慶應通信の2025年度の生物学第3回の合格レポートです。
(1)
核生物の染色体は、遺伝情報の担い手であるDNAと、それをコンパクトに収納する役割を持つタンパク質、主にヒストンが高度に組織化されて形成される。まず、DNA二重らせんが約146塩基対ごとに「八量体というH2A、H2B、H3、H4がそれぞれ2分子ずつ集まったもの」巻きつき、ヌクレオソームと呼ばれる構造を形成する。この「クレオソームが数珠状に連なったものがクロマチン繊維の基本単位である」次に、このヌクレオソームがさらに凝縮し、直径約30nmのクロマチン繊維(30nm繊維)を形成する。この凝縮には、ヒストンH1やその他の非ヒストンタンパク質が関与すると考えられている。
細胞が分裂期に入ると、この30nmクロマチン繊維がさらに複雑に折りたたまれ、特定の「足場タンパク質(スカフォールドタンパク質)」に結合することで、肉眼でも観察できる棒状の染色体の構造が形成される。具体的には、クロマチン繊維がループ状に折りたたまれ、このループが中心軸となるスカフォールドタンパク質に沿って螺旋状に巻きつき、最終的に複製された2つの姉妹染色分体がセントロメアで結合したX字型の構造(または棒状構造)として現れ...