どのようなものであったか
    ・戦間期にはどのような紛争処理制度構築が試みられたか
    ・その安全保障体制・紛争処理制度はどのようにして崩壊したか、また、
    それはなぜか
    参考文献
    藤田久一『国連法』(有斐閣、1998 年)第 1 章
    船尾章子「国際連盟構想の起源とその展開」桐山孝信ほか編『転換期国際法の構造
    と機能』(国際書院、2000 年)
    山田三良「国際連盟と国際法典編纂」国際法外交雑誌 28 巻 2 号(1929 年)
    大森正仁「国家の国際責任の法典化について」慶應義塾大学大学院法学研究科論文
    集 17 号(1982 年)
    篠原初枝『戦争の法から平和の法へ――戦間期のアメリカ国際法学者』(東京大学出
    版会、2003 年)
    山内進「グロティウスと 20 世紀における国際法思想の変容」『変動期における法と
    国際関係』(有斐閣、2001 年)
    田岡良一「不戦条約の意義」法学(東北大学)1巻 2 号(1932 年)
    田岡良一「疑うべき不戦条約の実行」外交時報 654 号(1932 年)
    藤田久一「戦争観念の転換――不戦条約の光と影」桐山孝信ほか編『転換期国際法
    の構造と機能』(国際書院、2000 年)
    森肇志「戦間期における『自衛権』概念の一断面」社会科学研究 53 巻 4 号(2002
    年)
    松井芳郎「日本軍国主義の国際法論」東京大学社会科学研究所編『戦時日本の法体
    制』(東京大学出版会、1979 年)
    松田竹男「戦争違法化と日本」国際法外交雑誌 79 巻 5 号
    唐渡晃弘「ロカルノ外交」法学論叢 125 巻 4 号、5 号、6 号、126 巻 1 号(1989 年)
    田岡良一「連盟の崩壊と世界法廷の将来」中央公論 54 巻 5 号(1939 年)
    田岡良一「連盟規約第 16 条の歴史と国際連合の将来」田岡良一編『法理学及国際
    法論集』(有斐閣、1949...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。